2004-09-10

 

 

‡五 秘密は螺旋を描く―――1.‡





 何が起こるか分からない場所では、二人以上で行動するのが鉄則だが、この御堂邸では睡眠や食事は一人で取ることもある。つまり、ホーンテッド・ハウスとしては比較的安全な部類に分類されていた。
 克美の『気に入られているから』発言もあるのだが、これまで、メンバーの中で具体的な被害に遭った者が居ないことにも起因している。真砂子の一件に関しては、霊障でない根拠も無いかわり、霊障だったとする証拠もないので保留とされている。その代わり、カメラの設置場所が大幅に変更となり、ホールに関しては死角の出来ないように常時、数台のカメラが動いていた。そのすべてのカメラのテープを交換し、麻衣は一息つく。
 回収したテープをベースに持って行った後、麻衣は休憩時間となるが、僅かな時間は大抵、睡眠か食事に費やす事になる。だが、脳裏には二階に居るワーカーホリックな所長の顔がちらついて離れず、仕方なく大きくもう一度溜息を吐いた。
 ―――おにぎりでも握ってくかな?
 思い立ったが吉日。
 麻衣はテープを抱えて階段を駆け上がろうとした視線の先に克美を見つける。
「また、ナルに講義してもらうの?」
「ええ、家に居ても何もすることが無いし、渋谷さんの話は面白いですし、ホラ、僕ってば、すぐ話を脱線させてしまうから、言い忘れた事とか無いかと思って。あと、聞いておきたい事とか無い?」
 いつ見ても笑顔が張り付いている克美の顔は、この時もやはり笑っていた。それに笑顔で返す麻衣。
「んー、有ったような、無かったような。ナルなら思い出したらすぐ聞いて来ると思うけど」
「信頼されてますねぇ、彼」
「そりやまぁ、『解決出来なかった事件は無い』と豪語しているうえに、過去の実績を知ってるから」
「ほう、それは確かにすごい。で、麻衣ちゃんが渋谷さんのところで働き始めて3年目? それで、失敗なしって、また凄い経歴だねぇ」
「あいつに言わせれば、『猫よりは役に立つ』程度ですけど」
「それでも、意見は聞いて貰えるのでしょう? それにしても、随分若い人ばかりで驚いたけど、仕事ぶりは印象良いし、下手な霊媒師に頼るより、確実そうだし」
「普通はウチの第一印象って、うさん臭いはずなんだけどなぁ」
「事務所に行ったら霊媒臭くないし、所長は渋谷さんだし?」
「そうそう」
 くすくすとお互いに笑い合う。辺り一帯が暖かくなるようなそんな微笑み。どこか、擽ったささえ覚える。
 テープを取って来るだけにしては時間がかかり過ぎると、様子を見にドアを開けたナルの視界に飛び込んできたのはそんな風景だった。妹のようだと、兄のようだと言ってはいても、一枚の絵に収まりそうな二人の様子に心穏やかでないものを感じる。楽しそうに談笑している麻衣に声をかけ損ねて、戸惑っていたナルは背後に人の気配を感じた。廊下の角に、隠れるようにして車椅子の車輪と、恐らくは足───が見えかくれしている。直接会う気が無い割りには、こちらが気になるようで、こうしてしょつちゅう様子を見に来ている事に、ナルは気が付いていた。
 なるべく、ナルは自分が美夜子の存在に気が付いて無い振りを装い様子を窺う。ナルが見る限り、美夜子はひたすら見ているだけのようだった。そんな中、麻衣と克美の笑い声が一際大きくなると、廊下に飾ってあった甲冑の幾つかがゆらりと揺れて、そのまま二人の方へと倒れて行った。
 言葉を発する暇も無かった。
