(=^^=)/ とりあえず、練習と 二章 Page1ヾ(=^^=)

アドリブの考え方

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1・基本的な理論

まず、理論的なことから解説します。難しいと思っちゃダメですよ。深〜く掘り下げるなら話は別ですが、基本的なことは簡単ですから。と言っても、私自身は教育を受けた専門家ではないので〜ヾ(=^^=)完全に我流ですから、理論的な間違いがあったとしても責任は取れません。

1・ダイアトニックスケール…スケールは音階、簡単に言ってしまうと「ある音階上に展開されるコードに対応した音列」と言うことです。普通のドレミファソラシドの音列があるとします。

ドから始まるスケールはアイオニアン・スケール。レから始まるスケールはドリアン・スケール。ミから始まるスケールはフリジアン・スケール。ファから始まるスケールはリディアン・スケール。ソから始まるスケールはミクソリディアン・スケール。ラから始まるスケールはエオリアン・スケール。シから始まるスケールはロクリアン・スケール。この様に、ドレミファソラシドの中でも出発点が違うだけで音列名も変わります。これは出発点の音を主音(トニックノート)としたコードに対応したスケールと言うことです。このスケール上に展開される各コードは、それぞれ役割があり「トニックコード・主和音(以下T)」「ドミナントコード・属和音(以下D)」「サブドミナントコード・副属和音(以下SD)」の3種類に大きく分類されます。

この3種類のコードのグループは楽曲をスムースに進行させる役割を各々持っていて、これがアドリブをとる際に重要な考え方の基礎になってきます。例えばG7→Cというコード進行は、D→Tという非常に強い進行性を持ったコード進行です。これはDのグループのコードは、Tのグループのコードに行きたがるという性質を持った「強進行」の属性を持っているからです。では、SDのコードはどうでしょう?これもTのグループのコードに行きたがりますが、Dのグループの前にこのSDのグループのコードを置いてあげると更に進行性がスムーズに、尚かつ自然に進行していきます(Fmaj7→G7→C)。

次にドミナント・モーションという物があります。これは「ある音は完全4度上の音に行きたがる(完全5度下に行きたがる)」という事です。G7→Cもそうですね。単音ではCから始めると、C→F→B→E→A→D→G→B→E→A→D→G→Cというサイクルが出来ます。これをサイクル・オブ・フィフスと言います。

つまりTコードを中心として、進行性を持たせたコードの羅列が楽曲として成立している訳です。(勿論この法則に当て嵌まらない楽曲も数多くありますよ!)。次のコードに対して進行性を持たせたコードを置く、これを「次のコードに対して解決する」と言います。

2・上記の法則に基づいてインプロビゼーションを展開していく訳ですが、考え方は「次のコードに対してどのように解決したアドリブをとっていくか」です。そこでⅡ/Ⅴ(ツーファイブ)の考え方が出来てきます。解決すべきコードに対して、2度マイナー7thのコードと5度7thのコードを前に置いてあげると言う考え方です。ジャズでは基本中の基本です。Dm7→G7→Cと弾いてみて下さい。非常にスムースに流れるでしょう?(トニックコードのCに対してG7はドミナント・Dm7はサブドミナントとなります)。SD→D→Tの流れになっている訳ですが、同時にドミナント・モーションもしているという非常に強い進行性を持つコード進行です。Ⅱm7→Ⅴ7の流れの形式をツーファイブと言います。各コードの特徴等も関係してきますが、長くなるので割愛します。

3・それではⅡ→Ⅴのフレージングの考え方を身に付けましょう(全て調性はCでいきます。Dm7→G7→Cの進行下でのフレージングです)。大雑把に言ってしまうと、解決すべきコードの構成音に辿り着くための方法です。特に各コードの3度と5度と主音に辿り着けば、非常に強く解決したと言えます。


2・Ⅱ/Ⅴの簡単な実例

では、実際の譜例で見ていきましょう。まずはコードトーンを主体とした、ダイアトニック(非常に調性感のある)フレージングです。MajorキーでのⅡ/Ⅴの実例を示します。

ex-1

ex-2

ex-1とex-2は、ほぼコードトーンをそのまま使っていることが分かると思います。ここで注目して頂きたいのは、常に「次のコードに向かってスムースにフレーズが解決」しているという事です。そして装飾音も、小節内に於いてコードトーンを強く感じさせる使い方をしているのも判りますか?

