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詰将棋おもちゃ箱記録に挑戦!

記録展示室 No.53 ドうえもんさん

記録に挑戦!
記録に挑戦!
出題時のコメント:
角の大活躍。100手台

受方の持駒を見ると歩だけ。 となれば、初形から角打ち角合の趣向らしい、と見当がつきます。

角打角合の趣向だとすれば、玉が移動するコースがあるはず。

試しに、初形で玉が行けないところ(詰方の駒が利いているマスと後手の駒があるマス)に色を塗ってみましょう。

玉の行けるところは、意外に少なく、○のコースが浮かび上がります。

初手は48角の一手。 これに対し同玉と同桂がありますが、図でわかるように同桂成だと37香が35に通って、35玉と行けなくなります。 そこで48同玉。 さあ、ここからが本当の角打角合趣向のスタートです。

  48角、同玉、

  66角、57角合、同角、同玉、
  75角、66角合、同角、同玉、
  84角、75角合、同角、同玉、
  93角、84角合、同角成、同玉、

84で90度ターン。 ここでは75に戻られないようにちょっと工夫が必要です。
それは51角の限定打。 75玉なら42角成と香が取れるので早いというわけです。

  51角、73角合、同角成、同玉、
  51角、62角合、同角成、同玉、

62でのターンも戻られないように55飛を質にした44角の限定打。 ここはわかりやすいですね。

  44角、53角合、同角成、同玉、
  35角、44角合、同角、同玉、
  17角、35角合、同角、同玉、
  17角、26角合、同角、同金

44玉のときは26には金が利いているので17角。
これに対し26角合はサイクルが減って早い(あとの手順を見ればわかります)。
35玉で17角とすれば、今度は26角合の一手。 15の金を26に移動させることに成功しました。
え? それがどうしたって? 11の飛車が18に引けるようになったのが大きいんです。
そう、また逆転して玉を48まで戻せば・・・

  53角、44角合、同角成、同玉、
  62角、53角合、同角成、同玉、
  71角、62角合、同角成、同玉、
  95角、73角合、同角成、同玉、
  95角、84角合、同角、同玉、
  66角、75角合、同角、同玉、
  57角、66角合、同角、同玉、
  39角、57角合、同角、同玉、
  39角、48角合、同角、同桂成

戻るときも曲がるところでは、質駒を作る必要があるので限定打です。
最後48同桂成のところ、同玉なら66角、37玉(57角合は18飛成以下)、55角以下。
18飛成ができるので、同桂成の一手となり、36桂を移動させることができました。
これで37香が35に通ったので、そう、おわかりですね。もう1回角打角合趣向だ!

  75角、66角合、同角、同玉、
  84角、75角合、同角、同玉、
  93角、84角合、同角成、同玉、
  51角、73角合、同角成、同玉、
  51角、62角合、同角成、同玉、
  44角、53角合、同角成、同玉、
  35角、44角合、同角、同玉、
  35角 まで107手

角打角合で1.5往復。 攻方の手はすべて角、本作は全着手角の長手数記録作品(107手)です。
2回も曲がる長いコースを1.5往復したのが100手越えの実現につながりました。
全着手角を崩さないで折り返すところ、キーの設定も巧みですね。

最初は83手でしたが、改良を重ね、95手、そしてついに100手超え!
これまでの記録は徳希さんの57手ですから2倍近い大記録です。

作者(95手のとき):
曲がり角での玉の後退を許さない42桂、55飛、86金の配置を見つけられたことは幸運でした。
徳希さんの記録を大幅に越すことができましたが、32手目から玉を35に出すことができれば100手越えができたかと思うと、すこし心残りがあります。
作者(本作のとき):
100手越えができないか考えてみました。
前のメールに書いた、玉を35に出す構想を実現したので、角打角合が2回増え、そこで8手伸びました。さらに序を改良して4手伸びたので、計12手増えたことになり、徳希さんの記録を50手更新することができました。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

小野寺さん:
飛が目覚めて桂を強制退去。羽生睨み、恐るべし。
長谷繁蔵さん:
51角・17角面白い。
稲葉上さん:
全着手角。一巡目の折り返し付近で苦労しました。
飛と37香の筋を通しておくのがポイントですが、巧妙な仕組みに何度も感嘆。
中澤照夫さん:
角合の回数の記録でしょうか。

本作の角合は26回ですが、42回というすごい作品があります (山崎隆さん 「石神井川」)。

凡骨生さん:
角打角合26回が巧くまとめてある。
ほいさん:
わかりません・・・:角合角合でくるくる?

くるくる的な手順ですが、曲り角での限定打など、くるくるにはちょっと難しいですね。

嵐田保夫さん:
飛車を世に出すまでの見事な深謀遠慮。
魚熊さん:
あちこちに詰方のスパイが潜んでいようとは、王ならぬ身の知る由もないところかな?
コピペで解答を書いていたら、1サイクル余計に書いていて110手台になり「?」と思ってしまいました。手数表記に感謝します。
隅の老人Bさん:
曲がり角に、上手に質駒を置きましたね。
角打角合、幾度かな?
暑い、暑い、数える気分になれません。
馬屋原さん:
キーを2つ設けることによって1往復半が可能になっている。 素晴らしい作品。
鈴木康夫さん:
全着手角の記録作なのに飛車二枚の意味付けが絶妙ですね。
S.Kimuraさん:
角打ち角合いを予想しました. 84などで曲がるときに,玉が元に戻ったらどうなるのかが分かっていませんが,素直に付いていったと仮定してみました.

元に戻った手順を分岐棋譜で示しましたので、ご確認ください。


記録展示室No.53 解答:12名 全員正解(下記)

  嵐田保夫さん  稲葉上さん  魚熊さん  馬屋原さん
  S.Kimura  小野寺さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん
  躑躅さん  中澤照夫さん  長谷繁蔵さん  凡骨生さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。