店主の釣りバカ日誌2002(日本の鱒釣り師ニュージーランドを行く)
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[2日目] Mararoa Riverの巻

 6時起床、空が白み始めた6:30頃ダニエルの車に乗り込み、ガソリンスタンドで燃料と朝食を補給して、いざ出陣。昨日と同じルートをたどり、今日の目的地MararoaRiverへ急ぐ。上流方向に車を走らせ、牧場の中のオフロードを行くと数キロごとに点在するアングラーズアクセス(柵越えをして川へ降りることを許可された所)が見えてくる。

 今日の目的地の1番目のアクセスポイントに着くなり、竹中氏は早速キジ撃ちの儀式を終えて、今日もやる気満々である。河岸段丘の上から見下ろすMararoaRiverは、ゆったり湾曲しながら流れ、モンタナの川を思い出させる。前日までの雨のため、川の水位は10センチほど上昇しているが、濁りは少なく釣りに影響はなさそうだ。山間部からの雪代が流入し、水温を下げてはいるが、鱒達の記憶にはしっかり流下昆虫がインプットされていると判断し、私はシケーダー(蝉)とビーズヘッドニンフのドライ&ニンフでトライする。「蝉と金玉ニンフで行こうかな」と竹中氏と話していると、ダニエルが「キンタマ???」と反応。「Yes.Gold Ball Nymph」と言うと爆笑、ジョークを理解したようだ。やはりフライ用語と下ネタは万国共通のようだ。

 まずは、広いプールの開きへアプローチ。左右に大きく蛇行しながら流れる川は、左右交互に駆け上がりとバンクの絶好のポイントを形成し、どこから魚が飛び出してきてもおかしくない。2人で右岸と左岸に分かれて、両側のポイントを釣れば、くまなく探ることができる。ナチュラルドリフトを意識し、フィーディングレーンを丹念に流してみるが、反応なし。しばらく、単調な流れが続き急ぎ足で遡行していると、後方で竹中氏の声が。よく見ると、ロッドが弧を描いているではないか。下流へ逃げようとする魚を追い、下流へドンドン下っていく竹中氏。予感通り、長時間の格闘の末、ランディングネットに収まったのは、60センチ位ありそうな見事なブラウントラウトだった。偶然のヒットと思われたが、そうではなかった。またしても竹中氏のリールが悲鳴を上げた。釣れたのは同じくらいのサイズのブラウントラウトだった。

 「分かった!やはりそうか、・・・・奴はイワナだ。もしかすると、ブラウントラウトはイワナよりも横着者かも知れない」ここは昨日と違いブラウントラウトの川。ダニエルによると、70〜80%がブラウントラウトだと言う。釣れたポイントは、セオリー通りのフィーディングレーンではなく、バンク際の小さな巻き返し。そうと分かれば、戦略変更。緩流帯と巻き返しを主体に狙ってみる。次に川が大きく蛇行し、反転流を形成している静かな流れの中にシケーダーを流してみた。突然、何者か物体が潜水艦のように浮上し、シケーダーを押さえこんだ。ロッドを立てると、ラインは根掛かりしたみたいに、水面に突き刺さったまま動かない。昨日のレインボートラウト違い、突っ走りやジャンプはないが、ドッシリとしたトルクを感じる。ロッドは#4番、流れに入られたらまずいと思い、浅瀬へと誘導する。ダニエルがランディングしようとするが、明らかにネットよりもでかい。何度もランディングに失敗し、無理やり頭から押し込み、ようやくランディングに成功。それは今まで体験した事のない大きさの為、目測では大きさの見当がつかない。メジャーで測定してみると、なんと68センチの見事なブラウントラウトだった。しかし、この川の主を釣り上げた為に、数々のアクシデントが待ち受けているのを知る由もなかった。

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