『シーラカンス君』への変態の場合は、前述の4パターンそれぞれの原因が考えられます。
『アルツ君』や、『ノスタル爺さん』とはふたつの大きな違いがあります。一つ目は、唯一、第四の原因が考えられる『種』であるということです。
『シーラカンス君』は、もともと、変態するかも知れないDNA因子をもっていて、変態の原因にあげたような、特に大きな外部要因がなくても、いずれは変態するかもしれないという『シーラカンス ポジティブ(キャリア)』として入社しているという点です(『アルツ君』や、『ノスタル爺さん』のDNAの存在確認の報告はまだありません。『アルツ君』や、『ノスタル爺さん』の場合はDNA変態の可能性は、不幸な条件が重ならない限りゼロです。ただ、以前に『アルツ君』のご紹介でお話したように空気感染するようです。まわりのカイシャ族がシンクロして発病する場合があります。DNAにしても空気感染にしてもどっちも怖いですぅ)。
『シーラカンス君』は、入社時に人事採用担当者や、入社試験の面接官の目を欺いて、自分が、『シーラカンス ポジティブ(キャリア)』であることを見抜かれなかったわけです。時には、変態した『真性シーラカンス君』として入社を果たす場合すらあり、生態系として『強い種』だったのかもしれません。
もう一つの違いは、いったん、『シーラカンス君』に変態すると、他のパラサイト系カイシャ族と比べて、将来、別の生態系に変態する可能性が、ほとんどないという点です。かたくなに環境の変化から身を守って、拒絶しているうちに、体内の、カイシャ族成長ホルモン分泌が止まることはもちろん、カイシャ族成長ホルモンのサーキュレーションメカニズムの破壊、自分の外部環境とのコミュニケーション手段自体の封鎖まで行います。
まさに固い鱗に中に『閉じこもって』外の世界と断絶するのです。『シーラカンス君』は、『カイシャ内鎖国』状態にジィーッと半眼で『閉じこもる』のが一番心地いいのです。そしてますます、『シーラカンス化』していくのです。
入社当時から、あきらかに『シーラカンス化』している『シーラカンス君』であることや、入社時にはまだ変態していなくても、『シーラカンス ポジティブ(キャリア)』であることは、まわりのカンシャ族にはっきりと認識されています。入社時から『シーラカンス君』もしくは、『シーラカンス ポジティブ(キャリア)』と、まわりからみられているので、彼の組織における存在は薄いままで、ビジネスにおいての業績は、ほとんど残していません。入社以来、重要な働きをしたこともなので、初めから組織のメンバーとして考えられていません。
だから、『シーラカンス君』の出現によって、まわりのカイシャ族たちは組織を変更する必要はありません。ただ、まわりのカイシャ族たちは、『シーラカンス君』を機会があれば、自分たちの組織から追放、排除しようと考えています。『シーラカンス君』は、それでも根強く海底にじっとしている『しぶとい種』なんですね。