■ プリント基板によるデジタル時計の製作 ■


● AVRマイコン ATtiny45 + NUMITRON DA-2900 6桁 デジタル時計 ●

 フィラメント型表示器「NUMITRON」は、電球と同じタングステン・フィラメントを、7セグメントの形状に張ったもので、輝度が高く、オレンジ色の暖かい光が特徴です。
 DA-2900は、見た目やピンは真空管ですが、中身は7セグメント・ディスプレイという、お茶目な管で、字体も大きく視認性のよい表示器です。
 
 回路構成は、8ピンAVRマイコンと、LEDドライバーにより、非常にシンプルです。


回路の概要
 
1.マイコン部

 
 ・AVRマイコンは、ATtiny45-20PUを使用し、動作クロックは、「秋月電子通商」の超高精度
  クリスタルモジュール 12.8MHzで動作します。

2.表示管ドライブ回路
 
 ・DA-2900は、当ページの「部品箱」にも詳細を掲載してありますが、フィラメントにDC5Vの電圧を
  かけると、約22mAの電流が流れて点灯します。
 ・点灯方式は、フィラメントの特性からスタティック点灯とし、東芝の「8ビット 定電流LEDドライバ」
  TB62705CPを使用しました。
 ・このICは、LED用の定電流ドライバーで、ビットあたり90mAものドライブ能力があります。
 ・また、データ入力がシリアル転送なので、ピン数の少ないAVRマイコンに最適です。
  (シリアル出力により、カスケード接続をしてあります)

3.スイッチ回路
 
 ・ATtiny45-20PUは、8ピンのAVRマイコンのため、スイッチ用のポートが1つしか残っておらず、
  4桁時計と同じ、A/D変換式スイッチ回路を使用しました。
 ・抵抗をラダー式に接続し、スイッチを多数接続する回路はよくありますが、今まで製作した
  時計プログラムが、3つのスイッチで2個同時押しも含めて6通りのパターンを使用しているので、
  抵抗を並列接続にし、スイッチの状態により電圧を変化させて、A/Dコンバーターで検出
  しています。
 ・A、B、C のスイッチそれぞれが、4V、3V、2V となり、A+Bは2.6V、B+Cは1.6V、A+Cは1.83Vが
  得られます。

4.電源回路
 
 ・電源は、DC5VのACアダプターのみで動作します。



回 路 図  GIF版 DA29C6Cir.gif (215KB)  PDF版 DA29C6Cir.pdf (368KB)

部品配置図  GIF版 DA29C6Pcb.gif (209KB)
アートワーク  GIF版 DA29C6AW.gif  (142KB)
   注意! この図面を使用した、いかなる損害にも責任を負いません。 

プログラム  テキスト形式 ソースファイル  DA29C6101.TXT (31KB)
 BASCOM-AVR用 ソースファイル  DA29C6101.bas (31KB)
 インテルHEX形式 オブジェクトファイル  DA29C6101.HEX (10KB)
 
注意! 著作権は放棄しておりませんので、販売や配布目的での使用は絶対にしないで下さい。




 
ケース後面

 
ケース右側面

 
ケース左側面

 
プリント基板

 
基板 部品面

 
基板 管実装

 
基板 ハンダ面

 
基板 正面

 
基板 右側面

 
基板 後面

 
基板 左側面
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AVRマイコン ATtiny45-20PUの、ヒューズ ビット書き換え
 
AVR ATtiny45-20PUのシステム クロックは、工場出荷時に内蔵RC発振器の8MHzで、1/8前置分周器がONに設定されているので、外部のクリスタル オシレータを使用するには、AVRのヒューズ ビットを書き換える必要があります。

下記ページの書き換え方法 「6.」を、以下の様に変更して、ヒューズ ビットの書き換えを行います。

    ヒューズ ビット書き換え

 6.[ FusebitH ] の右欄 [ 0:Divide clock by 8, ON ] をクリックすると、右側にプルダウン
   メニューが現れますから、 [ 1:Divide clock by 8, OFF ] を選択します。

   [ FusebitFEDCBA ] の右欄
   [ 100010=Int. RC Osc. 8 MHz; Start-up time PWRDWN/RESET: 6 CK/14 CK
    + 64 ms; [CKSEL=0010 SUT=10]; default value
] をクリックすると、右側に
    プルダウンメニューが現れますから、
   [ 100000=Ext. Clock; Start-up time PWRDWN/RESET: 6 CK/14 CK + 65 ms;
    [CKSEL=0000 SUT=10]]
] を選択します。



操作方法
 
1.電源投入
 
  ・電源が入ると、現在のプログラムバージョンが、0.2秒周期で点滅表示されます。
  ・いずれかのボタンを押すと、「2008年1月1日 0:00:00」からカウントが始まります。
  ・表示モードは「通常」、時間表示は「24時間制」 になります。

 
2.表示切換
 
  ・「Time Set A」ボタンを押すと、「月・日」に表示が切り替わります。
 
  ・「Time Set B」ボタンを押すと、「年」に表示が切り替わります。
 
  ・「Time Set C」ボタンを押すと、表示を ON / OFF することができます。
   (コロンだけは、点滅し続けます)

  ・「Time Set A」ボタンを押しながら、「Time Set B」ボタンを押すと、時間表示を12時間制と
   24時間制に切り換えることが出来ます。
 
  ・「Time Set A」ボタンを押しながら、「Time Set C」ボタンを押すと、表示モードが「通常表示」と
   「秒の下1桁が0〜7の8秒間は時間、8〜9の2秒間は月日を表示」で、交互に切り替わります。

  ・「表示モード」、「時間表示の12/24時間制」の設定値は、AVR内部のEEPROMに記憶されます
   ので、電源を落としても前回の設定値で動作します。

 
3.時刻設定
 
  ・「Time Set B」と「Time Set C」ボタンを同時に1秒以上押すと、時刻設定モードに入ります。
    (年は、西暦2000年から2099年までの範囲で対応しています)

  ・設定モードに入ると、下記の順に設定できる項目が点滅表示されます。
     ( 年 → 月 → 日 → 時 → 分 → 終了 )
 
  ・「Time Set B」ボタンで、設定値が増加し、1秒以上押し続けると早送りになります。
  ・「Time Set C」ボタンで、設定値が減少し、1秒以上押し続けると早送りになります。
 
  ・「Time Set A」ボタンを押すと、次の項目に移ります。

  ・分の設定が終わると、秒を00にして通常の時刻表示に戻りますので、秒の単位まで合わせる
   場合には、00秒になったと同時に「Time Set A」ボタンを押します。

 
4.日差の微調整
 

  ・水晶発振子(Xtal)の上面にある穴の中に、微調整用のボリュームがあり、回転させると180度を
   境に、進むまたは遅れる(位置は不確定)ので、1日の誤差を見ながら、左右どちらかに少しずつ
   回転を繰り返して日差を修正します。



○パーツの参考資料
 ・プリント基板  「サンハヤト」 感光基板 43K ガラスコンポジット 片面 1.0x100x150mm
 ・ACアダプター  「秋月電子通商」 超小型スイッチングACアダプタ 5V 1A
 ・ケース  「ダイソー」 コレクションボックス ミニ 169x85x100mm


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