パッと見ても何の記録かわかりませんが、初手、とりあえず83のと金を取ってみると狙いが見えてきます。
83歩成に91玉で打歩詰。
そう、83歩不成と行くのが正解です。
83歩不成に91玉も簡単ではありませんが、次の手順で詰みます。
64馬、同と、92歩、同玉、84桂、83玉、94龍、73玉、
93龍、83角合、同龍、同玉、95桂、73玉、62角、82玉、
81金、同玉、71角成、91玉、83桂不成まで
83歩不成、同玉、84歩、82玉と83とを消去して、64馬が強手。
初手すぐに64馬とすると、同となら81金右から77龍と龍の質駒を取って詰むのですが、73と寄と移動合されて逃れ。
この順を防ぐために83とを消去したわけです。
83と消去のあと64馬なら、同とは上記のように詰みなので、73と(引)と移動合する一手。
となると、なんとなく馬ノコが見えて来ました。
ここでまた83歩不成(成は91玉で打歩詰)、同玉、65馬、74と、これで1サイクル。
馬ノコの目的はもちろん28歩の奪取(29香の利きを通す)。 どんどん行きましょう。
83歩不成、同玉、
84歩、82玉、64馬、73と、83歩不成、同玉、65馬、74と、
84歩、82玉、55馬、73と、83歩不成、同玉、56馬、74と、
84歩、82玉、46馬、73と、83歩不成、同玉、47馬、74と、
84歩、82玉、37馬、73と、83歩不成、同玉、38馬、74と、
84歩、82玉、28馬、73と、83歩不成、同玉、38馬、74と、
84歩、82玉、37馬、73と、83歩不成、同玉、47馬、74と、
84歩、82玉、46馬、73と、83歩不成、同玉、56馬、74と、
84歩、82玉、55馬、73と、83歩不成、同玉、65馬、74と、
84歩、82玉、64馬、73と、
ここから収束に入ります。
81金右、72玉、62歩成、同玉、53馬、61玉、71金、51玉、
52歩、41玉、31馬、同玉、32銀、22玉、14桂、13玉、
12桂成、14玉、23銀不成、15玉、16歩、同玉、86龍、同龍、
17香 まで95手
これまで歩不成入りの龍ノコはありましたが、歩不成入りの馬ノコは本作が初めて。
往復の馬ノコにより、歩不成9回と、歩不成回数の記録を大幅に更新しました。
- 作者:
- 馬ノコを使った比較的簡素な(?)歩不成り発生装置を見つけられたのが幸運でした。
初めは途中で馬を一旦近づけたり、収束にも不成りを入れようと思ってましたが、力不足により断念しました。
序盤の変化が作意を成立させるために無駄に煩雑なので、この問題だけ解答者が少ないかもしれません。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 凡骨生さん:
- 馬鋸とと金の動きが美しく歩生9回が巧い
- 稲葉上さん:
- ギブアップ。いくら考えても解けないものは解けない(T_T)
- 中澤照夫さん:
- 歩不成が9回。馬鋸と組み合わされて趣向手順の中で登場している。
序の紛れもあり、なかなか趣向に入れなかった。
- 嵐田保夫さん:
- 有力な紛れも多く見事な構想型作品。
解くのに丸3日もかかってしまったのは情けない。
欲を言えば6九角、6八金、5八香の形が不自然なのが気になる。
これらが不動でなければなお素晴らしいけれども、それは望み過ぎか。
いずれにしても名作です。
- 長谷繁蔵さん:
- 96桂を消すのに83歩不成とするのですネ
面白い馬鋸でした。
- 隅の老人Bさん:
- 詰め終わって、さて何の記録かな。
9回、そうか、歩生か。
それにしても、みなさん、いろいろな記録を知っているね。
- 鈴木康夫さん:
- 柿木先生のお世話になりました。
不成の意味づけが理解できていません。
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