スイス ゴールデンパス<後編>
ツバイジンメン〜モントルー〜ローザンヌ
〜チューリッヒ

2003年9月
MOB
モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道

 レマン湖畔の街モントルーから前編でたどり着いたツバイジンメン間を主とする鉄道。列車としては、「ゴールデンパス・パノラミック・エクスプレス号」が観光用の列車として運行され、列車によっては先頭展望が可能な(小田急ロマンスカー、名鉄パノラマカーのような)パノラミック車両(1等車要予約、追加料)が連結されている。軌間は1000m。

14:00MOBの列車は動き出し、ツバイジンメンを出発。列車は再び美しい景色の中を走り始める。窓を明けると気持ちいい風が、車内へと吹き込んでくる。

約20分ほどで、シェーリンリードに到着。

ツバイジンメンからこのABDe8/8系などを連ねた列車で、シェーリンリードに到着。

シェーリンリード駅モントルー側の踏切を渡って、道なりに歩いて行くと、MOBで最も有名なオメガ(Ω)カーブの有名な撮影地にたどり着く。まずは、225ローカル列車を撮影。本当は、早朝が順光なのだが…。

続いてオメガカーブの進入部分、逆S字カーブをやって来る2374列車ゴールデン・パノラミック・エススプレス号。パノラミック車両を組み込まない編成。

そして、定番の位置でシャッターを押す。画像が小さく美しさが伝わらないので、この画像をクリックすると大きな画像が見られます。

少し先の撮影地へ行きたかったが、妻が何も無いところで待たされ、ご機嫌斜めになってきたので、駅へと戻ってきた。シェーリンリード駅へ戻るとタイミング良く列車が到着。車両はBe4/4。

窓を明けると、涼しい風が入ってくる。気持ち〜!!しかも8分前を走る先ほどのゴールデンパス・パノラミック・エクスプレスが麓を行くのがちらりと見える。
 次の駅グシュタードに到着。どどっと乗客が降り。それに代わって子供の団体が乗ってきた。「へ〜、ここへMOB沿線にしては、賑やかな駅だな〜。」
 そのまま静かに座ること3分。再び動き出した。しかも逆?!?!冷静に考えた。「良くあるスイッチバックの駅なのかな?」けど、ポイントを渡る衝撃が伝わってこない??
 ちょっと待てよ、持っていたトーマスクック(時刻表)を見る。
 「あっ、しまった!!この列車はグシュタード折り返しの列車だ!!このままだと、ツバイジンメンに戻ってしまう。」

そういうわけで、戻って来ました先ほどのシェーリンリードへ。降りてから、「違う駅で降りたら良かったかな〜?」と思うが、あとの祭り。仕方ない、次のモントルー行きの列車まで待つしかない。
 画像は、駅前のテラスをパチリ。どこの家もテラスいっぱいに。花を咲かせてある。

2381列車がモントルー方面から入線してくる。この列車は、ゴールデンパス・パノラミック・エクスプレス号でパノラミック車両を連結している。この車両をデザインしたのは、フェラーリを手掛けたピニン・ファリナ氏。またこの列車、一見電車のように見えるが、なんと機関車を中間に挟んだ、客車列車。パノラミックVIP車両を連結するための特別編成。スイスでは、このタイプの運転方法がSBBでもラッシュ時を中心に見ることができる。

待つこと約50分。16:18発の正真正銘のモントルー行きの列車。ちゃんと編成が長い。EMU(電車)が客車を引いている。この後、再び同じグシュタードへの線路を行く。

っで再び、グシュタード。ここで対向列車と交換。

とある駅で停車中の列車。実はこの列車、タンク車を連ねた貨物列車。機関車が牽引するのではなく、電車が牽引。ひょっとして客扱いがあるのかな?それなら混載列車。


大きな岩山が見え始めた。
スイスは、他言語国。母国語としてドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語がある。実は、チューリッヒからずーっとドイツ語圏をたどって来た。それがこの辺りから(何処からは良くわかりません)フランス語圏へと変わった。なんとなく駅名もフランス語ぽくなったかな?

牛が放牧されている。そういえば、家畜が目に入ることはあまり無かったなぁ?

