01-3 奥上州の寂峰 

     高 田 山      1,212m


 

 高田山
は奥深い四万温泉の南にひときわ大きな山容を見せ、深い樹林に包まれた自然の豊かな山である。特に南の中之条側からの尾根づたいのルートはほとんど登山者が訪れる事もないようで、登山道も定かでなく、ややもするとルートから外れて深い樹林の中に迷い込みそうだ。そんなわけで、動物達にとってはまさに天国だ。日本カモシカなどがのびのびと生息しており、時々訪れる闖入者に驚きと警戒の鳴き声を発し、山野を縦横に駆けずり回っている。自然のままの山を愛する登山者には、中々面白みのある、手ごたえのある山だ。四万温泉側からの往復ルートは、距離も短く標高差も余りないので初級コースと言えるが、今回の南登山道からの尾根づたいルートは、結構タフな中級コースと言えよう。


日時:   2001年6月16日(土)曇り

参加者: 貝塚、中島、林、諸橋、吉田、矢野、山下(記)
交通: 1)行き:東武・幸手(5:05)―>伊勢崎(6:52)両毛線:伊勢崎(6:57)―>
        中之条(8:19)
バス:中之条(8:22)―>八尺(8:40)
     2)帰り:バス:島温泉(17:15)―>中之条(17:48)中之条(18:01)―>幸手(21:37)



登山コース: 5時間30分 (19,700歩)
 

前々日来の梅雨と朝方の天気のぐずつきで、今日の参加者7名と少ない。雨でも槍でも林さん!に賛同する7人の侍だけの山行きとなった。(平山三さんは、寝坊で参加しそこなったとの自己申告)

(八尺〜伊賀野のモミ〜高田山頂)4時間25分(8:45〜13:10) 10,150歩

 バス停の八尺から車も入れる一般道を伊賀野まで歩き、天然記念物に指定されている伊賀野のモミの巨木(6.7mの幹囲)を眺めつつ、そこから今日のコースの南登山口に入った。(写真拡大:伊賀野のモミ







しかしながら、人が踏み馴らしたような登山道は無く、わずかに木にペンキ塗りされた赤い山道の目印を頼りに、落ち葉に埋もれた急斜面をよじ登る事となった。
(写真拡大:急斜面をよじ登る

 しばらく登ると広葉樹林の尾根に辿り着き「この尾根づたいに進めば高田山に辿り着けるだろう。」とホッとしたのもつかの間、山道らしき尾根道に、大きな動物の黒い糞が見つかった。「オー!こりゃ熊の糞かな?」「いや、猪かもしれない。とにかく気をつけよう!」と一同気を引き締める。やがて、尾根の林が開けた場所に辿り着くと、約100m前方に黒っぽい動物が脱兎のごとく逃げて行く。「あ、だ!あっちにもいるよ。あ、もいる。あれはカモシカかな?」動物も久ぶりの闖入者に慌てている様子。

 オー、行き止まりだ!」「あそこに、四万湖が見えるよ。道を間違えたらしい。元に引き返そう!」
曇り空の為方向感覚が狂って、二度ほど分岐で道を間違えた。しかし、「これが自然のアドベンチャーだ!こんな事めったに経験できないよ。」と強がって、大自然とのサバイバル・ゲームの一端を楽しんだ。長いアップダウンの尾根道をたどり、最後の急坂を登りきるとやっと高田山の頂上だ。視界が開けて、奥上州の近隣の山並みが展望できるが、残念ながら、浅間山までの視界は得られなかった。(写真:高田山頂上を望む



頂上までの途中、湿気の多い落葉の中に、小さな白い花を咲かせたギンリョウソウが可憐に咲いていた。これは、腐生植物で、動物の死骸のある場所などに咲くと言われている。「ウム、納得。」
(写真:珍しいギンリョウソウ




(四万の清流の湯)
 今日の疲れ休めの湯は四万温泉卿の四万の湯。四万川の清流沿いの露天風呂に浸かって、静寂の中に清流の川音を聞きながら今日の山行の充実感を蘇らせつつ、
「極楽!」
(写真:川辺の露天風呂"四万の湯"





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