★メール紹介・Q&A 第25回(つづき)

○和田曜介のコメント
 Rさん、メールありがとうございます。
 どんなことでも、なかなか最初からは上手くいかないものです。
 10のアイデアがあっても、実際に形になるのは一つか二つ、そんな感じでいいのだと思います。
 たくさん考えて、たくさん書きかけて、たくさん挫折して、でも、そのうちに、いくつかが形になってくる、最初のうちは、そんな感じでいいんです。
 まだ時間はたっぷりあります。あせらずに、少しずつ、自分のスタイルをつかんでいってください。
 そして、ある程度、納得のいくものができたら、実際に応募してみましょう。
 ただし「送るからには自信を持って入選できるような作品を」などということは考えないほうがいいです。
 賞によっては、何千本という数の応募があっても、実際に入選するのは一本だけ。
 つまり、落選するのが当たり前なんです。落選するのが普通なんです。
 絶対に入選してやる、などと考えていると、そういう「雑念」が小説の文章に出てくるものなんです。
 下読みの仕事をしていると、この作者は自分が入選して当然だと思い込んでいる、そういうのがわかってしまうんです。
 そして不思議なことに、そういう作者の気負いに満ちた作品の大半が、実際には一次選考通過のボーダーラインぐらいのレベルなんです。
 本当に入選する作品からは、そういう雑念はまったく感じられないものです。
 そんなわけで、落選するのが普通なのですから、普通に落選していいんですよ。
 あくまでも「経験値稼ぎ&現在のレベル確認」といったつもりで応募してください。
 書き続けていれば、少しずつ、自然に、レベルアップしていくものですから。

 ジュニアものの賞では小中学生の応募も珍しくありません。
 おそらくまだ自由に使えるパソコンがないためなのでしょう、手書き原稿が多いのも特徴です。
 本当に一所懸命に書いているというのが、すごくよくわかって、思わず応援モードで読んでしまったりもします。
 そういう若い応募者の原稿を読んで、私がいつも思うことは「この年齢でこれだけのものが書けるのなら、今からn年後ぐらいにもう一度読んでみたい」そして「今は落選でも、あきらめずに書き続けてほしい」この二つです。
 是非、がんばってください!


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