 ナルは麻衣に飛びつくようにして腕の中に収めると、そのまま床の上を転がって行く。その背後で派手な音がして甲冑がパーツ毎に散らばる。急にナルに押し倒される形となった麻衣は現状が理解出来ずに、目を瞬かせている。その麻衣の視界を掠めて、飛び込んできたのは甲冑が持っていた剣や、斧などの武器が床にめり込んでいる風景だった。
「……ナル?」
 呼ぶ声が震えている。ようやっと何が起きたのが理解した麻衣は、震える指先でナルの腕にしがみついてきた。ナルは腕の中の温もりを確かめつつ、ゆっくりと立ち上がる。そして、麻衣を安心させるために、両腕を肩に回して抱き寄せてやる。ナルはそこで思い出したように克美の姿を深すが、なぜだか、克美が無傷であることを確信していた。
「御怪我は無いようですね」
 予想通り、驚いてはいるものの、かすり傷ひとつ負ってはいない克美がそこに居る。
「原さんのときには照準が甘かったようだが、今度のは近かったことも有ってかなり正確に狙ってきましたね」
 言葉のとおり、切っ先の鋭い武器の類だけが床に突き刺さり、その箇所も集中しているともなれば偶然とは考えにくい。腕の中で麻衣が驚いてナルの顔を見上げてくる。
「狙われ───たの? あたし。なんで?」
 ───やっぱり変だと思ったんだ。あたし、綺麗じゃ無いもん。きっと不要だと判断されたんだ?
 麻衣が小さな声で、ナルにしか聞こえぬように呟く。
「まさか、父が皆さんに危害を加えようとしているとでも?」
 対して───そんな馬鹿な───と克美が否定するが、続けて起きた事故に些か自信を無くしたのか、すぐに俯いてしまう。
「落ち着け、麻衣。勝手に結論を出すな。警告と言う事も有り得る。とは言っても、気になることが有ると言えば有る。本来ならこちらの実験に付き合って貰いたいところだが、予定する被験者が接触を拒んでいる以上、それは無理だろう」
 ナルの視線は素早く廊下の角を捕らえていたが、そこには既に美夜子の姿は無い。
「克美さん、今度は美夜子さんについて幾つかお聞かせ願いたいのですが?」
 克美の眉が怪訝そうに顰められた。それを気にした風もなく、ナルは言葉を続ける。
「彼女は人より、勘が良いとか、失せ物を探すのが上手かったとか、そのような事は有りませんでしたか?」
「待って、ナル。それじゃあ、この家で起きていることは美夜子さんがしてるみたいじゃない」
「その可能性が有るから言ってるんだ」
 調査を行う場合、怪現象を起こしている犯人が生きた人間であることも有るので、大抵最初にこの実験は行なわれる。
 暗示実験である。
 RSPKによる無意識下で行われる物体移動。ここに来てから実験が行えたのは克美だけだった。屋敷内に美夜子の気配はあっても、実際に正面きって会った者は誰ひとりいない。つまり、美夜子に対して実験はおろか、質疑応答さえままならない現状が続いている。
 だが、その言葉に素早く克美が反応する。
「実験───て、RSPKの? それでは美夜子が潜在能力の持ち主だと仰りたいのですか?」
 先に実験を受けているので、専門用語もすらりと出てくる。
「今まで不審に思われたことは?」
「ありません。絶対に」
「あなたはここ数年、海外で生活をされている時間の方が長かった。彼女に対して御自身で思っている以上に無知なだけと言うことも有り得る。何より、彼女の事故原因がなにかは聞いてませんでしたが、車椅子に座るようになってからの彼女の変化を貴方は見ていた訳ではない」
「………」
「ナル……これ、温かい」
 ナルの腕から抜け出して、麻衣が持ち上げた甲冑の部品は、今まで誰かが着用でもしていたかのような微かな温もりを残していた。
「ボルターガイストである証明は出来るだろう。問題はここで起きている現象の犯人が本当に辰巳氏に因るものなのか、美夜子さんなのか、だろうな」


