1980年代前半生まれの俯瞰図：出生

俯瞰図socio-economic macro-data on　→　1980年代前半生まれ世代

　　　　・生息状況：出生(出生数/出生地)、生存と死亡（人口/全人口に対する構成比/)、

　　　　・家庭環境：母親の世代、家電製品普及率、　　

　　　　・教育環境：進学率、先生の日教組加入率、　　　

　　→「1980年代前半生まれ世代の現在」へ戻る

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　©Tirom!,2004.　　

1980年代前半生まれの出生数　―　どれくらい生まれた？

1980年代前半生まれの出生数

出生数の最新速報→平成１５(2003)年人口動態統計年間推計

　→top/1980年代前半生まれ世代の現在

1980年代前半生まれ世代の出生地　―　どこ生まれが多い？

　→現住所(2000年)の分布　

　やっぱり多い東京・大阪生まれ。
　といっても、せいぜいそれぞれ9%,7%.

　「1980年の全国出生数」に対する「1985年の各都道府県別出生数」のシェアを示したのが左のグラフ、「1980年の全国出生数」に対する「1985年の各都道府県別出生数」のシェアを示したのが右のグラフ。

　81－84年のデータは入手できなかったが、80年と85年を見比べると、大きく異なる点はないので、この間に、大きな変動はなかったのだろう（と信じたい）。

　結果。東京・大阪生まれが多いのは、やっぱりという感じだが、9%,7%しかなく、「東京一極集中！」などと言えるほどの迫力はない。

昭和45(1970)年生まれの出生地分布

昭和50(1975)年生まれの出生地分布

　1980年代前半生まれ世代の半数弱が
　三大都市圏生まれ

　行政単位としては別でも、我々の実際の活動・感覚からすると、東京・神奈川・千葉・埼玉、京都・大阪・兵庫は、不可分である。したがって、この二つの都市圏をまとめて、シェアを見るほうが、実態に即しているといえるだろう。東京・神奈川・千葉・埼玉を首都圏として、京都・大阪・兵庫を京阪神として、それぞれ一つにまとめたのが右図である。

　こうしてみると、同世代の四人に一人は首都圏生まれ、同世代の四割弱が首都圏・京阪神の二大都市圏生まれ、同世代の半数弱が、首都圏・京阪神・名古屋の三大都市圏生まれである。1980年代前半生まれ世代の出生地分布は「東京一極集中」ではないが、「二大都市圏寡占」ぐらいには言えそうだ。1980年代前半生まれ世代は全国に分散して生まれてきたわけでは決してない。

　鳥取・島根・高知生まれが、3大マイノリティ

1980年都道府県別出生数ワーストランキング（全国比1%未満）				1985年都道府県別出生数ワーストランキング（全国比1%未満）
	都道府県	出生数	全国の出生数に占める比率		都道府県	出生数	全国の出生数に占める比率
1位	鳥取	8,196	0.52%	1位	鳥取	7,508	0.52%
2位	高知	9,378	0.59%	2位	島根	9,051	0.63%
3位	島根	9,959	0.63%	3位	高知	9,350	0.65%
4位	山梨	10,014	0.64%	4位	徳島	9,708	0.68%
5位	徳島	10,544	0.67%	5位	山梨	9,843	0.69%
6位	福井	10,724	0.68%	6位	福井	10,044	0.70%
7位	佐賀	12,466	0.79%	7位	香川	11,529	0.81%
8位	香川	12,993	0.82%	8位	佐賀	11,705	0.82%
9位	和歌山	13,444	0.85%	9位	富山	11,986	0.84%
10位	富山	13,555	0.86%	10位	和歌山	12,086	0.84%
11位	石川	15,138	0.96%	11位	石川	13,256	0.93%
データソース:『H12人口動態統計(上)』表4.3				12位	秋田	13,663	0.95%

　高度成長期の大都市生まれ増加傾向の揺れ戻し後の安定期に生まれたのが1980年代前半生まれ世代。

　以上見てきた1980年代前半生まれ世代の出生地分布は、長期的趨勢のなかで、どのように位置づけられるのだろうか。

　下の帯グラフは、1935年生まれから2000年生まれまでの出生地分布を示したものである。戦争の被害のためもあってか、終戦後、大都市圏生まれのシェアは、戦前の水準から低下していた。流れが変わったのは、昭和30(1955)年。首都圏・京阪神・愛知の三大都市圏生まれのシェアが急速に膨張。そして、その絶頂が昭和45年(1970)年。これ以降、90年代まで、三大都市圏生まれのシェアは、再び、停滞ないし収縮に向かう。

　この三大都市圏生まれのシェアの収縮がいくところまで行った後の安定期にあたるのが、1980年代前半生まれ世代であるといえよう。