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00-8: 高山植物の草原の稜線
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大菩薩峠・嶺 2,057m
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大菩薩峠・嶺(だいぼさつとうげ・れい)は、中央線塩山駅の東北東方向で、甲府―青梅を結ぶ青梅街道の南に位置する裾野の長い雄大な山だ。中里介山の小説「大菩薩峠」で一躍有名になった人気の高い山でもある。一方で、深田久弥の「日本百名山」と田中澄江の「花の百名山」にも名を連ね、特に8月は頂上付近の草原に広がる高山植物の開花時期でもあり、たくさんの登山者でにぎわっている。
大菩薩峠から大菩薩嶺を縦走するコースは、通常山小屋1泊の健脚向け2日コースであるが、今回は日帰りコースとしたので、塩山駅から上日川峠までタクシーを利用して時間を稼ぎ、充分高山植物の鑑賞に時間を割きながら、雄大な稜線散歩を満喫することにした。
晴れていれば、南方に南アルプスの山々や富士山が眺望できると案内に出ているので、期待して登ることにした。山頂は2,000mを超えるが、緩やかな勾配で特に危険な場所もなく、標高の割には楽な登山で初級者コースの山といえよう。
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日時: 2000年8月19日(土) 晴れ
参加者: 貝塚、小林、小谷野、柴崎、中島、林、平山(さ)、吉田、山下(記)
交通: 行き:東武・幸手(5:15)―>新越谷(5:41着) JR・南越谷(5:50発)―>
西国分寺(6:30着)(6:40発)―>塩山(8:58着)タクシー:塩山(9:05)
―>上日川峠(9:35着/\4,900)
帰り:バス・大菩薩登山口(14:52発)―>塩山温泉入口(15:25)
JR塩山(16:26)―>南越谷(19:20/トクトク切符\2,040:大月まで往復)
東武・新越谷―>幸手(20:19)
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登山コース: 約4時間20分(除く昼食時間) 22,800歩
大菩薩峠は女性に人気が高い為か今日は6名の女性とエスコート役の男性3名の9名の山行となった。幸手駅では矢島さんがリュックなしで集合グループの中にいたが、あいにく仕事との事。多少曇り模様で、雨を心配しながらの出発となった。しかしながら、列車が笹子トンネルを抜けると甲府地方は晴天だ。塩山駅から2台のタクシーに分乗して上日川峠の「ロッジ長兵衛」まで登った。標高1,530mである。
(上日川峠〜大菩薩峠〜大菩薩嶺山頂): 2時間10分(9:35〜10:20〜11:45) 9,300歩
“ロッジ長兵衛”に到着すると、他の数名のパーティが準備をしていた。そこに「大菩薩峠マラソン」の看板が掲げられている。明日この登山コースで30kmのマラソンが行われるとの事。以前からこのマラソンでは「完走者が1割前後である。」と聞いていたが、このコースを歩いてみるとその過酷さが尤もだと頷ける。「よくもこんな山道を15kmも走って登れるものだ。」と感心しながら緩やかな笹の生い茂る林の中を登り始めた。山道の所々に、「あと3km」と大菩薩峠のマラソン折返し点までの距離表示が示されている。 林の上のほうで鈴を鳴らすような「ルルルルー」というような小鳥のさえずりが響き渡る。「何だろう?あの鳴き声は。」奥深い山の緑を震わせて、我々の山行を歓迎してくれているようだ。緩やかな勾配の山道を20分程登ると“福ちゃん荘”に着いた。登山道と平行して、アスファルト道が通じており、何組かのパーティはここまでタクシーで乗り入れて来ていた。
樹林帯をさらに30分ほど進むと草原が現れ、その中に赤い屋根の“介山荘”が現れてきた。2,000m近い尾根に建つ展望の開けた山荘である。「2日コースのパーティはここに泊まって、早朝の眺望を満喫するのだろう!」と想像しながら、やがて高山植物の生い茂る大菩薩峠にたどり着いた。
(写真:大菩薩嶺を望む)
その一帯は林も切れて、大菩薩嶺までの尾根づたいに緩やかな登りの草原が広々と続いている。あたりには、高山草が競い合うように色とりどりの花を開いている。「あ!ウスユキ草がある。」 青紫のヤナギランも群生している。黄色いツリフネソウ。淡い赤紫のホタルフクロウ。群生する白いシモツケソウ。5輪の純白のウメバチソウ。赤い穂状のワレモコウ。オレンジ色のクルマユリ。5輪の紅紫色のハクサンフウロ。紅紫色の花冠のシオガマギク。錨の形をした薄緑のイカリソウ。オレンジ色のコウリンカ。山道脇に青いマツムシソウも咲いている。その上にきれいな瑠璃蝶が止まっている。小林さんがカメラを構えて、シャター・チャンスを狙うが、蝶はなかなかきれいな羽を広げてくれない。「あ、逃げられた!」(写真:高山植物の咲き乱れる尾根道)
(大菩薩嶺山頂〜登山口): 2時間10分(12:40〜14:50)
山頂近くで高山植物に囲まれながら、素晴らしい眺望の中でとる昼食は格別においしく、ついつい出立の予定時間を10分ほどオーバーしてしまった。帰りはタクシーを使わずに、大菩薩登山道まで3km程余計に歩かなければならない。バスは14:52発である。長兵衛ロッジから1時間35分かかる標識に対して、1時間しか残っていない。「さー、チャレンジだ!」それからが大変だった。マラソンに近い早歩きで下って、何とかバス停に10分を残して到着したときには皆ぐったり。「でもよく間に合ったものだ。」と皆、己の健脚を自画自賛。そこからバスに乗って、塩山駅の近くの「宏池荘」という公衆温泉で、今日の疲れを洗い流した。「それにしても、ここのオヤジは無愛想だったなー。」「公衆温泉だからな。」
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(本日のハイライト)
[阿波踊り]:
「今日は素晴らしい山行だった。」と林会長に感謝しながら帰途に着いた。南越谷で乗り換える時、町は「南越谷阿波踊り大会」という事で、沢山の観客の中で踊りの真っ最中。駅前の広場で、阿波踊りの特設ステージが設置されていて、運良くきれいどころの阿波踊りを鑑賞できた。私にとっては初めての阿波踊り鑑賞で、その踊りの動きの素晴らしさに見とれてしまった。特に、小さな女の子の視線と手と足の動きが印象的だった。
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