4.できることから
2005 4〜5
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■難航

 しかし、ここからが長かった。4月上旬を過ぎ、5月になっても一向に返事はこなかった。念のためメールを出してみたところ、返事が来た。来年に開園する神戸花鳥園に花を移設する計画があるらしく、そうなると先日見たような花に囲まれた挙式ができない、それで判断をしかねている、とのことだった。僕らはもうすこし待つことにした。


■こつこつと

 会場の結果が出るまでのあいだ、できることから細かい準備をはじめることにした。
 さしあたって二人で確認しあった指針がある。それは、式に関するいろんな物事を、自分たちの頭で考え、判断し、行動していこう、というものである。つまり、世間の結婚式の常識や相場などを、参考にはするもののそれらに流されることなく、自分たちのやり方でやりたいようにやっていきたい。僕らはそれを大方針として定めた。
 指針はもう一つあった。とにかくペンギンずくめにしよう、ということだ。ただしこちらは明確に言葉にするまでもなく、準備の経緯で自然とそうなっていった気がする。

 まずは式に出席して頂く方のリストアップである。そんなに大人数にはしたくなかったので、親戚は祖父・伯父伯母程度の範囲で留め、お互いの友人をふくめて総勢50名ぐらいを想定した。それぞれの両親にも確認をとり、だいたいの出席者が決まった。

 次に、式で使う小物の手配を始めた。お気に入りのグッズショップである「エル・ペンギンズ」さん(残念ながら2007年一杯で販売終了)に問い合わせをし、人数分のペンギン型コースターを注文した。ここは全部を手作業で作るので、発注は早ければ早いほどよかったのである。さらに、手作りの招待状・献立表などの素材を調べるため、デパートや文房具店に出向き、下見を繰り返した。

 式の概要を自分達自身で把握するため、式の台本を作ってみた。時刻と内容を簡単に1ページの表にしただけだが、頭の中にあったもやもやとしたイメージが、書いてみることでかなりはっきりしてきた。これはこの後、様々に改稿を繰り返しながら、最終的には9ページに及ぶ詳細な進行表となっていく。

★このとき制作した進行表
新郎新婦会場入り
新婦ヘアメイク開始
新郎支度開始
新郎新婦二人の記念撮影
新郎新婦と両親の記念撮影
受付担当者との打ち合わせ
司会者との打ち合わせ
受付開始・ゲストの入場
開式 司会者あいさつ
新郎新婦入場
新郎新婦あいさつ
料理・飲み物の説明、食事の開始
新郎新婦を紹介 テーブルで
スピーチ・余興
新郎新婦と触れあい
色直し
テーブルサービス
両親の結婚記念日をお祝い
友人の誕生日お祝い ブーケを渡す
スピーチ・余興
新郎新婦と触れあい
互いのお祖母ちゃんへの花束(あるいは他のもの)贈呈
色直し
誓いの儀式
両親への贈り物
両親からの言葉をいただく
新郎新婦からの感謝の言葉
新郎新婦退場
シャボン玉シャワー
記念撮影各種


 ネットでも情報を探った。会場近くにある貸衣装屋さんを調べたり、式の演出のアイデアを探したりした。「めでたい.com」というサイトに、オリジナル結婚式のアイデアがたくさん載っていて、使えそうなものをピックアップし、整理をした。前泊される出席者のためのホテル、送迎バスなどについても調査をはじめた。

 引き出物についても、かなり考えを巡らせた。お互い、他人の式に出た経験があまりないため、どのくらいの金額が妥当なのか、よくわからない。それでもなんとか二人で、このくらいかなあという金額を導き出した。品物についても、ありきたりのものではなく、喜んでもらえるものを渡したかったので、招待客ごとに渡す内容を細かくパターン化し、いくつかのお店やネットショップで購入したもの、会場予定地の加茂花菖蒲園の商品など、種々の品物を詰め合わせて贈ることにし、そのために大きな食器店に見に行ったり、ネットで商品を探したりして、頭を悩ませた。
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