★メール紹介・Q&A 第3回(つづき)
●エヌ さん からのメール
多くの場合、プロフィールには「年齢」の記載をも求められておりますが、これはどうしても書かねばならないのでしょうか? と申しますのも、年齢もが選考の際に「合否判断」の要素に含まれる……と聞いたことがあるからです。
たとえば最終審査に於いては、同レベルの作品であれば30代よりも10代・20代学生が選ばれると聞きました。また、同レベルでなくとも、若年応募者のほうが優先的に受賞させてもらえやすい、とも耳にします。
若年応募者は無条件に有利、という話は、俗に言う「カルチャー・スクール」の講師に聞いたものなのです。一部の文学賞ガイド本には、年齢や性別による有利不利が記されています(一般文芸に関しては30代前半が限度、それ以上の年齢になったら歴史物の賞しか受け入れ先がない、まかり間違っても60代以上に新人賞を与えることはない……等々。性別に関しては女性有利、職業や経歴に関しても「ユニーク」である人のほうが話題性があって有利……等です)。
「年齢」だけは努力のしようがありません。
このような不可抗力なハンデを背負わないため、「年齢」を伏せて応募することは駄目なのでしょうか?
○和田曜介のコメント
気にしないで年齢を書くべきだと思います。
その昔、一部の「トレンディーな文学賞」(死語)で、そういう傾向が顕著に見られた時期もありました。しかし、現在でもそういうことをしている賞があるとしたならば、それはむしろ「きわめて少数の特異な賞」だと思います。
人生の年輪を重ねることによって初めて書くことができるような文学作品もありますし、応募者の名前も年齢も性別もすべて伏せて最終選考を行うような賞もあります。
実際に各賞の歴代受賞者の年齢をチェックしてみればわかると思いますが、10代・20代に偏っているような賞というのは、一部のジュニア物ぐらいではないでしょうか。
私は、この「年齢が高いと不利」という話は「古い時代の情報」だと思っています。
ただし、当然のことですが、賞によって「新人に求めているもの」は違っています。どんなに優れた作品でも、明らかにカラーの違う賞に応募すれば落とされるのが普通です。過去の入選作品や選評、そして掲載誌をよく読み、その賞のカラーを把握し、自分にふさわしいと思う賞に応募してください。
ちなみに、私が過去に下読みでA評価を付け、そして実際に入選している作品というのは、圧倒的に30代が多いです。10代の作品というのは、まだ未熟なものが多く、平均点はあまり高くありません。ただ、時々「突出した才能」が出るのも10代なんですけれども……。