詰将棋おもちゃ箱記録に挑戦!

記録展示室 No.182 Estalightさん 「天秤」

記録に挑戦!
記録に挑戦!
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
双方連続・・・?回 30手台

初形と出題コメントから想像がついた方もいると思います。 本作は双方連続逆王手回数の記録作品(21回)です。

作者「連続逆王手回数記録作品とその参考記録の鑑賞をしている際に、それらの機構を組み合わせれば記録更新出来ると考え付き、作成した図です。」

この玉がにらみ合い、2枚の角が狙っている構図は、北村昌男二段(当時)が将棋世界1952年5月号に掲載された王手遊び図に登場しています。 王手が41回(逆王手が40回)も続くおもしろい図でした。 なお、その後、連続王手62回(逆王手61回)の図が作られています(双方連続王手の最長手数参照)。

北村昌男二段の図を浅井和吉さんが詰将棋にしたてたのが、詰パラ1971年12月号の読者サロンに掲載された「二○三高地」で、連続逆王手19回。 残念ながら早詰がありました。 また、この構図は消去する駒の順番が非限定なのは仕方ないとしても、持駒の金銀の順番も非限定なのは気になるところ。 角建逸さんが詰パラ1981年5月に発表した連続逆王手17回の作品では、持駒は金3枚だけなので持駒順の非限定はありません。 (図は昭和詰将棋秀局懐古録下巻掲載の修正図)

    

記録展示室No.182 Estalight 「天秤」

そして、本作、Estalightさんの「天秤」も、持駒は銀3枚なので、持駒順の非限定はありません。

  43金同飛63桂成同飛

初手が要注意。 当然43歩成かと思いきや、ここは43金でなければなりません。 あとの手順を見るとわかりますが、34桂と跳ねるため34を空ける必要があるからです。

63桂成のところは、63歩成、63と寄、63と上でも同様で、以下もこの順番は非限定です。

  43銀同飛63と上同飛
  43銀同飛63歩成同飛
  43銀同飛63と同飛
  43銀同飛72龍62桂合

この72龍を実現するため、73と74と75桂の3枚を消したわけです。 64歩を消したのは64桂と行くためです。

  同香成、同歩、64桂、42玉、34桂、33玉、

同香成まで、連続21回の逆王手を達成しました。

  22角、23玉、24歩、同玉、35と、同玉、75龍、46玉、
  55龍、37玉、38歩、47玉、39桂 まで39手

最終手39桂まで39手。 作者の遊び心かな。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
玉方9連続同飛の仕組みがよく出来ている。
名越健将さん:
狙いはわかるのですが、解ききれませんでした。

並べてご鑑賞ください。

蛇塚の坂本さん:
龍が上段からの攻めつつ終盤五筋に引いて追い込む所に意外性有りました。
たくぼんさん:
双方連続王手が22回ですか。 もうなんだか凄いとしか言いようがないですね
池田俊哉さん:
角さんの連続逆王手17回の記録を40数年ぶりに22回へと更新
記録達成後は窮屈な配置から良くまとめたという印象

初形の43銀の王手も数えると22回ですね。

橋茂さん:
20手目までに6回の逆王手は素晴らしいですね。

よく見ると21手まで全部逆王手です。

占魚亭さん:
浅井和吉作「203高地」を改良して連続逆王手回数の記録更新。 これ以上は難しそうですね。
おかもとさん:
逆王手の連続回数の記録作。
そのあとは冗長だけど、39手で39桂というのを狙ったのかな。
ootanowatasi67さん:
連続逆王手のアイディア素晴らしい! 楽しませていただきました。
那須清さん:
逆王手のオンパレードです。
竹園正秀さん:
序良いが収束ほぼ追手

記録展示室No.182 解答:11名 全員正解(下記)

  池田俊哉さん  ootanowatasi67さん  おかもとさん  占魚亭さん
  橋茂さん  たくぼんさん  竹園正秀さん  那須清さん
  福村努さん  蛇塚の坂本さん  山下誠さん   

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。