ex-3

ex-4

ex-3/ex-4も同様にコードトーンを主体としたフレージングです。調性感を堅持して如何に歌うかが、ダイアトニック(インナー)なアドリブ方法です。さて、ここではコードの構成音を覚えて、いつでも拾い出せる様にするために、貴方自身でもいくつかフレーズを作って下さい。下にDm7とG7のコードトーンを八分音符で、長くのばしても比較的安全なテンションノート(コードに豊かな表情を与える音、と考えて下さい)を四分音符で示しました。最初にフレーズを作るコツは「コードトーンを必ず強拍に弾く様に自然なラインを作る」です。それと、次に解決すべき音に向かって「しっかり終止感があるか」です。次の小節の頭は必ずそのコードの3度・5度・主音(たまに7度の時もある)に解決する様に作りましょう!この方法で、コード感をしっかり身につけて下さい。


ここまではオーソドックスな「いい子ちゃん」フレーズで、こんなフレーズばかりでソロを弾いても面白みも何もありません。よりズージャっぽく、格好良く弾いていくには、もっと別なアプローチが必要になってきます。格好良く聴かせるには「如何にアウトとインを上手く使い、緊張感と安定感を使い分ける」必要があるのです。その方法として「ドミナントコードで何を弾くか」または「マクロで楽曲を捉えるか、ミクロで捉えるか」等々あります。私的には「最終的に帳尻が合えばよい、アドリブとは自己表現のためには本来自由であるべき」そう思っていますが、同時に自己満足的なアドリブは無意味であるとも思っています。


3・Ⅱ/Ⅴでのコード内で使えるスケール

まずは「ⅡのコードにあたるDm7」で使えるスケールを紹介します。これは単純にDから始まるドリアン・スケールでオッケーです。このスケールでは6thの音はアボイド・ノートと言い長くのばすとちょい危険な音です。

←D ドリアン

次に「ⅤにあたるG7」で使えるスケールです。ここでは各種使えますが、バッキングのコードとかち合わない様にしたければ、コードのテンションノートは指定してあげた方が無難です。ここで不協和になるのが格好良いんですけどね、醍醐味を味わえるのが7thコードです。ミクソリディアン・スケールでは4thの音がアボイド・ノートとなります。他の3つのスケールにはアボイド・ノートはありません。

←Gミクソリディアン(Mixo Lidyan Scale)

←Gアルタード・スケール(Alterd Scale)

←Gコンビネーション・オブ・ディミニッシュ・スケール(Combination of Diminished Scale) 

←Gホールトーン・スケール(Hole Tone Scale) 

←Gハーモニックマイナー・パーフェクト・フィフス・ビロウ(Harmonic Minor Perfect 5th below Scale) ※4thに当たるはCはアボイドノートです。譜面の中に間違いがあります。B♭をBに・F#をFに修正して下さい。

最初は上記の5種類で充分でしょう。MixoLidyan以外のスケールは、変な音列に聞こえるかもしれませんが、この様なスケールを使っているから「不協和に聞こえて、実は格好良い」アドリブが展開できる訳です。試しにG7のコードに合わせて各スケールを弾いてみると、各スケールの感触がつかめると思います。


4・各スケールで実際のフレーズを弾いてみる

次は上記のスケールを使ったフレーズ実例を示したいと思います。進行は全てDm7/G7/Cmajで例を示します。なお、フレーズの中にスケール外のアプローチノート(又はパッシングトーンとも言う・経過音の事)が若干含まれることがあります。もし貴方が何らかの方法でコード進行(バッキングですね)に合わせて楽器を弾ける環境にあるならば、必ずバッキングに合わせて練習した方が上達は早いでしょう。

