(=^^=)/ とりあえず、練習と 三章 ヾ(=^^=)

12小節の定番ブルース進行

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1・基本的な理論…「こんなもんだ」とコード進行だけ覚えましょう!

 先ず第一にブルースって何?であります。皆さんは「12小節ロックンロールのコード進行」って、知ってます?いわゆる、3コードのA7th/D7th/E7thで演るやつです。「ジョニー・ビー・グッド」なんか、正にそうですね。いわゆるノリノリのロックンロールです。

 このコード進行を元に、リハーモナイズ(大元のコード進行を基本として、同じような属性のコードに置き換える事)して演奏者により多彩な表現を提供していく方法が、一般的なズージャの演り方です。では、実際にどうなっていくのかを見ていきましょう。

 普通の3コードのコード進行はこうですね。いわゆる、3コードのロックンロールです。

 次に、超簡単にコードをリハモ(置き換え)してみます。

 詳しく解説すると、とても面倒くさいので簡単に解説します。基本的には同じ機能を持つコードに置き換えて、流れをスムーズにしていく事、が目的です。下記で解説をしています。

 1小節目は同じですね(ここも変えられるけど)。2小節目の3〜4拍目にパッシングコードのFdimが入ります。3小節目もほぼ同じ。4小節目は次のコード「F」に対してⅡ/Ⅴである、Gm7/C7が入っています。5小節目も同じ。6小節目には、2小節目の3〜4拍目と同じパッシングコードですが、F7と同じくサブドミナントの属性を持つFdimを持ってきます。7〜8小節目は、10小節目のDm7に解決させるために、細かくなります。特に注目は8小節目の「マイナーコードに対してのⅡ/Ⅴ」である進行になっていることです。9〜10小節目はトニックコードに対してのⅡ/Ⅴ。11〜12小節は、俗に1/6/2/5と言われる循環型の進行です。この循環型の進行が主体の楽曲も、多々存在します。この進行は覚えましょう。

 上のコード進行を見ていくと、殆どがⅡ/Ⅴになっているのに気が付きます。というより、殆どのコードは次のコードに対してⅡ/Ⅴで置き換えられると思ってください。つまり、Ⅱ/Ⅴの抽斗が多い・より多くのフレーズを持っていると非常に有利な訳です。ジャズは人間の数だけ解釈が変わり、より面白い世界になっています。上達のコツは、色々な解釈のフレーズを沢山コピーし「自分なりのフレーズ&解釈の仕方をどれだけ作れるか」です。


2・実践・フレーズ編…面倒くさければ、フレーズだけ覚えて雰囲気を味わって下さい。

 不協和だけど、格好いい!アドリブは上記の法則を堅持しつつ、演奏者の解釈で成り立ちます。上記の進行は細かくオーソドックスにリハモしているのですが、逆に大きくコードを捉えて行く方法もありますし、もっと細分化していく方法もあります。

 ここでは、色々な歌い方を紹介します。進行は12小節のブルース進行の中の1〜4小節目です。次のコードの対して、必ずしも「次のコードの1/3/5/7/9の音に解決していない個所がある」のに注目して下さい。

なお、コード進行は‖F7|B7/B dim|F7|Cm7/F7‖の進行で行きます。

EX-1

EX-1は、オーソドックスな手法でフレーズを構築しています。2小節目のB7に対して、アボイドノートであるEから入っていますが、2拍目できちんと解決しています。この様に遅れて解決することを、ディレイド・リゾルブと言います。


EX-2

頭の1小節目〜2小節目の最初にかけて、ブルーノートスケールから入っています。もちろん全ての小節でこのブルーノートで弾き切っても良い訳です。3小節目をCm7&4小節目をF7と、大きく捉えてフレージングしていますが、バッキングに関わらずこれでもOKなのです。4小節目は1拍目の裏から、次のコードの構成音に対してクロマチック・アプローチ(半音階で経過音を流して)になっています。


EX-3

頭の1小節目から、FのAlterdScaleで次のコードに解決しています。EX-2と同様に3小節目をCm7で弾き、4小節目の1〜2拍目でF7の代理和音である、B7のコードを意識しています。F7とB7は、3度と7度の音が共通しています。また、FのAlterdScale上にBのコードが構成されます。これをアッパーストラクチャ・トライアドと言います。B7からB7へは、コード自体が半音下がりますので、強力な解決が成される訳です。


EX-4

頭から2小節まで、ブルーノートスケールで弾き切っています。そして3小節目をCm7で弾き、4小節目をFm7/B7に置き換えています。何故Fm7が弾けるのか?F7の代理和音であるB7の前に、Ⅱ/ⅤとなるⅡm7のFm7を持ってきている訳です。この様に変則的?にリハモしてあげると、「一瞬アウトに行き、インに戻る緊張感」が生まれるので、独特の雰囲気が出せるのです。

