もうひとりの『アルツ君』の仲良しさんはやはり同じくパラサイト系メンバーである『ノスタル爺さん』です。
『ノスタル爺さん』は、カイシャ命の、昔気質の職人さんタイプです。現在のワークスタイル、ビジネスになじめず、昔からの彼に馴染んでいる方法、考え方に従って行動しています。
『アルツ君』と大きく違う点は、『ノスタル爺さん』には、随分と陳腐化したものであれ、仕事に取り組む前向きな意思や、姿勢がある事です。カイシャの為に働くことが生き甲斐なんですよ。ただ、それが、成果に繋がるか?という話は別問題ですけどね。ほとんどの場合、ビジネスへの労力が、お気の毒になる位、全くと言っていいほど成果に結びつかないんですね。それゆえに、『ノスタル爺さん』には、いくらビジネスへの前向きな気持ちがあふれるほどあっても、パラサイト系メンバーになっしまうのです。
そして、もう一つの『アルツ君』との大きな相違点は、『ノスタル爺さん』には、ある程度のコミュニケーション能力があるということです。
まえにもお話ししたように『ノスタル爺さん』についての問題点は、彼のビジネスの活動が不毛に終わるという悲劇です。これは、彼が持っているビジネスセンス、ワークスタイル、信念、価値基準、行動の指針が、オールドファッション(骨董品的)である点です。時代とともに変容させて現状にアジャストできなくなっていたのです。
『ノスタル爺さん』は、カイシャ族としての自分に自信、プライドを持っていますから、それを少しでも否定されると、パニック(疑似アルツ)状態に陥ってしまいます。興奮すると我を忘れ、過去を振り返って当時よく口にしていた同じフレーズ、言葉、行動を繰り返します。そして、熱くなり過ぎると机を叩いたり、腕を振り回すといった暴挙にでるのです。くれぐれもご対応にご注意下さいね。
興奮していない『ノスタル爺さん』は、穏やかでコツコツとお仕事に励んでいます。人から頼られる事が大好きです。自分でできない事でさえ、頼まれると、断れず、逆に大歓迎してしまいます。本当に親分肌で、面倒見がよく、部下から慕われています。『ノスタル爺さん』は、お話好きで、よく「オレが若いころはなぁ」とか「オレが、昔やった仕事はなぁ」といったフレーズで昔話や、業績自慢が始まります。本当にお好きで、一度始まるとお話がなかなか止まりません。これにも注意しないとね。
『アルツ君』とその仲間の『ノスタル爺さん』と『シーラカンス君』は、よく一緒に窓際、休憩所、喫煙コーナーなどにじっと一緒に座っているのを目撃されます。お互いの意思の疎通があるのかないのか不明ですが、居心地よさそうにしている事は確かです。至ってのどかです(カイシャ的には全く困った方々なんですけどね)。