譜例では「殆ど8分音符」でフレーズを弾ききっていますが、これに囚われず自由な展開を考えて下さい。


A・Mixo Lydian を使ったフレーズ

では最初にMixo Lydian を意識しているフレーズ例を見ていきましょう。

このスケールでのテンション・ノートは9th(Aの音)・13th(Eの音)です。

Mixo_1

Mixo_2

Mixo_3

Mixo_4

この4例は、先に示したex1〜4と同様にとても安定感のあるインナーなフレーズです。Mixo_4のフレーズのみ、少し雰囲気が違うと思いませんか? 分析的な見方をすれば、2拍ずつでⅡ/Ⅴを繰り返している形式になっています。この様に、インナーなフレーズに終始するのがこのスケールの特徴です。実際にフレーズを作る時は、コード感を常に意識して下さい。


B・Alterd Scale を使ったフレーズ

Alterd Scale はダイアトニックな音以外が多く含まれます。このスケールを使用するとより緊張感の高いフレージングを構築でき、多数のアッパー・ストラクチャー・トライアド(基本のコードの上に新たに3和音・コードが生成出来る)を含むので、ここからアウト・フレーズに行きやすくなります。

Alt-1

Alt-2

Alt-3

Alt-4

上記4例はオーソドックスにアルタードを使用した例です。ミクソリディアンと違う響きがお判りになると思いますが、ドミナントコードで使える様々なスケールも同時に使用すると考えるならば、7thコードでのインプロヴァイズの可能性・自由度は非常に高くなります。この例で注目すべき点は、7thコードに入る時は必ずしもコードの構成音ではないという点です。テンション・ノートは9th/9th/11th/13thとなります。


C・Combination of Diminished Scaleを使ったフレーズ

Combination of Diminished Scale もAlterd Scaleと同様にテンションノートの塊です。このスケールも、緊張感の演出に有効なフレーズを作ることが出来ます。例えばBlue Note ScaleからCombination of Diminished Scale へ移行して、よりアウトサイドな表現が可能になってきます。ここでは単純にCom dimのみで7thコードを扱っていきましょう。テンション・ノートは9th/9th/11th/13thとなります。

Com dim-1

Com dim-2

Com dim-3

Com dim-4

上記の中で4番目の譜例に、アッパー・ストラクチャー・トライアドが2つ出てきていますが分かりますか? このアッパー・ストラクチャー・トライアドを拡大解釈して、更にアウトに行くことが出来ます(完全我流ですよ)


D・Hole Tone Scaleを使ったフレーズ

このスケールでは、Avoid Noteはありません。主にMajor KeyのⅡ7thコードで使用されるのが一般的な使用法ですが、勿論Ⅴ7thでも使用可能です。テンション・ノートは、9th/11th/Augument5th(5thの事をAugumentと言います)になります。例えばG7aug5thまたは+5というコードが指定されている場合、このHole Tone を使います。

ここではⅡm7にあたるDm7をD7にリハーモナイズ(置き換えるという意味)しているフレーズも出てきます。

Hole Tone-1

Hole Tone-2

Hole Tone-3

Hole Tone-4

スケールの性格上(音列)、ギターではストレッチなフィンガリングになる時があります。そのままラインだけ弾くと、何か調性感がよく分からなくなるかもしれませんが、コードと合わせて弾くと浮き上がる様なフレーズになります。このスケールでの可能性の高さは、前記のAlterd&Com.dim.と同じです。


E・Harmonic Minor Perfect 5th below Scale (HMP5th↓)を使ったフレーズ

このスケールでのアボイドノートは11thであるCです。使い方は前述のAlterd Scaleと似通っているので、扱いは楽です。但し、このスケールの特徴音である"11thであるC" をきちんと聞かせないと、(HMP5th↓)を使用していると認識されません。

HMP5th↓-1

HMP5th↓-2

HMP5th↓-3

HMP5th↓-4

最初のフレーズはかなり移動が激しいですが、格好いいですよ。2つ目のフレーズはパッシングコードが1小節3〜4拍目に入っています。


ここまではⅡ/Ⅴの実際例で「こんなものか」と思って頂けたら幸いです。

コードの流れを常に意識して、その中で歌うにはこういったフレーズの蓄積と、ぱっと弾ける様にフレーズを考えることが重要です。

次の章では、実際のコード進行下での考え方を示してみたいと思っています。

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