初形・詰上り趣向の分類では盤面玉+1枚という項目はなく、
詰将棋美術館作品一覧では、準裸玉として裸玉図式の項目に入れています。
しかし、詰方の駒が配置されている場合は裸玉とは手順の性質が大きく変わって来ますので、ここでは1枚図式と呼んでおきます。
ということで、本作は馬1枚図式+金一色持駒。
1978年1月詰研会報で発表された谷川俊昭さんの年賀詰(53馬|32玉|金4)13手以降数作発表されていますが、
まだ余り開発されていないので、まだまだよい作品が眠っていると思います。
ちなみに本作は17手で、この条件では最長です。
初手はどこかから金を捨てるしかありません。
19金と捨てて37馬という手順にも惹かれますが、28金(飛)合で逃れ。
27金、同玉、37金は18玉で、38金、同玉、37金(48金は27玉)は29玉で、あと1枚足りません。
ということで、39金、同玉、49金と最下段に据えるのが正解。
29玉、19玉と逃げては金2枚打ってぴったりなので、28玉、17玉と逃げて手数を稼ぎます。
39金、同玉、49金、28玉、38金打、17玉、
28金打では16玉から逃げだされるので27金と打って、以下、この金を引いて29に呼べば、39金寄で詰みが見えてきます。
27金打、18玉、28金引、19玉、29金、同玉、39金寄、19玉、
39金寄に18玉は28金寄から29金で、これも17手で同手数なので正解です。
作意は19玉と逃げて、馬でとどめをさします。
37馬、18玉、28馬 まで17手
変同や最終手余詰で解後感はいまいちかも。
皆さんが1枚図式に取り組むきっかけになれば、ということで出題しました。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 蛇塚の坂本さん:
- 敵玉を引き寄せるのには金が効果的だと痛感した。
- 山下誠さん:
- 最後は金で詰めるのが作意?
- 小山邦明さん:
- 初手の金捨ては、金が足らなくなりそうで打ちづらかった。
- 中村丈志さん:
- 意外な手は無く楽しく解けた。
- 占魚亭さん:
- 馬の出動態勢を整える。
- おかもとさん:
- 初形29玉でも同手順で詰むけど、28玉のほうが紛れが多いか。
- ootanowatasiさん:
- 最後は馬で仕留める。
- 大西智之さん:
- Eureka殿としては少し収束が甘いかなと思いますが、金捨てが2回入りまずますでしょうか。
図式の定義を楽しみにしています(馬1枚金一色図式?)
- S.Kimuraさん:
- 雪隠に潜り込まれて逃したかと思いましたが,馬を活用して,事なきを得ました.
- 池田俊哉さん:
- 初手38金としたくなるが39金と控えて打つのが一つの収穫
収束変同とあるが、やっぱり金で押していく方を作意にしたい
- 松崎一郎さん:
- 金回りが良いと気分も上々。
27馬まで17手解。 最後27馬だと19に逃げられるので19手になりますね。
|