スラウェシ島(セレベス島)
2004年の正月休み(実質的には2003年暮)、むし社企画の昆虫採集・観察ツアーに参加して、
スラウェシ島(セレベス島、インドネシア)を旅行した。
むし社の海外ツアーに参加するのは1998年のマレー半島(マレーシア)以来である。
虫のことが片時も頭から離れない筋金入りの虫屋から程遠い軟弱な虫屋の筆者であるが、
しばらく熱帯や亜熱帯の世界から離れていると、
緑に囲まれて色とりどりの蝶を眺めたいという気持ちが強くなってくる。
そんな気持ちを見通すかのように、
スラウェシ島採集ツアーの案内が舞い込んできたのが2003年の秋。
まずは参加することに決めたものの、最終的に申込書を発送するまでに少々時間がかかった。
というのも2003年の秋に腰痛の症状が出たからで、
もし旅行中に症状が悪化したら採集どころか、
野山を歩くのも難儀になりそうで躊躇していたのだ。
腰痛は人生で初めての体験で、
どのように進行していくのか見当がつかなかったのでしばらく様子を見ていたが、
歩けなくなるほどに悪化する兆しもなかったので参加の申し込みをした。
いざ旅行に出発しても腰痛のことが頭から離れることがなかったが、
結果的には心配するほどのことはなく、
むしろ旅行の出発前より帰国時のほうが調子がよいくらいだったのだから不思議である。
腰痛も気の持ちようで症状が変わるのだろうか。
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![]() Paluの東郊Panekiの渓谷。穏やかに流れる川の水はきれいで、 日本の渓流を思わせる。 この流れに沿って小道が上流へと続いていて、 たくさんの種類の蝶が見られる。 時には、キシタアゲハが後翅を金色に輝かせながら、悠然と上空を飛んでいくことがある。 ここでは、蝶以外にも生きたスカラベを見るという幸運にも恵まれた。 同行の森さんに教えていただいた。 こういう経験は甲虫に詳しい人が一緒にいたからこそのものだ。 |
![]() Panekiの集落にあるモスク。 Paluの周辺ではいたるところにこのようなモスクを見かける。 |
![]() Paluの北にあるTawaeliという町から8kmほど山の中に入った川原で出会った光景。 数日前の大雨で荒れ果てた川原を、牛車に荷を引かせていた。 牛車が輸送手段の主役というわけでもないようだが、 このように道路でないところで物を運ぶには、トラックより役に立つようだ。 見かけた牛は白いのがほとんどだった。 この場所は川原が荒れていたためか、蝶の数は少なかった。 |
![]() Paluから南へ車で約2時間のPalolo。 Lore Lindu National Parkの中にある。 オートバイなら通れる道が山の中へと通じていて、 小一時間歩いて登ると広場に達する。 そこから先は本格的な山道となり、さらに奥へと延びている。 標高が700mほどあるため、 ブルメイアゲハなどPanekiなどの低地では見られない種類の蝶が飛んでいた。 この地へは、昆虫を扱う業者や採集者が時折来るらしく、 我々がネットを持って歩いていると、クワガタや蝶を手に近寄ってくる住民もいる。 うまく売れれば手っ取り早い現金収入となるわけである。 |