99-4 奥多摩の人気の山                                    **

           川 苔 山     1,364m


 国土地理院の地図には川乗山と記されている。 川海苔が採れることに山名が由来しているとの事である。 川苔山は奥多摩の代表的な山で、交通の便が良い事も加わってか、「関東100名山」、「女性の為の100名山」、そして尾瀬や雲取と並んで「花の100名山」として、いずれにも名を連ねている人気者である。 それぞれの季節に色々な山野草が楽しめる。 1982年には皇太子殿下も訪れられたとの事。 川乗橋からの登りは、水量の多い川苔谷に沿って百尋の滝までの間、深い渓谷美を堪能する事ができる。

 最後の急勾配を登りきると頂上。 展望は良好。 標高は1,364mで標高差が約900m余、初級の上クラスのコースといえる。


日時:   1999年4月29日(木)曇後晴    気温は約15度で山頂は7〜8度
参加者: 青木、太田、小林、田村、中島、林、平山三、平山さく子、巻島、諸橋、吉田、山下
交通:  行き:東武・幸手(5:15)―>新越谷(5:42)JR・南越谷(5:50)―>奥多摩(8:22着)
                バス・奥多摩(8:34発)―>川乗橋(8:50着)
        帰り JR・奥多摩(16:44)>南越谷(19:10)新越谷(19:04)―>幸手(19:25着)


登山コース: 5時間45分(除く昼食時間) : 約12.3Km

 朝のうち、昨夜の雨が残っていた為か、20名の参加予定者が12名に減ってしまった。 今日は、走友会OGの青木さんと、小林さんが初参加となった。久しぶりに、田村さん、諸橋さんも加わった。もちろん「山行三兄弟」は今回も元気。今日はゴールデン・ウイークの初日でもあり、奥多摩は中高年登山者でごった返しの状態。立川からの青梅線は、ラッシュ・アワー並みの混雑となった。最近は、中高年の登山者が急激に増えているそうで、景気の不況感の増大に比例しているそうである。 きっと、「山は決して裏切らない。汗を流すと、それに見合った満足感を与えてくれる。」信頼感があるからだろう。 これらの中高年者を称して、Late Beginnerと呼ぶそうである。 我々の多くがそうだが。

(川乗橋〜百尋の滝〜川苔山頂)  3時間30分(8:50〜12:20)

 終点の奥多摩駅は、臨時バスが繰り出されるほどの賑わいで、満員のバスに揺られて川乗橋まで行き、他のご同年ハイカーと一緒に下車。 雨も上がって曇空だが、女性陣はスパッツまで纏い、いざ出陣。 いつも出立は、ある種の緊張感と期待感で心引き締る。川乗谷沿いに細倉橋までは50分程のなだらかな林道のアプローチ。 細倉橋を越えて右に登山道に入る。 眺めの素晴らしい渓流に沿って登って行く。 新緑と渓流の彩なす瑞々しい躍動美が目に染みる。時期はずれとも思える鶯の「ほーほけきょ」と澄んだ鳴き声が、水量豊かな渓流のざわめきをかき消すように響き渡る。 1時間程登ると、谷の向こう側に急に荒々しい岩肌が迫り、眼下の深い谷から100m以上屹立して異様な山肌を露わにしている。 その少し右に、百尋の滝が優雅に滝音を奏でている。(写真:百尋の滝)

 滝を終止符に、渓流から別れて山道に入る。気が付くと50m毎の標高が岩に記されている。これはありがたい。でもちょっとやりすぎかな? 人と山の自然な付き合いに、近代科学を持ち込んで、長い間共生してきたお互いのバランスを損ないかねない。 山道の傍らに目を向けると、いろいろな山野草が芽吹きだし、早いものは開花している。 シロバナ・エンレイ草、ネコノメ草、ミミガタテンナンショウ、ハシリドコロ(「私たちはキレイドコロね」と誰かさんが宣っていた)などがさりげなく咲いている。 1,000mを越えたあたりには、遅咲きの山桜が緑の中に鮮やかな彩りを添えている。さすが「花の百名山」に名を連ねるだけのことはある。

 頂上に近づくに従い急勾配になり、尾根に出るとそこに茶屋があった。そこから5分程登ると川苔山頂に着いた。山頂では、既に先着組みが沢山お弁当の花を咲かせている。ここでも中高年が圧倒的に多かったが、20歳ぐらいの六本木風ギャル3人が後から到着した時は、急に華やいだ雰囲気になったのは私だけの錯覚であったか? 我々も景色を堪能しながらお弁当を広げた。

(山頂〜鳩ノ巣)  下山2時間15分(13:15〜15:30)

 山頂からの下りは、単調なだらだら坂の連続となった。 登りの素晴らしい渓流の景観に対して、林の中を下って行くのは、優勝の決まってしまった後の消化試合の様な感じだ。 そんな中で、鋭い小鳥の鳴き声が、景観に代わって変化をつけてくれた。 シジュウカラ(四十雀)かな? (我々は、大半が、五十カラだが) 叉、午後の日差しは、新緑を通して千変万化の緑のシルエットを醸し出してくれる。 同じ緑でも、光線の角度、葉の芽吹きの時期、木の種類により、微妙に色彩が違う。 まばゆい緑の視食は、飽満感のないさわやかな充足感を与えてくれる。長い単調な下りの後、急に下界の騒音が下から湧いてきた。 青梅線と国道が走る鳩ノ巣が眼下に現れた。(写真:山頂から東方の山並を望む)

(もえぎの湯)

 いつも我々の山行は、温泉とパックである事が「売り」である。 今日の最後の仕上げは、「もえぎの湯」であるはずであった。 下山した鳩ノ巣から奥多摩まで、2つ駅を戻って「もえぎの湯」を訪れた。「40分待ちです。」連休初日の奥多摩の温泉は超満員。待つか、帰るか? 帰ろうよ。残念。


(本日のハイライト)

「腹いせのJR」: せっかく2駅戻って訪れた「もえぎの湯」に入れず、皆、何か欲求不満。 悪童心理が手伝ってか、乗ったJR青梅線で、一升ビン五段仕込の「澤の井」で酒盛りスタート。 周囲の乗客は眉をひそめて立っている場所を敬遠。 女性陣も「あの人たちとは無関係。」とばかり、別の離れた席から横目でちらちら。 ついに、漬物や佃煮昆布の回し食いまで始まった。

 立川からJR中央線に乗ったが、快速の為、「西国分寺」を通過して、「国分寺」であわてて下車。 下りに乗り直そうとしたら、発車寸前。半分は乗れたが、半分は未だ階段の途中。 電車の中から、Aさんがドアを押さえていたら、駅員が「発車の邪魔をしないでください。」と怒鳴った。 手を放したがしっかりと足で押さえて、ドアの締るのを防いで無事全員乗車完了。 駅員は我々を睨み付けていた。( 1分電車を止めると、ン十万円の罰金とか? 後で、JRの野崎さんに罰金額を確認しておこう!)


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