クリスマスのあと  12/27
 日本のクリスマスは、新年へのカウントダウン開始の合図です。今年もあと1週間、ということを明確に意識する日で、そのあとはお正月に向けて一気になだれ込みます。
 クリスマスが若いカップルのためだけにあるように演出している日本の社会は変だなと思う一方で、テレビニュースで映し出されるニューヨークのクリスマスを見ていると、キンキラキンの街の中でおもちゃを買いあさる人々の姿が何だかひどく薄っぺらく見えてしまい、喜びよりも寂しさの方を感じてしまいます。クリスマスってそういうものじゃないでしょって言いたくなる。
 さて、例年と違って、今年のぼくは間もなく1年が終わるという実感がありません。おそらく子どもたちが二人とも受験のために毎日冬期講習に通っているせいで、いつものような冬休みという感覚を失っているのでしょう。年賀状を作れば少しはその気分が出てくるかも知れないけれど、仕事も目の前にあるし(実はそんなことにほっとしたりしている……)。
 世界も日本もぼくたちの家族もぼく自身も、いろんな課題を持ち越しながらまもなく新年を迎えます。でも
ただのカウントダウンじゃなくて、クリスマスの喜びを新しい年のための力にしたいものです。

人間国宝が友情出演  12/23
 教会のクリスマスは行事が立て込んで、何かとあわただしい。昨日行われたのは、教会学校のクリスマス会。礼拝のあと教師と保護者たちによるページェントを行ったのですが、今年はなんと歌舞伎の人間国宝、澤村田之助
さんが友情出演してくださいました!
 ページェントと言えば、みなさんよくご存じのイエスさまの誕生劇。羊飼いやら天使やらマリア、ヨセフたちが登場して幼稚園などでもやったことのある人は多いのではないでしょうか。今回の劇で田之助さんには、3軒の宿屋のご主人を演じていただきました。ヨセフとマリアが宿を訪ねて回るのですが、別々の宿屋のご主人を、女形も混ぜて一人で演じ分けたのです。ぼくは他の出演者たちと一緒に舞台袖で聞いていたのですが、声を聞いていると観客として見てみたくなっちゃうのでした。
 田之助さん、劇の始めには口上もやってくださる大サービス。「いつもの歌舞伎じゃ緊張したことがないのに、今日はドキドキしちゃうな」(笑)。教師たちの迷演もあって、笑いいっぱい、当教会の歴史に残る名ページェントになったのでした!
 え、どうしてこんなすごい人が出演したかって?奥さんが教会員で、娘さんが教会学校に通っているからなのです。

主夫の立ち話  12/21
 昨日の午前、図書館へ本を返しに行った帰りに、同じ棟に住む奥さんにばったり会い、しばらく立ち話をしました。この人とは、お子さんがぼくの娘と幼稚園から中学時代まで同級生だった関係で、家族ぐるみで親しくしているのです。
 そういう人と会うと、当然、話題は子どものことになります。受験の話やらインフルエンザの話やら景気の話になって、「生活が苦しくて大変」と愚痴ったりしながら、ぼくは心の中で、みごとに主婦(主夫)
の会話をしてるなあと我ながら驚いてしまうのでした。
 いや、驚くことではない。ぼくもまもなく主夫歴10年目に入ろうとしています(役割を十分果たしているかどうかは別)。息子の中学校ではPTAの広報委員をやっていて、10数名中、男はぼく一人。そういう中で鍛えられているから、主婦の会話はごく自然に出てくるのです。

 今の時代、主婦たちはほとんどが仕事を持ちながら日々の生活をこなし、その厳しさを実感しています(裕福な人もいます、もちろん)
。生活に直面しているところは男性サラリーマンとは少し違った感覚だと言えるでしょう。
 「来年はいい年でありたいよね」と言って、その友人と別れました。

