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99-1: 外秩父七峰、展望の山
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大 霧 山 766m
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大霧山は外秩父七峰の一つで眺望の良い姿の美しい山だ。
頂上からは奥秩父の山々とその彼方遠方に浅間山、八ヶ岳、赤岳などが望め、北方に目を転じると関東平野の彼方に赤城、日光連山までが見渡せる関東一望の眺望が得られる。
標高は766mと余り高くなく、一般向きのコースで、誰でも気軽にハイキングが楽しめる。叉、外秩父七峰を縦走するコースも設定できるので、健脚コースの方にもおもしろいコースだ。
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日時: 1999年1月23日(土)快晴のち午後曇
参加者: 太田、貝塚、中島、林、平山さ、平山三、細谷、吉田、山下
交通: 1)行き:東武・幸手(6:26)―>東武動物公園(6:33着、6:41発)―>羽生(7:08着)
秩父鉄道・羽生(7:14発)―>寄居(8:13着)バス・寄居(8:15発)―>落合(8:31着)
帰り: バス・かやの湯(17:43発)―>寄居(17:55着)秩父鉄道・寄居(
18:25発) ―>羽生(19:25着) 東武・羽生(19:45発)―>東武動物公園(20:12着)
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登山コース: 約7時間 (27,000歩)
(落合〜大霧山山頂): 2時間10分(8:40〜10:50)
落合のバス停で下車し、槻川に沿って50件ほどの集落が点在するのどかな山間の村を横切りながら歩き始める。
村の中ほどに、天然記念物に指定された大きな榎の古木が、民家の庭でたわわに枝を広げている。
集落をぬけて林の中に入りかけると、採石工場が右手に現れる。この辺は数m掘り下げると至る所石灰岩の地質で、盛んに採石が行われている。この工場でも、採石のための発破作業を行うので、時間帯により通行制限がなされる。
「世界一小さな釣り堀」のを横を通り抜けて登山道を右に入り、落ち葉の絨毯を踏みしめながら登りにかかる。
杉林を抜けると、急に展望が開けて再び村落にたどり着く。
道端の黄色く色づいた柚やみかんが、侘びしい山の冬景色の中に鮮やかな色を添え、ハイカーの気持ちを和ませてくれる。
ちょっと失敬、みかんを一個! とハイカーがもぎる為か、道端の枝は高い所しか実がついていない。
失敬したみかんを頬張りながら、道端に干された大根やみかんの皮を懐かしみながら進むと「おばーちゃんの店」という昔風の茶店にたどり着いた。
店の名の通り、70歳ぐらいの手ぬぐいをかぶった農家のおばーちゃんが、近所の老人たちと日向ぼっこをしながらお茶を飲んでいる。
「おばーちゃん、甘酒ある?」と尋ねると、「甘酒はないが御新香でお茶でもどうかね?」の誘いに応じて、我々も床几の中に割って入らせてもらい、芋がらの煮物や沢庵、白菜の漬物を頂く。「うまい。
何とうまいのだろう!」 日頃、口にしなくなった干した芋がらの素朴な味に、おばーちゃんのイメージが重なって、ノスタルジーの世界に誘い込まれる。
棚に無造作に並べてあるお土産品の中から、「おばーちゃん、干し柿と柚の皮入り七味をくれる。」
大霧山への登山道はこの茶店から左に入る。しばらく少し急な勾配の山道を登って行くと、視界の開けた山頂に着いた。
素晴らしい見晴らしだ。 両神山や雲取山などの奥秩父の連山とその向こうに、雪を頂いた浅間、八ヶ岳、赤岳、更に北方に目を転じると、関東平野の彼方に赤城山や日光連山が望める。
この展望は山の高さに似合わず素晴らしい。
山頂では、水彩画の同好会の人達が絵筆を動かし、はるかな山々のスケッチを満喫していた。
多分この展望は四季それぞれの趣を奏でてくれる事であろう!
(大霧山山頂〜愛宕山〜皇鈴山〜登谷山〜かやの湯): 4時間50分(11:10〜16:00)
大霧山から下りて愛宕山に向う。 南斜面にある為か、おお犬のふぐりが早々と青色の花を開き春を告げている。「ここで昼食をとろう。」という事で、県営の”もうもう牧場”の南斜面に設けられた木製のテーブルを囲んだ。
皆の小さなリュックの中から、魔法の玉手箱のごとく、おいしそうな弁当や手作りのおかずが食べきれない程いっぱい出てきた。
缶ビール、ウイスキーそしてびわ酒も出てきた。
遠足の楽しい、楽しい御弁当タイムを思い出す。
違う点はアルコール有りの点だ。 Aさんは、びわ酒の効き目か、自称ジュリアナ仕込みのラ・ロンド(フラメンコ)を踊りだし、余興で盛り上げた。
13:10分、午後のハイクを開始。 愛宕山、皇鈴山、そして登谷山とアップ・ダウンを繰り返しながらの尾根縦走は、アルコールの入ったご中年には多少答えるものがある。
皇鈴山と登谷山は外秩父七峰の仲間であり、大霧山と合わせて七峰の三峰を征服した事になる。
40Kmに及ぶ「外秩父七峰縦走」というハイキングの催しがあるが、かなり酷なレースと言える。
登谷山を越えた尾根で、今までに見たことのない「ピッ、ピッ」と鳴く瑠璃色の羽をした俊敏な小鳥を見つけた。
瑠璃こばちかな?
最後の登谷山からの長い坂道を下り終えると、ほんのり匂う蝋梅と柚とみかんの村落が現れた。
何ともいえないほのかな蝋梅の香りが疲れを癒してくれる。
やっとたどり着いたハイクの最終目的地である
”かやの湯“は、立派な外湯の岩風呂を持つ民宿とはおもえぬ憩いの宿である。
我々だけの貸し切りの岩風呂に浸かりながら一日の山行の疲れを癒した。
隣の女風呂から”佐渡おけさ”の歌声が流れてきた。 じっくりと暖まった身体に、湯上がりのビールは格別の味わいと酔いを誘う。
危うくバスに乗り遅れるところであった。
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本日のハイライト)
昨3月の雪の熊倉山以来、久々に参加した細谷さん。
熊倉山では、高所恐怖症で冷や汗をかき、今にも消え入りそうであったが、今回は特に下りに強いところを見せ、「下りの細谷」(別名「薮の細谷」?)の称号を得た。
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