ランダル・ロックウッド先生のセミナー

 Randall Lockwood(ランダル・ロックウッド)博士による、First Strike Campaign(動物虐待と人間社会の暴力の関係) のセミナーにいってきました。
 のいぱぱさんのHPのスケジュールをなんとなく見ていたら、「動物虐待と人間社会の暴力の関係」という文字が飛び込んできて、気になってしょうがなく伺ってみた所、興味があるのなら行ってみますか?、と言って下さり、ご一緒させていただきました。
 のいぱぱさんには関係者の方からお声がかかっていたそうで、会場に行っても関係者だけでなく、のいぱぱさんの知り合いの方などが声をかけてきていたりして、本当に犬の関係ある世界で顔の広いすごい人なんだな、と改めて思いました。


主催:動物との共生を考える連絡会
通訳:山崎 恵子氏(ペット研究会「互」主宰)

 人物紹介

ランダル・ロックウッド博士(HSUS 教育担当副会長、心理学博士)
 現在米国で注目を集めるFirst Strike Campaignの主役を勤める。
 自らの心理学の体験・知識を基に 「動物虐待とは何か」・「動物虐待と人間社会の暴力の関係」・「DVや幼児虐待と動物虐待との関連性」などの講義を通して共存教育の重要性を訴える。
 現在は First Strike Campaign のPRを専門に行っているが「米国における狼犬(狼と犬との混血犬)の現状と社会問題」など、幅広く動物分野の啓蒙を行ってきた多彩な人物である。


 HSUSとは

Humane Society of The United States(米国人道協会)の略。
 本部米国ワシントンD.C.1954年設立。
 米国最大の動物愛護団体でありペット問題のみならず、多種多様な普及活動を展開している。

  2002.6.23 「First Strike Campaign(動物虐待と人間社会の暴力の関係)」

ファースト・ストライクとは何でしょう?(私も知りませんでした)
 ストライクは、打つ事、たたく事。はじめに動物を「殴った」その手は、その後一生涯他者を「殴り続ける」かもしれません。
 「ファースト・ストライク」で止める・・・、それは社会全体を守る事にもなるのです。
 では、公演内容に入ります。

 午前の講演

 アメリカでは、60%以上の家庭でコンパニオン・アニマル(家族としてのペット)が存在します。
 理想の家族像のイメージは、両親がいて、数名子供がいて、ペットもいる、というもので、さらに子供とペットの笑顔がある家は、健全な家庭と社会から受け入れられます。
 動物に優しく接っしている姿は、「強い人間である」と見られたがる青少年にとっても、そういうイメージの妨げになるものではありません。
 ペットは家族のストレスに対応してくれ、楽しい気持ち、抑鬱な気持ちなども、特に犬は読み取りやすく、共感してくれます。
 家族の抑鬱な姿ばかり見ていると、ペットもそういう気分になってしまうそうで・・・。体調が悪い日が続くと私もそうだなぁ・・・、でもけせらは明るくってありがたいです。だから私も救われているんですね。それに、悲しい時、人の前では泣けなくってもけせらの前では泣く事ができます。
 そう、皆さんも実感されているでしょうが、ペットと接する事で、人はとても癒されるのです。

 でも、動物に対してそういう風に接する人ばかりではありません。意図的に虐待をする人もいるのです、動物に対して、そして人間に対しても。
 そういう人は、人間性に欠ける、という風に見られます。

 FBIがはじめた捜査で、大量殺人者たちの過去を調べてみると、共通して青少年期(ほとんどが男子)から重度の動物虐待をしていたり、連続放火歴があった事などがわかった。
 6〜7歳の頃から始まり、他の生命体をコントロールできるという妄想・権力意識を抱き、罪の意識ではなく快感を覚え続けていた。そして、放火や動物虐待の記録を綿密につけたり、ゆっくりと苦しんでいく姿を楽しんで記録したり。
 動物虐待からエスカレートして人間を殺してしまう、そういういくつもの例を教えていただいた。
 動物虐待は小さな事から始まり、まわりの大人や友人は、見ていたけれど、知っていたけれど、それほど大きな問題ではないと考えていた。
 中には、切り刻んだ動物の死骸をコレクションして飾っては友人に見せていた息子を、「健全で知的好奇心が豊富な子だ。将来は解剖学者か獣医師になるのでは?と期待して見ていた」という証言をした父親もいたそうだ。

 バンパイア(吸血鬼の集団)と名乗る青少年のグループが動物保護施設に入り込み、小犬たちを殺していった事件があった。
 警察は取り組んだものの、真剣度が足りず、数日で捜査を打ち切った。
 後、彼らはグループ内のある少年の実の両親を射殺した。
 なぜ防げなかったのか? 捜査を続ければ、その州の法律では彼らに数年間の禁固ができ、2つの命を守れたかもしれなかったのに。