診断  12/11
 娘の病気が新たな展開を見せました。
 娘がおなかを壊して1週間になりますが、まだ下痢が治りません。先週3度行った医院(そこは小児科。子どもたちが赤ちゃんのころからのかかりつけの医師です)で2度目に受けた診断は、軽い虫垂炎
(盲腸)とのことでした。えっ?予想もしなかった結果に戸惑いました。
 実は発病した翌日、たまたま息子が学校からもらって帰った保健だよりに感染性胃腸炎のことが書いてありました。読むと、発熱、嘔吐、下痢の病状があると書いてあり、娘のと一致しているように思えたので、2度目の診察の時、ぼくは先生にそのことを聞いたのです。これじゃないんですか?
 すると先生の答えは、ウィルスか何かの胃腸炎がもとになっていますが軽度の虫垂炎です、と最初の診断の繰り返しでした。3度目の診察でも同じで、良くなってきてはいますが、病状が悪化するようなら次回は手術ですね、と言われました。
 発病の2日後には嘔吐は止まったし、熱も引いたし、今では腹痛も収まっていますが、下痢だけは続いています。虫垂炎にしてはおかしくないか、という思いがまたもや頭をもたげてきました。で、ゆうべ家族で話し合い、小児科ではなく、今度は別のところで診てもらおうということになりました。そっちの医院は消化器科なので、より専門です。
 今朝いちばんで娘は受診に行きました。帰宅後、娘から受けた報告は「感染性胃腸炎だって。虫垂炎じゃないって、はっきり言ってたよ」。ああ、やっぱりな。
 小児科の先生は、レントゲンも撮ったし血液検査もしました。それを診て下した診断が、虫垂炎だったのです。そして、今日の先生はエコーをとって診てくれて、その結果が感染性胃腸炎。診る医師によって、こんなふうに違って来るんですね。
 ぼくは最初に行った医院の先生の診断を誤診と言うつもりはありません。でも、何か変だなあと言う思いはずっとあったのです。で、先生としてはぼくが「感染性胃腸炎ではないですか?」と聞いても、一度下した診断をそうたやすく覆すわけには行かないでしょう。素人の意見に左右されていては医者はやっていけないでしょうから。だからきっと今日その先生にもう一度診てもらってもやっぱり同じ意見を繰り返しただろうと思います。でも、別の医師に診てもらった結果は、ぼくの予想どおりでした。
 感染性胃腸炎なので、この1週間のお休みは「欠席」ではなく「出席停止」ということになりました。下痢が治るまでは登校しないように、と先生に言われたそうです。今日から始まった期末考査も受けることはできません。思考能力が働かないから、受験勉強だって全然手につきません。いったいどうなることやら。しかしまあ、焦ってもしょうがない。
 不幸中の幸いは、学校の皆勤賞記録が息を吹き返したこと。6日に当コーナーでぼくは、連続出席記録が途絶えたことを「サッカーで言えば、勝利目前の試合終了間際に失点してしまったような」と書きましたが、今日になってこのゴールは無効という審判が下されたのです。

コーラスを楽しむ  12/10
 ぼくの教会に、津田塾に通っている学生さんがいて、一橋大学との合同合唱団ユマニテ(フランス語humanite、英語で言えばヒューマニティーですな)に所属しています。そのコンサートに、妻と二人で土曜日行って来ました。
 この合唱団、なんと1958年創立というからびっくり。ぼくが2歳の時から続いている伝統ある団体なのだ。舞台の上に並んだ演奏者を数えたら、ざっと140名はいました。それだけの人数で歌うコーラスは大迫力でした。ほとんどが無伴奏で、楽器はついてもせいぜいエレクトーンが2台。
 最初に両校の校歌を歌ったのですが、またまたぼくの近年の癖が出て、涙が出そうになりました。いや、ほんと、感動したんですよ。人の声って、こんなふうに聴く者を感動させられるんですね。よく練習したんだろうなあと思わせるような出来で、最後の曲(John Rutterのレクイエム)もみんなの声がまるでボールのように
ポーンと空中に投げられて、そのあとに続く数秒の余韻はまさに充実感に満たされたものでした。
 観客は主に両校の現役生とOG、OBのようでしたが、そう言えば皆さん賢そうな感じでしたね。若い人たちは男も女もみんなおしゃれで。……いや、ぼくがただのダサイオヤジだと言うだけのことか。

インフルエンザじゃない!?  12/6
 今年はインフルエンザが例年より1か月以上も早く流行り始めたと報道されています。わが家の受験準備期にある二人の子どもたちも11月に予防接種をして、事態に備えました。
 ところが昨日の昼過ぎ、娘の通う高校から電話があり、お子さんが熱を出して保健室にいるのだけど、インフルエンザかも知れないというのです。とても電車に乗れる状態ではないので、迎えに来てください、と言われ、押っ取り刀で車を走らせました(押っ取り刀、なーんて古風な表現、いいでしょ。大急ぎで現場に駆けつける形容に用いられるそうで、一度使ってみたかったのです)。
 学校に着いて、保健の先生に話を伺いながら、ぼくは予防接種したのにどうしてでしょうねと聞きました。すると、免疫ができるまで2週間かかるからかも知れません、という答えでした。そう言えば接種を受けたのはほんの数日前。なんとアンラッキー。
 
