00-12: 秩父山系の展望台                                              

            破 風 山     526m


 破風山(はっぷうさん)は秩父盆地の真北に位置し、盆地を縦走する荒川に流れ込む赤平川越しに、秩父盆地を眼下に見下ろす絶景の展望台となっている。低い標高だが、のど仏のように秩父盆地にせり出して、独立峰を形造っている為か、頂上付近は常に強い風の通り道にもなっている。“破風”と言う名前はそのへんの由来かも知れない。

 皆野駅から登山口の椋宮橋まで、そのまま歩いても40分程度であるので、バスを待つより鄙びた冬の村落の景色を味わいながらのトレッキングもお勧めである。破風山は低い標高なので、登山というよりはハイキングと言ったほうがふさわしいかもしれない。しかし低い標高の割に頂上からの眺めは素晴らしい。南東に、大霧山登谷山などの外秩父連山。真南に、荒川の流れる秩父盆地が箱庭のように広がり、その向こうに武甲山の雄姿、そのちょっと右側奥の方に熊倉山、さらにはるか西方に両神山、そして4月に登った城峯山が低地を挟んで西北の方向に望める。初夏の緑の破風山も素晴らしいだろうが、この時期の枯れ景色の冬もまた、趣のある秩父の山並みを満喫させてくれる。ここは、雪と寒さを避けた冬場の山歩きには絶好の山と言える。


日時:    2000年12月16日(土) 晴れ
参加者:  栄、貝塚、桜井、柴崎、中島、林、平山(三)、巻島、矢野、吉田、山下(記)
交通:  行き:東武・幸手(6:25)―>羽生(7:08着) 羽生(7:13発)―>皆野(8:36着)
      帰り:秩父・皆野(16:21)―>羽生(17:30着)東武・羽生(17:36)―>
       動物公園(18:02着)


登山コース: 約4時間(除く昼食時間)   17,000歩

 4月の城峯山以来の秩父方面の山行で、一年の締めくくりでもあり、今日は11人のパーティである。皆野駅からのんびりと初冬の小春日和の山裾の趣を味わいながら、登山口までの約3kmのトレッキングでスタートとなった。

(皆野駅〜椋宮橋〜破風山山頂)2時間 (8:40〜9:20〜10:40)

 秩父盆地の北の山裾を東西に流れる赤平川に沿って、久しぶりに秩父の山並みを楽しみながら歩を進める。枯れ山の破風山の上空に、白茶けた半月が澄んだ青空にポッカリと浮かび、山裾の葉の落ちた柿ノ木に残る真っ赤な柿の実が好対照に空の一角を占め、静かな鄙びた山間の佇まいに色を添えている。点在する農家の軒先には、つるされた黄色い干し柿が、この地の冬の景色を彩っている。

 約40分の山間のハイキングは、山好きの我々にとって時折々の新たな発見の場であり、冬の村落の景色を楽しみながら、あっという間に登山口の椋宮橋に到着した。道標に従って旧道に踏み込むと、桜が谷の集落で、急斜面の中に点々と農家が現れ畑仕事をしている。「え、こんな山の斜面で生活しているの?」と驚かされる。その農家の周りには淡黄色の柚子の実が輝き、も一つの初冬の色の季節感を醸している。この辺の柚子は無農薬栽培との事で、登山道の端に簡易な無人売店が作られて、その柚子を販売している。5個一袋で¥100と安い。「冬至も近いから柚子でも買って行こう!」と、皆早々に土産を調達した。そこから更に登ると、農家も切れてやがて頂上に続く尾根道となり、今度は遠方の山並みの展望が開けて来た。眼下の秩父盆地には、所々冬の朝もやがたたずみ、向かいの武甲山がすばらしい眺めである。

 尾根に出て30分程で破風山山頂の着いた。尾根に出てからは、さっきまでのぽかぽかとした小春日和の陽気が一変し、強い北風が体に吹き突けた。この山は盆地の中にぽつんと点在するので、高いところはやはり風の通り道になっているらしい。昼食には早いが朝も早かったので、狭い頂上の風の中、昼食の場所を確保して弁当を広げた。秩父の山々を眺めながらの昼食は最高だ。
(写真:発風山山頂で)









(破風山山頂〜水潜寺〜満願の湯)  2時間(11:45〜12:50〜13:50)

 頂上から札立峠まで降りて、途中で「時間もあるし、如金峰に寄って行こう!」との林さんからの提案。「如金峰って何?」との質問に、「行ってみれば判るよ。」との答え。それでは「行かずば、なるまい。」と興味を引き立てられて、往復20分の寄り道をする事になった。尾根つたいに500mほどで如金峰に着いた。空に向かって直立する巨大な岩をなでながら、「なるほど、納得。」「うん、立派だね。」ある女性が「ご利益??が有りますようにるように!」と手を合わせて。(写真:如金峰)


















 札立峠に戻り、40分ほどの下りで水潜寺に着いた。水潜寺は百観音巡礼の最後の札所という歴史ある寺で、本堂の彫り物や天井画、かすれかけた札書等どれも年代を感じさせる。「お札を売ってください。」といったら、「ここは留め札しか売れません。前の札所の札を見せてください。」とAさんが断られた。お札が叶わぬので、代わりに涌き水の「長命水」でのどを潤してご利益に預かることとした。 今日の温泉は、前回城峯山の時に寄った「満願の湯」にもう一度厄介になることになった。


(本日のハイライト)

タクシー待たせて一曲:
 2時前に温泉に到着したので時間的余裕もあり、今年最後の山行でもあるので、風呂上りでカラオケの打ち上げ忘年会となった。帰りのタクシーを予約して、カラオケに興じているうちに、時間がきてタクシーがやってきてしまった。Bさんの曲が入ったばかりであった。そこにいた他のパーティのおばさんが「あんたうめえから、1番だけでも歌っていってくれっけ?」とたってのリクエスト。他の人は、タクシーに乗り込んで待っているが、Bさんだけ出てこない。やっと現れて、「歌い始めたらもっとやれというから、3番まで聞かせてきたよ。」

 ついでにBさんは林さん2人だけで、寄居で途中下車。「きっと、さっきの続きをやっているんだろう!」


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