◆◇◆



 本来なら、被害者のはずだった麻衣の心配をするのが普通なのだろうが、美夜子が元凶かも知れないと聞かされた克美の落胆振りは目を見張るほどだった。普段、絶えず微笑みを浮かべているだけに、その差は極端だ。
 ジョンや真砂子が元気づけようと、代わる代わる声をかけているその間、麻衣は甲冑襲撃事件でとり損ねていたお昼を、ベースでとろうと大量のおにぎりを準備していた。調査中は肉類を食べないリンと偏食の激しいナルの為に、海苔でもって目印をつけといてやる。
「海苔の付いてるのが昆布と、おかかと、───梅干しは大丈夫だっけ? 付いて無いのはタラコと鮭。文句言わないでよね。綾子、いないんだから」
 床面積の殆どを占める機材の隙間に、それぞれのポーズで座り込んでいる面々を確認し、その中央部辺りに大きなお盆を置く。おにぎりを置いたら、今度は急いでお茶の仕度をする。普段なら、ナルやリンのために紅茶を用意するが、今回は全員に緑茶を淹れてやる。人数分の湯飲みが間に合わなかったので、一部の人間には、コーヒーカップとティーカップで我慢してもらう事にする。
 ベースにいた全員でおにぎりに手を伸ばしつつ、円陣を組む。
「ここに一番早く着いたのはぼーさんだが、変わったことは無かったか?」
 全員そろったところで、ナルが口火を切る。
「うんにゃ、悪いけど俺は被害に遭っていないし、そんな感じはしなかったな。美夜子ちゃんとはまともに顔合わせちゃいないし。俺のここでのお仕事は、コレクションが帰って来ないように、お札を貼りまくることだったし」
 言葉のとおり、引き取り手の決まったコレクションにお札を貼って引き渡すと、その物は帰ってこない。ただし、新しい持ち主が忠告を無視して剥がしてしまった場合はこの限りではない。ナル達が来てからもこの現象は幾つか起きており、その度に克美が引き渡し先に電話を入れて確認している。この屋敷から物を持ち出すことが不可能に近い状態は、今この時も続いている。
「東北の方にこんな民話が有りましたわね。ある日神隠しに有った人間が、迷い込んだその空間で家を見つけて、その家から何か一つでも持ち出して、現実世界に戻ってこれたなら、その人は幸せになれるのだそうです」
 真砂子が思い出したようにぽそりと口にする。確かに状況は似ているかもしれない。通常の者では家にたどり着くことも出来ないが、迷い込んだら帰ってこれる保証も無い。だが、この家から何か、何でもかまわぬから、一つだけ、持ち出すことが許されている。持ち出したそれを携えて異空間から帰ってこれたなら、その者は一生を幸せに過ごすことが出来るのだという民間伝承である。
 その家を『迷い家(マヨイガ)』と言う。
「ふーん、それじやあ皆でこの家を無事に出られる様になって、幸せになんなきゃね」
「同感です」
 真砂子の台詞を拾って麻衣が明るく言うと、ジョンも力強く頷く。この『迷い家』に捕らわれた克美と美夜子を少しでも早く解放してあげたい。新しい生活の中から、新たな幸せを手に入れて欲しい。その為に、自分たちはここに居るのだから。
「直接話すことは出来ませんが、電話越しでなら話し合いに応じるかも知れません。試しに呼んでみます」
 克美も早く原因を追及したくて、美夜子が無関係であることを証明したくて電話を取った。現在、克美と美夜子の聞で唯一の会話手段だ。
 克美の手が美夜子が居るであろう部屋の番号を押す。
 相手が受話器を取った瞬間に、横合いから手が伸びてスピーカーに切り替えた。これで、受話器を通さずに会話出来るうえ、周りに居る者達全員に会話が聞こえるようになる。
「美夜子?」
『……おにいちゃん。なに?』
 写真で予想していた以上に、涼やかで少女らしい澄んだ声をしている。
「ここに渋谷サイキックリサーチの人が来てるのは知ってるよね。きみと、どうしても話しがしたいって言ってる。良いよね?」
