7.プロの作家になるために

 最終選考で落ちたら何をするべきか

 最終選考で落ちても、落胆する必要はありません。
 最終選考まで残れば、実は、入選と落選の間には、それほど大きな差はないからです。かなり運の要素が強く「選考委員が変われば入選作品と落選作品が入れ替わっても不思議ではない」というケースも珍しくありません。
 最終選考に残ったということは、編集部の中に、あなたの作品を非常に高く評価してくれた人物がいるということです。あなたの作品が入選することを期待してくれていた人物がいるということです。その人物とコンタクトを取り、指導を受けましょう。
「最終選考で落ちた作品を編集者のアドバイスに従って改稿し、翌年、再応募して入選する」というケースも珍しくありません。
 作家というのは、その作家を高く評価する編集者との、二人三脚によって、育ててもらうものなのです。
 最終選考に残ったということは、その編集者との人脈が出来たということです。その人脈を最大限に活用して、プロへのステップを登ってください。

 それから、どうも自分に対する編集部の感触が良くない、と感じるような場合には、思い切って、他社の編集部に持ち込みをしてみる、という方法もあります。
 通常「素人の持ち込みはお断り」というのが建前ですが、「○○賞で最終選考に残った」という看板があれば、たいていの編集者は、よろこんであなたの原稿を読んでくれるはずです。「○○賞の最終選考で落ちた作品が、別な出版社から出版されてベストセラーになる」というケースも珍しくありません。

 すでに最終選考に残るだけの実力があるならば、あなたの「営業努力」しだいで、プロの作家への道は、複数、開かれています。
 がんばってください。


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