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詰将棋おもちゃ箱記録に挑戦!

記録展示室 No.94 金少桂さん

記録に挑戦!
記録に挑戦!
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
完全立体龍馬詰最長 10手台

記録展示室No.94 金少桂 No.94(本作)とNo.95は、飛角詰の長手数記録更新の募集に対する応募作品です。 本作は、完全立体龍馬詰の長手数記録作品(17手)。 完全立体龍馬詰とは、初形から詰上りまで、全局面がすべて玉と龍馬4枚というもの。 これまで意識されたことがなかったようで、これまでの作品では3手詰(数作あり)しか見つかりませんでした。 本作は一挙に5倍以上の手数に更新したことになります。

なお、初形と詰上りが玉と龍馬4枚になっている立体龍馬詰では、北川明さんの17手詰があり、 本作はタイ記録になります。

作者 「1分で龍追いを用いた安直な11手の仮記録を造った後、 馬追いの方が手数が少し伸びそうだと気づいて15手(やはり安直な図)に纏めたものの、 いざ投稿しようと詰将棋メモの頁を見たら、鈴木氏に先を越されてしまっていた後だった。
自分の得た15手は安直きわまりなかったので、 改めてここからがスタートラインだと思いなおして17手以上にチャレンジ。
しかしたった2手更新に1か月以上頭を悩ますことになるとは思わなかった。
完成図はやはり安直な図だけれど、この2手の重みはチャレンジした人にしかわからないだろうと思う。」

端玉を馬追いするパターン(例えば21龍64馬|13玉49龍|なし))で15手詰は簡単に作れて、 まだ馬を1枚使えるので、もっと更新できそうです。 ところが、条件から持駒も捨駒も使えないので、これが意外に大変。 金少桂さんが1か月以上頭を悩ましたというのもうなづけるものがあります。

いったいどうやって実現したのか、手順を見ていきましょう。

  32龍、13玉、22龍、14玉、
  41馬、15玉、42馬、16玉、43馬、17玉、44馬引、18玉、
  45馬、19玉、46馬、18玉、28馬(龍) まで17手

最初に32龍から22龍と据えるのが手数更新のポイント。 あとは馬追いで一直線です。

手順はシンプルですが、完全立体龍馬詰というジャンルを切り拓いた最初の記録作として価値のある作品です。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

陽気なわらしべ長者さん:
本当にスッキリと気分爽快で解けました。
蛇塚の坂本さん:
右馬が敵龍を見事にブロックして面白かった
長谷繁蔵さん:
77馬は見張り役
山下誠さん:
捨合・中合を許さないところが工夫。でしょうか。
市橋宗士さん:
この駒数、簡潔さ、大駒4枚だけの一貫性、流石ですね。 玉方の竜を止めている馬がいつ動くのかと思っていました。
小山邦明さん:
手順は難しくありませんが、うまい配置だと思いました。
池田俊哉さん:
41馬の動きがさまざまあり (5一馬など、その後の手もいろいろ)、正直記録作の完全作というにはちょっとつらいか

馬の動き方が非限定になってしまったのは残念ですが、 どう動いても完全立体龍馬詰17手の条件は満たしているので、 記録作としては問題ない通常の小キズと判断しています。

攻めダルマンさん:
記録はいいですが1手好手があればいいのですが。
馬屋原剛さん:
7段目の配置が巧妙。15手と17手では天と地ほどの違いがある。
隅の老人Bさん:
竜馬図式で始まり、竜馬図式で終わります。
今迄に、こんな立体竜馬図式があることすら知りませんでした。
占魚亭さん:
この図が発表されていなかったことが驚き。

馬追いの趣向は二代宗古の将棋智実第55番にあり、最古の趣向詰と思われます (くるくるNo.41参照)。 その後もたくさん登場していますが、龍馬2枚で成立する趣向なのと、 龍馬詰という発想自体がほとんどなかったので、 この形ではこれまで発表されてなかったのではないでしょうか。

S.Kimuraさん:
龍を近づけたら,くるくるになったので,自力で解けました.
87の龍は,78馬を防ぐためのものでしょうか.

初手78馬だけでなく、15手目55馬上までとか、いろいろ防いでいますね。


記録展示室No.94 解答:12名 全員正解(下記)

  池田俊哉さん  市橋宗士さん  馬屋原剛さん  S.Kimuraさん
  小山邦明さん  隅の老人Bさん  攻めダルマンさん  占魚亭さん
  長谷繁蔵さん  蛇塚の坂本さん  山下誠さん  陽気なわらしべ長者さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。