EX1からEX4まで、連続して音源にしました。参考に聞いて下さい。→サンプル1〜4小節


次に、ブルース進行の5〜8小節目を譜例にしてみます。コード進行は‖B7|B dim|F7|Am7(♭5th)/D7♭9th‖の進行で行きます。

EX-5

EX-5…サンプル音源 ここでは1小節目が完全にB7の分散和音+@、2小節目も完全にコーダルなプレイ。注目すべきは3〜4小節目のリハモです。これはF7/E7/E7/D7(♭9)と半音ずつコードが下降しています。そしてD7(♭9)からGm7に解決しているのです。この流れをF7/B7/E7/A7(13)と置き換えることも出来ます。何故って?置き換える各コードの3度と7度の音が重なるでしょう?属性が同じコードの置き換えを、代理和音と言いますね。


EX-6

EX-6…サンプル音源 同じく1小節目はインコード、2小節目にBdim7の代理和音であるBm7を弾いています。4小節目はAm7(♭5th)の構成音Eから、いきなりDのAlterd ScaleでGm7に解決しています。


EX-7

EX-7…サンプル音源 頭から変態フレーズです。と言う訳でもなく、2小節目を代理和音のBm7の更に代理和音のE7に見立て、BのAlterd Scaleで弾いています。BのAlterd Scaleが2小節目の2拍まで食い込んでいますが、私は気にしない。そして3小節目は、次のD7へアプローチするためにAのAlterd Scaleで弾いています。4小節目も同じような手法のDAlterd Scaleです。この様に、代理和音から導き出されるスケールにドンドン置き換えていくと、変態チックでしかも格好いいフレーズになってきます。後ろのバッキングは無視して、自分の中でリハモする訳です。でも、ただいい加減にアウトしていくのと、自分で筋道を立てたアウトは、天地の隔たりがあるのでお気を付けて。いい加減にアウトしたフレーズは「デタラメ」と言います。


EX-8

EX-8…サンプル音源 とてもオーソドックスに1〜3小節までブルーノートで弾き切ります。この様に、大きく楽曲を捉えて歌うことも必要なのです。普通はもっと大きめな音価にしますが、サンプルなので混み入ってます。4小節目はマイナーのⅡ/Ⅴの、ほぼ定番フレーズです。


 それでは、最後の9〜12小節目に行きましょう。進行は‖Gm7|C7|F7/D7|Gm7/C7‖になります。

EX-9

EX-9…サンプル音源 普通に、オーソドックスな歌い廻しです。4小節の3・4拍目のC7はC Alterdですね。


EX-10

EX-10…サンプル音源 1小節目のGm7をG7と見て、G Hole toneで弾いています。次の2小節目の2拍目まで喰っていますが、気にしないで弾きましたね。2小節目の3〜4拍目はC Alterd。3〜4小節は、最後の2拍をC Alterdで弾いているくらいで、非常にオーソドックスです。


EX-11

EX-11…サンプル音源 2小節目〜3小節目にかけて変態的に聞こえるかもしれませんが、2小節目はC Alterd。3小節目の1拍がF、または3小節目はDcombination of diminished scaleとして捉えることも出来ます。そして、その音階上にGmがあるのを利用して、まるごと1小節を次のGmに対してのクロマチックアプローチ(半音階でアプローチして解決を図る)を行っています。


EX-12

EX-12…サンプル音源 1小節目はそのままGm9のコードトーン、2小節目はC Alterd、3小節目を全てD7♭9で弾き、4小節目はGm9とC7の代理和音であるG7を持ってきています。


注:12小節を全てブルーノートで弾いても良いんですよ。わざわざ難しくやろうとしないで、自分の歌い廻しを見つけることも上達の鍵です。


 小難しい名前やら訳の判らない言葉が出てきましたが、大体の雰囲気を判って頂けたら幸いです。本格的な勉強はしていないのであくまで我流ですが、上手くなりたければ色々な人のコピーと、後ろで鳴っているコードとの関連性を身体に染み付けるのが手っ取り早いですね。限られた制約の中で、いかに自由に弾きまくるかはその人次第だと思います。

 ここまではインコードの中で弾いていく方法を紹介しましたが、コードの制約に囚われないモードという考え方、トーナルセンターという考え方もあります。モードで有名なのは、マイルス・デイビスの「マイルストーン」という曲があります。他にも色々ありますので、一度探して聞いてみて下さい。

さてと、次は何をやろうかなっと................(ー◇ー)y=〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜...........。

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