『今、聞いてるんでしょ? 何を聞きたいの?』
「出来れば直接会って、調査に協力して頂きたいのですが」
 全員で盗み聞きしていることがばれているのなら隠す必要も無いと、ナルはいきなり話し掛けた。
『直接会うのはイヤ。おにいちゃんから聞いて無いの?
 火傷の跡が消えないの。こんな顔、見られるのは絶対にイヤ』
 美夜子が事故に遭ったのは知っていたが、火傷のことを聞いていないナルは克美に視線で問う。
「ごめん。まだちゃんと説明して無くて」
『……ううん、忘れてたわ。おにいちゃんには話さないでって、お父さんに口止めしてたから、おにいちゃんも良く知らないんだよね。
 あの日、事故に遭った日、車で送ってくれるって言われて、その人の車に乗ったの。お父さんアトリエに入ってたから、迎えに来てもらうの大変かなぁって思って。
 だけど車が全然知らない道に入って行ったから、あたし、違うって言ったの。でも、その人、笑いながら合ってるって言って、どんどん山奥に進んで行って、それであたし、怖くなって降ろしてって───もう、ここでいいから降ろしてって頼んだのに、仲間が待ってる、こんなところで降ろせないって、それまでの態度が急に変わって、だから、その人の腕に噛み付いて、なんとか車から逃げようとして、事故が起きたの。あたしが腕に噛み付いたものだから、あの人、ハンドル操作を誤って車が山の斜面を転落して行き、あの人の吸っていたタバコの火が、転落のショックで漏れたガソリンに引火したの。たまたま、横倒しになった車のドアで無事なのはあたしの居た方だったから、なんとかあたしは脱出出来たけど、運転して居たあの人は、ハンドルが胸に食い込んで、逃げ損ねたわ。その後の事は本当言うと、あたしも良く覚えて無いの。
 お父さんが煙が上がるのを見て、山火事になったら危険だからって様子を見に来て、気を失っているあたしを見つけたんだって。先に消防署に連絡してたから、あたしは直ぐに救急車で病院に運ばれた。
 あの事故は、あたしが馬鹿だったから、起きた事故なの。この火傷の跡は戒めなんだわ。おにいちゃん知らなかったでしょ? 単なる車の事故に巻き込まれただけだと思ってた? 違うの。これはあたしが馬鹿で、軽率で、───心根が醜いから、顔まで醜くなったのよ。お願い。お願いだから、あたしを見ないで……!!』
 スピーカーから聞こえてくる声に、鳴咽が入り交じる。美夜子がどのような気持ちで事の顛末を話したのかは分からないが、直接会って話す事だけは無理だろうと、結論付けるしか無いようだった。
「大変心苦しい告白をさせてしまい、申し訳ありませんでした。では、質問を変えます。美夜子さんは勘が良い方ですか? それと、僕たちのことを随分気になさって居るようですが、不都合があればおっしゃって頂けませんか?」
 電話越しとは言え、美夜子を泣かせたと麻衣の視線がナルを責めている。ナルは一つ、咳払いをして質問を進めた。
『勘は───普通だと思います。貴方たちを見ていたのは、お客様が珍しかったから。お父さんは他人がこの家に来ることを嫌ってたから、知らない人が来るのはドキドキするわ。だけど、見られるのが嫌なら、あたし、出来るだけ部屋に篭もってる。こちらこそ、お気に障ったのならごめんなさい』
「───このメンバーの中で、誰か、気に入らない人物など、居ませんか?」
『変な質問ね。なにか、刑事ドラマの取り調べみたい。
 あら、もしかして、あたしがなにか仕掛けでもしたと思っているの? 残念ね。あたしには何の力もないわ。
 本当よ? だけど、ああ、そこに黒い服を着たとても綺麗な人、居る? あなた、気を付けなさいね。彼、貴方のことがとても気に入ったみたいだったから。でも、今は彼女の方がお気に入りかな? だって───』
 美夜子の声が急にかすれて、どこか遠いところで話しているような感じになる。
