回 折 概 要 



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 「波の回折と干渉」について,計算式を含む詳細は,以下のページを参照してください。
  • 2波源による円形波の干渉
  • 干渉による強度分布
  • 回折による強度分布
  • 全体の強度分布



  • 回 折
     波が障害物にあたると,波は障害物の縁から回り込むようにして障害物の裏側にも一部伝わっていきます(図1参照)。この現象を「回折」といいます。回折は波の固有な現象といえます。


     この場合,障害物の大きさに対して波の波長が大きいほど回折が起こりやすく,障害物の裏への波の回り込み方が大きくなります(下図2(a))。逆に障害物の大きさに対して波の波長が小さいほど回折は起こりにくくなり,障害物の裏への回り込み方が小さく,波本来の進行方向に進もうとする傾向が強くなります(下図2(b))。つまり,波の直進性が強くなります。

     音は物陰にいても聞こえるのは,音波の波長は数十cm~数mほどで比較的長く,回折が起きやすいためです。これに対して光の場合普通直進するように見えるのは,可視光線の波長域は約 $380\mathrm{nm}$ ~ $800\mathrm{nm }\quad ( 1 \mathrm{nm} = 10^{-9} \mathrm{m}$ )で非常に小さく,回折が起きにくいためです。しかし光と同じ電磁波の中でも,ラジオの電波などはその波長は数 $\mathrm{km}$ もあるため回折が起きやすく,電波が山間などにも回り込んでくるために比較的山奥でもラジオの電波は届くようになります。

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     また穴(スリット)の開いた障害物に波が入射すると波は穴を通過するとき回折を起こし,スリットから広がるように伝播していきます。この場合も,スリットの大きさに対して波長の大きな波ほど回折が起きやすく(下図3(a)参照),障害物の裏側までしっかり回り込んだ形で扇型に広がっていきます。これに対して波長が短い波,言い換えると波長に対してスリット幅が大きいと波の強い部分の広がり方は狭まってきます(図3(b)参照)。また図3(b)でA,B,Cで示したように,直線状に波が消えている部分ができており,さらに中心線から離れる方向に進む波ほど波の強さが弱くなっています。このように回折した波の強さは,回折波の進行方向に左右されていることがわかります。
     回折角と波の強度との関係の詳細は, 回折による強度分布 をクリックしてください。




     詳細は,以下のページを参照してください。
  • 干渉による強度分布
  • 回折による強度分布
  • 全体の強度分布