登山コース: 約5時間(除く昼食時間) 22,800歩
最近は男性の参加率が低かったが今日は半数の7名も参加し、久しぶりに14名の大パーティである。JRの黒磯駅で下車すると、少し風が吹いており、果たして尾根の強風は吹き荒れていないであろうか?と心配しながら、那須連峰を仰ぎみる。7合目当たりから上に、既に白いものが被い始めており、一抹の不安がよぎる。ロープウェイ山麓駅までバスを予定していたが、200円ぐらいの差なのでタクシーを選択した。しかしながら、タクシーが登って行くうちに路面凍結でスリップし出して、山麓駅の2kmぐらい手前で下車せざるを得なくなった。降り立った路面はアイスバーン状態で歩くのさえ危ない状態である。女性の一部から「このまま引き返そう。」と声が上がったが、「とにかく登れるところまで行こう。」という事で、山麓駅まで凍りついた道路を避けて、少し雪の積もっている登山道に足を踏み入れた。(写真:タクシーも路面凍結で引き返す)
(ロープウェイ山麓駅〜峰の茶屋〜牛ヶ首): 2時間 (10:00〜11:00〜12:00)
山麓駅の登山口では、他のパーティも引き返すか進むか迷っている。我々よりも高齢者の女性のパーティが「行きましょう。」という事で登り始めたのに刺激され、「よし、先ず峰の茶屋まで行ってみよう。そこまでは比較的風も無く、緩やかな登りだから。そこで引き返すかどうかを決めよう。」という事になった。

雪が少し登山道を被ってはいるが、峰の茶屋までは風もそれ程でなく、むしろ雪景色を楽しみながらの登りとなった。前回ここに来た時は輝く若葉と石楠花の咲き乱れる初夏の高原の彩りがあったが、今回は雪の入り混じった灰色を主体とした単調な冬景色で、これも又一興でもある。
峰の茶屋に到着した。やはり尾根の峠であるので風が強い。これから先、茶臼の西側を巻いて尾根を南月山まで行くのは、雪と風と寒さとの戦いであり、強行する組と山麓駅に引き返す組に分かれる事にした。昌谷さん、桜井さん、細谷さん、そして巻島さんは引き返す組になり、那須湯本の鹿の湯で落ち合うことになった。
(写真:凍えつく無間地獄)
峰の茶屋で小休止した後で、強行組は強風と戦いながら牛ヶ首に向かって、ガスの吹き出る無限地獄を横切りながら進む。皆、防寒着で体を被うが、強風の為鼻が凍りつくほどの寒さで、とにかく目標方向に進む。マイナス10℃ぐらいの寒さだ。上を見上げると、茶臼岳の山頂の巨大な岩石の塊が雪を被って、今にも我々の方に転がり落ちてきそうな不安定さでのしかかっている。やっと牛ヶ首に到着した。そこから南方向に、なだらかな日の出平とその向こうに南月山が望める。展望は良好、足場も悪くない。しかし、この風の強さと寒さの中を、全く木のない尾根道を南月山まで往復する事は、かなりの荒行事である。南月山は諦めて、茶臼岳の南山麓を巻いて那須湯本まで下る事にした。
(牛ヶ首〜鹿の湯): 3時間(12:00〜15:00)
下りは、茶臼岳と南月山に挟まれた谷間を歩くので、風がほとんど無く、先ほどまでの寒さが一気に緩んだ。しかし、雪の深さが20〜40cmぐらいあり、靴がもぐってしまい不安定で歩きにくい。途中、南斜面で小一時間の昼食を取る。後は一気に「鹿の湯」を目指して下山。
(写真:雪の南月山を諦めて、左に下山)
鹿の湯に到着すると、運良く別パーティも到着したばかりとのこと。「峰の茶屋から山麓に戻ったら、ロープウェイが運転開始されていたので、茶臼岳の頂上まで登ってきた。」との事。もしかすると、我々が昼食を食べながら、雄大な茶臼岳を仰ぎ見ている頃、別パーティは我々を悠然と見下ろしながら、那須の高山の大気を五臓六腑に吸い込んで、那須連峰の冬景色の眺望を満喫していたのかもしれない。
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