★メール紹介・第1回(つづき)

●和田曜介から ねこたまさんへ

 楽しいメールありがとうございます。
 大人向けエンタメ系初挑戦で最終選考に残り、すでに担当の編集さんとの人間関係も始まり、次回の同賞に向けて鋭意執筆中とのこと。とてもいい状態ですね。
 編集者は「やる気と実力」のある新人さんが大好きですから、あせらずにマイペースでがんばってください。

>>新人賞もコネが効くらしい
 私が知る限りでは、マトモな賞であれば、コネが効くなどということは、ありえないと思います。
 ただ、コネのある応募者の原稿は、担当編集者がチェックした後、通常の一次選考を省略して二次選考からエントリーする、ということはあります。私はこれを「シード作品」と呼んでいます。そして、このシード作品の主力は、コネのある応募者というよりも、むしろ前回までの最終選考に残った応募者、の再挑戦作品です。だから、今、ねこたまさんが執筆中の原稿も、来年の同賞の選考では、たぶんシード作品として扱われることになるはずです。
 すでに実力がわかっている応募者の原稿を、未知の応募者の原稿と一緒にわざわざ選考経費をかけて社外の下読みに出す必要はないわけです。編集者が読んでみてOKだと判断すれば、そのまま二次選考からのエントリーになります。また、ごくまれに、複数の編集者が読んでみて非常に評価が高いというような場合には、いきなり最終選考にエントリーする、といったケースもあります。
 ただし、当然のことながら、シード作品がすべて入選するというわけではありません。最終選考で落ちることもあれば、それこそ二次選考で落ちることだってあります。
 最終選考の審査は、ゲストの選考委員であるプロの作家の先生方が行うわけですから、コネが通用するなどということは、常識的にありえません。
 コネのある作品が入選したならば、それはコネがあったから入選したのではなく、実力があったから入選したのです。
 ただ、コネがあったから、その賞に応募した、ということはあると思いますが。
 そんなわけで、コネなんていうのは、まったく気にする必要はありません。
>>コネ以上に強力なのが、「とんでもなくいい作品」だということ!
 まさに、これですよね。
 それに、本当に実力があるならば、コネを作るのは簡単です。なにしろ、ただ普通に応募して最終選考に残ればいいだけなのですから。現在のねこたまさんのように。
 みなさんも、がんばりましょう!


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