『だめ───これ…じょう、話せな───逃げ…れないから───でも、無実……信じ───』
 そこで通話は不自然に途切れ、一同は顔を見合わせる。
「克美さん、この電話はどこに繋ぎましたか?」
「二階のこの奥、美夜子の私室です」
「彼女の言動には、気に掛かる点が多すぎる。様子を見てきましょう」
 言いながら既に立ち上がっていたナルは素早くベースを抜けて美夜子の部屋の前まで走って行く。何度かノックしてドアノブに手をかけると、意外にも扉は抵抗なく、すんなりと開いた。
 相手が会いたがっていないことを思い出しはするが、真実を確かめたくて、ナルは部屋の中に踏み込んだ。しかし、部屋はもの抜けの空で、人の気配など無い。いや、それどころか本当にここで人一人寝起きしているのか疑うほど、奇妙に生活感が抜け落ちていた。大きな熊の縫いぐるみや、淡いピンクで統一された室内家具。それらは確かにここが美夜子の部屋である事を主張しているが、何故だか撮影のために少女の部屋を演出して居るような錯覚に陥る。
「ナル、美夜子さん、今下を走って行ったみたい。車椅子の音が一階からしたもん」
 ナルの背後から麻衣が声をかけてきた。
「きれいな部屋だね。うちとはえらい違いだ。片付けなきゃ───とは思うんだけど、いつもどっかが散らかってんだよね」
 麻衣の言葉にナルは漸く納得した。この部屋は片付き過ぎていたのだ。どこもかしこも整頓されている。だが、自分の部屋も人に言わせるとカタログを見ているようだと言われるから、自分以外にもこのような性癖をもつ人間が居てもおかしくは無いのかもしれない。現に、美夜子がこの部屋を使用し、屋敷内を動き回って居るのは事実なのだから。
「美夜子とは、接触出来ましたか?」
 少し遅れて克美も到着する。それには麻衣が軽く首を振って否定のサインを出した。
「そう……ですか。渋谷さん、確かに美夜子はこの一件について、何か知っているのかも知れません。ですが、お二人に何もしていないという言葉は本当だと───僕は信じたいです」
「あたしも信じるよ」
 項垂れる克美の顔を、下から覗き込むようにして麻衣が笑いかける。それも出来るだけとびっきりの笑顔で、克美を元気づけようとして。
「ありがとう、麻衣ちゃん」
 それまで耐えて居た克美の中の何かが切れたのかも知れない。項垂れたまま、その額を麻衣の肩にチョコンと乗せてきた。
「君が居てくれて、本当に良かった……」
 そのまま動かなくなってしまった二人をその場に残し、ナルは自分に割り当てられた部屋へと踵を返した。
 途中、様子を見にベースから顔を出していた真砂子やジョンと目が合ったので、今から仮眠を取ると言って二人をやり過ごす。
 だが、実際眠れるかどうかは自信がなかった。麻衣と克美の二人を見ていると、胃の辺りがムカムカする。麻衣の行動にイライラさせられるのはしょっちゅうで、あまり気にしたことは無い。気にしていたら神経がもたないからだ。だけど、いつに無く、麻衣を見ていると落ち着かなくなる。こうしている間にも胃のムカムカは酷くなる一方で、たかだか数メートルの距離が異様に長く感じられる。
 部屋にたどり着くと、ドアの隙間から素早く身を滑り込ませて、ドアに背を付け、もたれるようにその場にへたり込んだ。
 網膜の裏には麻衣と克美の姿が焼き付いている。


「───吐きそうだ」
 ナルはあまりの苦しさに、その場に蹲った。

 

初出 2000-05-03 前編より


5章で前半(1/3冊)終りです。
この巻はこのラストシーンの為に頑張った(笑)
ナル頑張れ。
後は後半だけだ!
( と思ったのに完結編までいったわけですが・・・・・・)


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