■ AVR テストボードの製作 (ATmega8535) ■


AVRマイコンを使用した、試作回路の支援用テストボードを製作しました。

 ● LCD(キャラクタ液晶)・シリアルポート(RS-232C)・スイッチ入力・汎用I/O・オーディオ
   アンプを搭載しています。
 
 ● プログラムの書き込みは、ISPプログラマーで行います。
 

回路の概要
 
1.電源回路

 
 ・テストボードには、5VのACアダプターから電源を供給するので、アダプターの接続間違いから
  AVRを保護するため、ツェナーダイオードとポリスイッチの保護回路を入れてあります。

2.AVRのクロック
 
 ・AVRのシステムクロックは、AVR内部タイマーで前置分周(1/8〜1/1024)を行っても、周波数に
  小数点以下の端数が出ないように、12.8MHzのクリスタル オシレータを使用しました。

3.LCD(キャラクタ液晶)回路
 
 ・16文字×2行のキャラクタ液晶表示器を、ISPインターフェイスと兼用で、ポートのPB2〜PB7に
  割り当ててあります。
 ・LCDモジュールのタイプにより、電源端子(1Pinと2Pin)の割り当てが違うため、ショートピンで
  変更ができるようにしてあります。

4.シリアル インターフェイス(RS-232C)回路
 
 ・電源電圧が5V単一なので、定番のMAX3232でレベル変換を行っています。
 ・パソコンとの接続は、RS-232C メス-メス クロスケーブルを使用します。
 ・シリアル インターフェイスを使用せずに、ポートDをフルに8Bit使用する場合のため、回路を切り
  離すスライドスイッチが設けてあります。

5.スイッチ入力回路
 
 ・ポートAには4つのタクトスイッチと、ポートCには8つのスライドスイッチを設けました。
 ・ポートCを入出力端子に使用する場合は、スイッチを上側(開放)にする必要があります。

6.汎用I/O端子
 
 ・汎用I/O端子は、ブレッドボードとジャンプワイヤで接続できるように、ピンソケットを配置して
  あります。
 ・PB0とPB1は、AVR内部カウンタの入力にも割り当てられているため、端子を用意しました。
 ・ブレッドボードへの電源供給もできるように、VccとGNDのピンソケットも設けてあります。

7.オーディオ アンプ回路
 
 ・ブザー回路やアラーム音を鳴らすため、任意のポートからアンプの入力へ、ジャンプワイヤで
  接続します。
 ・アンプは方形波専用の簡易型のため、音量調節はスピーカーと直列に入っている抵抗値でのみ
  調整が可能です。 (ボリュームで調整したい場合は、LM386などのアンプICが便利です)



回 路 図  GIF版 AVRTBcir.gif (230KB)  PDF版 AVRTBcir.pdf (295KB)

部品配置図  GIF版 AVRTBpcb.gif (197KB)
   注意! この図面を使用した、いかなる損害にも責任を負いません。


 
 前面

 
 右側面

 
 後面

 
 左側面

 
部品面

 
ハンダ面

 
ケース内部


使用前の準備
 
AVR ATmega8535のシステム クロックは、工場出荷時に内蔵RC発振器の1MHzに設定されている
ので、外部のクリスタル オシレータを使用するには、AVRのヒューズ ビットを書き換える必要があり
ます。

「BASCOM-AVR」での、ヒューズ ビット書き換え方法

注意 クリスタル オシレータの接続が間違っていたり、発振していないままヒューズ ビットを書き
    換えると、AVR自体が停止してしまい、ISPインターフェイスが使用できなくなりますので
    注意が必要です。

1.ISPプログラマーを接続し、BASCOM-AVRを起動します。
 
2.メニューバーから、[ File ]→[ New ] をクリックし、新規ファイル画面を開いておきます。
 
3.メニューバーから、[ Program ]→[ Send to Chip ] をクリックすると、「コンパイルした
  ファイルが見つからない
」と言うメッセージが出ますが、そのまま [ OK ] をクリックします。
 
4.続いて「選択されたチップと、接続されているチップが違う」と言うメッセージが出る場合が
  ありますが、そのまま [ OK ] をクリックします。
 
5.プログラム用ウィンドウが開きますので、[ Chip ] の欄に、「ATmega8535」と表示されている
  のを確認し、 [ Lock and Fuse Bits ] タグをクリックします。
 
6.[ FusebitA987 ] の右欄 [ 0001:Internal RC oscillator 1MHz ] をクリックすると、右側に
  プルダウンメニューが現れますから、 [ 0000:Ext clockfast rising power ] を選択します。
 
7.右側の [ Write FS ] ボタンをクリックすると書き換えが完了します。

5.
6.
7.


○パーツの参考資料
 ・クリスタル オシレータ  「秋月電子通商」 超高精度クリスタルモジュール(12.8MHz±1ppm)
 ・液晶モジュール  「秋月電子通商」  SUNLIKE社 SC1602BS-B(-SO-GS-K)
 ・基板  「秋月電子通商」 片面ガラスエポキシ・ユニバーサル基板 Bタイプ (95x72mm)
 ・アクリルケース  「無印良品」 アクリルポケットティシューケース


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