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00-9: 長い下りの稜線歩き
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薬師岳・夕日岳 1,526m
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薬師岳/夕日岳(やくしだけ/ゆうひだけ)は、日光中禅寺湖畔の中禅寺温泉から南に下って、古峰ヶ原に至る長い登り下りの稜線コースの途中にある比較的なだらかな峰々である。このコースは日光開山の折りの道筋にあたり、古くから山岳修験道の禅頂行者道として行き来され、あたりには地蔵尊が安置された石祠が見られる。
東武日光駅からバスで中禅寺温泉まで行き、時間を稼ぐ為にロープウェイに乗って茶ノ木平まで上がった。中禅寺湖の南側に位置する茶ノ木平が本日のスタート地点である。茶ノ木平の標高が1,625mであるから、今日の山々はそこの眼下位置することになる。「最初に下りありき」の登山は皆初めてだ。距離は長いが下り主体の山歩きであり、比較的気持ちを楽に構えての一日になりそうだ。茶ノ木平からは、北に中禅寺湖を見下ろし、その向こう側に男体山が雄大にそびえる。西には半月山が望め、その先にある社山は中禅寺湖に美しいその姿を映している。そして南には、今日の山歩きの行先である前日光の山々が眼下に大きく広がっている。夕日岳山頂は1,526mで稜線の一部のような峰で、距離が長い点を除けば初級者コースの山といえよう。
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日時: 2000年9月15日(金) 晴れのち曇り
参加者: 栄、昌谷*、桜井*、柴崎、中島、林、平山、平山(三)、細谷、巻島、矢島、吉田、
山下(記)* 初参加
交通: 行き:東武・幸手(6:56)―>日光(8:24着) バス・日光(8:30発)―>
中禅寺温泉(9:15着)ロープウェイ・中禅寺温泉(9:25発)―>茶ノ木平(9:30着)
帰り:バス・古峯神社(16:00発)―>鹿沼(17:00) 東武・新鹿沼(18:30)―>
幸手(20:14)
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登山コース: 約6時間25分(除く昼食時間) 26,000歩
今日は9名の女性と男性4名の13名の大人数の山行となった。最近は女性の参加が男性を圧倒しつつあり,今後男性の積極的な参加が望まれる。とはいえ、ここのパーティに参加する女性は男性以上の健脚ぞろいであるので、コース選択にそれ程苦労はいらないと思うが?
(茶ノ木平〜薬師岳〜夕日岳山頂): 4時間10分(9:35〜11:40〜13:45) 14,300歩
山登りに来て、ロープウェイに乗るのは多少気がひけるが、今日は長い行程になるので、少しでも時間を稼ぐ必要がある。茶ノ木平までは5分ほどで、300m余の標高差を登ってしまったが、この距離を歩くと30分はかかる。

(写真:茶ノ木平から中禅寺湖を望む)
茶ノ木平からの眺望はすばらしい。北側の眼下に中禅寺湖が水面を輝かせ、南にはこれから進む前日光の山々が長くうねうねと広がっている。今日の先導役は、久しぶりにカンバックした細谷さん。「おっと、そちらは半月山の方向だよ。細谷さん!薬師岳は茶ノ木平の分岐で、一旦西方の明智平方面に向かってから、南に向かう登山道だよ。」茶ノ木平が今日の最高点であるので、最初から下りで始まった。足慣らしには最高の出足だ。低い笹の原の林の中を下って行く。約400mの標高差を1時間ほどで一気に下って細尾峠に出た。この峠は日光と足尾を結ぶ旧道が走っており、下のほうを新道のトンネルが走っている。ここで一息入れて、これから1,420mの薬師岳まで約200mの標高差を初めて登ることになった。「やっと山登りに来た感じだな。」と軽口をたたきながら余裕の山行。せっかくの山頂だが林が切れず、あまり展望は望めない。時間は11:40で「まだ昼食には早いから、一気に夕日岳まで行ってしまおう。」という事で、小休止のあと、夕日岳に向かった。薬師岳から夕日岳に続く稜線は、日光開山の道としての「禅頂行者の道」と呼ばれており、修験者の道であったようだ。尾根道だが林が切れず展望はあまり望めないが、登山道の周りは延々とつつじで覆われており、6月頃はさぞかし美しいヤシオツツジのトンネルになっている事であろうと想像しながら、修験者気分で皆もくもくと歩をすすめる。
夕日岳の少し手前の開けたところで昼食を取ることにした。登山道の両側に敷物を広げ、楽しい昼食。「おっと、他の登山者がやってきたよ。道を空けなくちゃ。」昼食後、崩れかかってきた空模様を気にしながら、早々に夕日岳に向かった。夕日岳は三つ目の分岐から西に往復30分ほど寄り道をしなければならない。三人の居残り組志願者にリュックを番してもらい、身軽な出で立ちで夕日岳を往復した。夕日岳は西方だけが開けており、「ここから夕日が見られるので、夕日岳というのかな?」と納得した。
(夕日岳山頂〜古峰ヶ原): 2時間15分(13:45〜16:00)
夕日岳から古峰ヶ原までは、2時間30分かかる予定であり、バスは15:50発であるので、2時間5分しか残ってない。「今日もまた、下りのスパートだ!」しかし、前回の大菩薩の時のようにうまく進まない。ついに3時50分になってしまった。「もうバスはあきらめよう!」
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(本日のハイライト)
[バス会社への売り込み]:
「もしもし、古峯神社3時50分発のバスに乗る予定ですが、今下山途中で古峯神社の裏まで来ていますが、そこへの到着が少し遅れそうです。我々は13名のパーティで鹿沼まで行きたいのです。」と林さんが“13名”の稼ぎ分を売り込むべく必死の携帯電話での説得。しかし、バス会社は、「運転手さんに連絡が取れませんので」とすげない返事。皆予定時刻までに到着できそうもないので、そのバスをあきらめて、「次の2時間後のバスで行こう。」と歩くスピードを緩め、半ばあきらめていた。しかし、10分遅れでバス停に着いてみると、バスは我々を待っていてくれたではないか!1人\1,000の13人分のバス賃は、このローカル・バスには10分の遅れに代えがたい魅力なのだろう。あとから乗ってきた地元のおばあちゃんが「あれまー、どーすたんだべー、こんなにいっぺいのお客さんが乗ってて。いつも2〜3人だのに。」
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