岩山がすごい迫力でそびえる。(写真だと迫力が半減してしまっているのが残念。)

モンボボンに到着。ここでゴールデン・パノラマ・エクスプレス号と交換。
 この駅は、TPF(フリブールジョワ公共交通・旧GFM)の路線が分岐する駅。モントルーからこのモンボボンを経由してTPF路線を北へと向かうチョコレート・トレインが運行されている。この列車は、世界的に有名なネスレのチョコレート工場と古城グリューイエール城、チーズ工場をを巡るツアー・トレインで、期間、曜日限定で運行されている。車両はクラシックなプルマン車か、パノラマ車どちらか専用車に乗車することになる。

こちらは、最後尾。この車両は、先頭車より古い型の車両。ゴールデン・パノラマ・エクスプレス号には、乗客が結構乗っているが、我々の列車は、ガラガラ。途中の検札で、車掌に「ゴールデン・パノラマ・エクスプレスの方が良いのに、なぜこんなローカル列車に乗ってるの?」と言われた。確かにそうだが、ローカル列車の素朴な列車の旅の方が好きなのだ!!けど、妻はあちらの快適な列車に乗りたそうにしてた…

この後、Jaman Pass(ジャーマン峠でいいのかな?)という駅に停車。MOBの沿線には、リクエスト・ストップの駅が存在し、前もって車掌に伝えとかないと止まらない駅がある。各駅停車にもかかわらず、先ほどから何駅か通過した。それはこのためだ。けど、この駅では、停車し2人ほど学生らしき女の子が下車した。

Jaman Pass駅を出ると長いトンネルをぬけ、いよいよ山を下り始める。

レマン湖が見え始めた。霞が掛かり、分かりにくいですが、右端の木の脇が反射しているのが分かりますか?湖面が反射しているんです。

列車は急カーブを繰り返しながら、湖畔の街モントルーへと向かう。カーブを曲がる度に、レマン湖が右に見えたり、左に見えたり。スイッチバックは無いが、ジグザグに走りながら、高度を下げて行く。

おっ!!町が見えました。あれがモントルー?

途中駅に留置されていた車両です。どうもMVR(モントルー・ヴィヴィー・リビエラ鉄道、旧CEV)の車両みたい。けど、MVR路線とはBC(ブロネイ・シャンビー保存鉄道)という元CEVの路線を活用した保存鉄道と間接的には繋がってはいるが、MOBまで乗り入れるの?それともBCの車両?

こちらは、モントルーの隣町ヴィヴィーかな?

17:51モントルーに到着。ゴールデンパスの旅はここで、ひと段落。

モントルーより出発しているMVR(旧MTGN)の車両。この鉄道は、ラックレール式の800mmゲージ。この線は、グリオンを経て、ロシュドネーへと向かう。

こちらもMVRの車両のはずだが、資料によるとモントルー駅には、800mmゲージのMVR、1000mmのMOB、1435mmのSBBしか出ていないはず。この車両は軌間1000mmの車両のため、MVRの車両ながらここにいるのは不自然?やはり、同じ軌間のMOBに乗り入れているのだろうか?

SBBホームに移動すると、18時ちょうど発の2130列車が到着。

列車は、左にレマン湖を見ながら列車はローザンヌへと向かう。対岸には靄が掛かっているようだ。対岸の山々が浮かび上がって、幻想的な風景。
一方、沿線の家を見ると、山中の木造の家から石造りの家に変わった。湖の反対側には、ブドウ畑が続く。

18:18Re4/4U型機関車に引かれて、ローザンヌに到着。

向かい側に停車していたICN(形式はRABDe500)。ペンドリーノのスイス版。

入れ替え専用機Ee3/3。ローザンヌ駅構内を行ったり来たり。

軽くホームで夕食を済まし、夕陽を浴びて入線して来た19:06発のIC739に乗車。
列車は、チューリヒに向けて出発。
モントルー方面と同じ東方向へ走り始めるが、
湖岸からは少し離れた一段高い部分を走る別の路線を行く。

20時頃、外が暗くなり、車内の明かりが窓に映り始めた。
そんな頃、車内販売の兄ちゃんが回ってきた。
ちょうど向かいに座っていた人が、コーヒーを注文した。
次の瞬間、兄ちゃんの手からポンと飛び出した紙コップ。
その紙コップは、クルクルと空中を回転し、
兄ちゃんがパカッと手にキャッチした瞬間、
ポットからコーヒーが注がれた。

それを見た妻が、思わず「お〜」と声をあげる。

それに気づいた販売の兄ちゃんは、すかさず
「コンニチワ!!Are you Japanese?」と
「私はそうだが、彼女は韓国人」と答えると、
すかさず「アニョハセヨ!」と返してきた。
すばらしくパホーマンス上手。
まさか、「アニョハセヨ」までパッと出てくるとはと驚いていると
「何かいりますか?」
思わず、買おうかとなと心が揺らいだが、
今回は思い止まった。

その後が謎だった
「シロクマ」と行って立ち去っていた。
何だったろう??

その後、首都ベルンを経由してチューリッヒを目指す。

21:26チューリッヒに到着。乗ってきた客車はIC2000系ダブルデッカーだった。

IC739を牽引してきた機関車は、Re460型。
この後、ホテルへと戻った。。
ゴールデンパス前編 TGVでパリへ