★メール紹介・Q&A 第8回(つづき)
●瑶 さん [Mail] [HP] からのメール
パソコンでプリントアウトする場合、振り仮名はどのように付けたらいいのでしょうか?
○和田曜介のコメント
エディターなどで書いている人も、印刷する時だけワープロソフトに読み込ませて、ワープロソフトの「ルビ機能」を使うというのが、一番いいと思います。
もしもワープロにルビ機能がない場合には、本文の文字が12ポイントならば半分の6ポイントの文字を使って行間を調整しながら手作業で入れるという方法もありますが、かなり大変なので、手書きで入れてもいいでしょう。
ただ、基本的に、応募原稿にルビは不要です。むしろ付けなくて大丈夫ならば付けないほうがいいです。
実際に入選して活字になる時には、本当に必要なルビは編集者が付けてくれますから、作者はルビのことを考える必要はありません。
もしも応募原稿に必要なルビがあるとしたら、編集者や選考委員にも読めないと思われるような漢字、あるいは誤読される可能性があり誤読されると困るという漢字、普通は、人名・地名・固有名詞・専門用語など、そんな程度でしょう。
どうしてもルビが必要な時には、梗概のある賞なら、できるだけ全部、梗概に付けてしまいましょう。梗概のない賞なら、本文に初めて出てきた時に一回だけ付けておけばいいでしょう。
それからルビには、普通のルビではない、作者の自己主張的なルビの使い方もあるのですが、
例:「馬鹿」と書いて「あいつ」と読ませたい(例文提供:渡瀬草一郎先生)
こういうタイプのルビは、運が悪いと「よけいな文章」として機能する可能性があるので、よほどの必然性・説得力がない限り使わないほうがいいです。
もっと最悪なのが、文章全体に別な文章がルビとして付くというタイプ。
例:「最終ボスを倒した」という文章に「ついにやったぞー」というルビ
もう完全に作者の自己満足で書かれていると評価されます。
あとは、翻訳小説のように日本語の言葉にカタカナ語や英語のルビが付くというタイプもありますね。
こういったルビに限らず、「作者にとっては何か意味があるのかもしれないんだけど、他人にとっては何の意味もないよね」というタイプの文章は、応募原稿においては「よけいな文章」として自滅パワーを発揮する危険性があります。
もしも新人賞の入選作品でこういう自己満足的なルビの使い方をしている作品を見かけたならば、それは入選が決まった後に書き加えられたものだ、と考えてください。
もちろん中には例外もあるかもしれませんが、それは本当に少数の特異なケースだと思っておいたほうが安全です。