第1回看寿賞受賞作、北村研一さんの「槍襖」
(象戯九十九谷集第87番)
を連想させる初形。
手順も同様に4枚の歩を突いて行くのですが、違うのは、ドうえもんさんの本作は歩以外の着手が一切混ざっていないこと。
そう、本作は全着手歩の長手数記録作品なのです。
全着手同一駒種の記録は、以前はほとんど意識して創作されることはありませんでした。
2001年におもちゃ箱で全着手歩から全着手玉まで11種類の記録作品を募集したところ、すべての記録が更新され、
2001年10月に特別出題されました。
これまでの全着手歩の記録は、このとき出題された猫田いわしさんの作品
(結果発表時に改良して41手)。
本作は45手で4手更新しました。
最初は4枚の歩で順に追っていきます。
最後は何と9筋から1筋まで展開して、これによって45手の長手数を実現しました。
47歩、56玉、57歩、66玉、67歩、76玉、77歩、75玉、
76歩、65玉、66歩、55玉、56歩、45玉、46歩、34玉、
35歩、44玉、45歩、54玉、55歩、64玉、65歩、74玉、
75歩、83玉、93歩成、同玉、
94歩、83玉、84歩、73玉、74歩、63玉、64歩、52玉、
63歩成、43玉、44歩、32玉、43歩成、23玉、24歩、14玉、
15歩 まで45手
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 凡骨生さん:
- ヤリ襖か歩襖か、玉はフーフー言って逃げ回る(笑)
- 稲葉上さん:
- フッフッ歩、楽しめました。
玉が三段目にきてからふらついている・・・お疲れさん。
- 中澤照夫さん:
- 攻め方全着手歩。
突き歩が多いことも価値を高めている。
- 嵐田保夫さん:
- 正解手順はすぐ想像できたが、変化手順が煩雑でエラい難儀した。
特に6手目7六玉で7五玉の変化に苦労した。
6手目75玉は、35飛、74玉、85金、同銀、同飛成、64玉、75龍、63玉、54銀、52玉、85角まで
85金に83玉は、93歩成、73玉、75飛、64玉、74金まで
- 長谷繁蔵さん:
- 全て歩の王手。収束少し乱れるが・・・
ドうえもんさんは何でもできる頭(どこでもドア)を持って居られる
収束もすべて歩突きだけでいければ美しいですが、玉移動の限定がかなり難しそう。
- 隅の老人Bさん:
- 条件が条件だけに、解き易い。「槍襖」、懐かしいなぁ。
- 馬屋原剛さん:
- 飛や角など、取らせる駒の配置が巧妙だと思います。
- 鈴木康夫さん:
- 槍襖を髣髴とさせる全着手歩の最長記録ですか。
今までの記録は成は無いものでしたが、記録は分けて登録されるのですか?
駒に関係する記録では生駒と成駒は分けて考えますが、xx成は生駒の手として扱いますので、
成の有無で記録を分けることはしません。
全着手歩なら、xx歩、xx歩不成、xx歩成はOK、xxとはNGです。
空き王手の場合は王手駒でなく移動駒が歩ならOK。要は棋譜上でxx歩と記述される手ならOKです。
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