熱でぼうーっとなってる娘を連れて帰ってから、妻に連絡をしたり、クリニックに診察の予約を入れたりとあわただしく過ごしました。娘はふとんを敷いて眠り始めたものの、途中で起きて吐く始末。夕方には一緒に医院へ。ゴホゴホと咳をする子どもたちに囲まれて、待つこと1時間近く(予約制なのに……)。7時半過ぎに何とか診察を終えました。
 結果は風邪。おなかに来たものだとか。
 インフルエンザでなくて良かった。……と、喜びたいところですが、「喜びも 中くらいなり ただの風邪」という複雑な心境でした。と言うのも、娘はこれまで高校を無遅刻無欠席で通い続けていて、あと数十日の登校で3年間皆勤賞を達成するはずだったのです。インフルエンザだったら、強制的に出席停止のため欠席扱いにはなりません。が、結果はただの風邪なので、早退、欠席がしっかり記録されます。これまで頑張って通学していた娘は、むしろそのことで力を失ってしまいました。

 サッカーで言えば、勝利目前の試合終了間際に失点してしまったような、野球で言えば、9回裏ツーアウトから逆転されてしまったような、フィギュアスケートで言えば、最後のジャンプで転倒したみたいなものです。ほんとにねえ。
 でもさ、これが入試の直前でなくて良かったじゃない? 今だからかえってラッキーだったんだよ。これからちょっと気をつけて、入試にこそ備えよう。まあ、こんなことって、思いがけず襲ってくるものなんだよ。それが人生さ。松井の連続出場記録だって、ある日突然途切れたじゃないか。それに、途切れたからといって、今まで頑張ってたことが無駄になったわけじゃないんだし。
  娘は今日一日、眠りこけています。

消音でテレビを見る  12/4
 ゆうべぼくは、野球日本代表の台湾戦を消音で見ていました。この観戦はなかなか楽しめました。
というより、茶の間観戦法としてはこっちの方がずっといい。騒音でしかない実況中継と解説を聞かなくて済むし、音声なしだと、サッカーや野球の試合をぼくが見ているときの家族の迷惑そうな顔も見なくて済みます(あ、ぼくの声は消音されていないか……)。
 民放の番組はどれも今や騒音公害と言っていいでしょう。たびたび言うことですが、スポーツ中継はNHKだけが良心的です。試合会場で聞こえる自然な音であるならスポーツ本来の興奮を伝えるために必要なのだと思うし(もちろん例外もあり
)、実況アナウンスや解説はあくまでもそれを補佐する役割であるはずです。しかし、テレビはいつもの悪癖で、補佐がしゃしゃり出て本質をぶちこわしにする。それは、果物や野菜の本来の味の方が本当はおいしいのに添加物を入れなくては気が済まなくなっているという、現代日本人の添加物依存体質です。
 で、テレビを映像だけにしておくと、どこかのお店か山手線のドアの上にある受像機みたいで、環境の中に程良く収まっています。その方がたまに見たときに試合の流れによほど素直に入っていけるから不思議なものです。

ペンタブレットのペンが!  12/1
 ぼくはMac OSXを使うときはタブレットで操作しています。ちょうど1年前にこれを使い始めたら、使い勝手の良さにはまり、もうマウスには戻れなくなりました。特にイラスト制作ではタブレットなしではできない表現があるので、必需品です。さらに他の作業でもすべてこれを使った方がサクサク進みます。
 ところが おとといの朝、Eメールを打っていたら、ポインターの動きが鈍くなっているのに気づきました。変だなと感じながら続けていると、その後どんどん調子が悪くなって、午後にはまったく動かなくなりました。他に原因があるのかと思っていろいろ試しましたが、やはりペンに問題がありそう。
 ペンの構造は磁気を応用したもので、電池は使いません。だから半永久的に使えるものだと思っていたのです。それがたった1年で、おだぶつとは……。パニックになって、すぐに近くのコンピュータ店へ買いに行ったら、ペンのみの販売はしていなくて、取り寄せに10日ほどかかると言われました。えー、どうして?
 結局、家に戻って、インターネットで取り寄せて今日届いたわけですが、予想外の故障でまた思わぬ出費になりました。しかし、寿命がたった1年なんて短すぎないか?と文句をたれています。

11月の「ごあいさつごあいさつ」