 人や動物を傷付ける事、人のものを取ったり財産破壊などがルール違反だと知らずに育った子供は、危険信号といえる事が多いのではないだろうか。
 7〜8歳の知的好奇心から、わからないままやっていても、わかっていながら快感でやっていても、いい事、悪い事への境界線が出てくる。命に手をつける事が妄想から現実に変わっていったら・・・、快感に感じていったら・・・、それは境界線を越えた、という事。
 そういう少年の100%が将来の殺人者だというわけではない。でも、警告ではあるのだ。まわりはそれを見極める必要があるのだ。
 過去にした事は繰り返される。放置されてどんどんエスカレートしていったら、対象が動物から人へと移っていく・・・。

 日本でも、神戸の事件がありましたね。
 犯人が動物に虐待をしている事は、周りの大人も知っていた。その時点で気付いていたら、あの事件は防げていたのでは?
 動物虐待を「たいした事はない」、と見過ごしていたから予測できなかった。

 そういうサインがあったのに防げなかった殺人事件、残酷な、大量な殺人事件・・・、海外の例を色々知りました。

 役所では動物虐待の事例を集める所がないので、HSUSが深刻な動物虐待例を調べた所、1/3が13歳〜18歳、12歳以下も4%、そして大きく出た数字は、性別。約95%が男性であるという事。
 こういう事をした人の内、20%もの人がその他の違法行為を繰り返している事がわかった。それに、こういう事をした人は、将来児童虐待をするパーセンテージが高い事もわかった。

 犯罪者の過去調査を行ってみた所、非暴力的な犯罪者(盗みなど)は、20%ほどが以前に動物虐待をしていた事があった、が、その対象のほとんどが野生動物や産業動物だった。
 それに対して暴力的な犯罪者(殺人、レイプなど)は、56%もの人が青少年期、またはそれ以前に動物虐待をしていることがわかった、しかも、自分の飼っているペットを含め、他人のコンパニオン・アニマルに手を出しているケースも目立ったそうだ。



 午後の講演

児童虐待と動物虐待について・・・。
 子供にとって動物と接する事は、様々な良い点があげられている。
 子供同士の輪の要になる、必要な温もりを与えてくれる。
 物理的にも歩行する事で運動の発達、そして、話し相手にもなるし、人間間の話題にもなるので、言語発達があげられる。
 遊ぶこと・ユーモアを提供してくれる事で、子供の発達の刺激になる。
 他にも共感したり、他者の立場で考え、相手を理解したり、同じ立場に立って考える同情心なども、動物と接する事で生まれてくる。
 それに、犬などは、子供がしかられたり虐待されたりする時、守ろうと、保護する役割をしてくれたりもする。
 ペットを飼う事によって子供は生と死について考えたり学んだりする。 

 人生の転機などでストレスを感じる時にもペットは大きな支えになる。
 難民で逃げてきた子供達が、何も持たずに出て行くのに、ペットだけは大事に抱えて離さないでいる写真をいっぱい見せてもらった。午前の部で見た残酷な子供に比べ、難民の彼らは本当にピュアで温かい子供に見えた。
 私も小学校1〜2年の頃を思い出した。
 友達の家で、5人組のよくあるなんとかレンジャーの番組を見て、それから家に帰った時の事。テレビの内容が、たまたま雨に関わるエピソードだった。敵の降らせた雨に濡れた人間の心が悪魔に支配されていき、ヒーローが敵を倒して問題は解決する、という内容だったのだけれど・・・。
 それを見て家に帰ると、誰もいなくてカギも閉まっていて、私は家の中に入る事ができなかった。そしたら、雨が降って来たのだ。そんな番組を見た後での雨・・・、すごく怖くて、お庭で濡れないような所で愛犬のミックス(という名前)を抱っこし続けていて、不安をしずめてもらった記憶がある。
 小3の頭で離婚し、父のもとにミックスをおいてきてしまった・・・、お父さんの事、学校の事でも覚えている事は少ないのに、ミックスとのあの共有した時間だけは、はっきりと覚えている。
 彼女は、とても臆病で優しい子だった(彼女を引き取ったいきさつは、わんわん広場で紹介しています)。
 不安な私の心を読み取ってくれたのか、おとなしく、温かく、ずーっと私に抱っこをさせてくれていた。その感触は、優しさは、忘れられないよ、ミックス。

 アメリカでは、児童虐待と動物虐待の関係はとても密接なものだと考えられている。
 動物虐待の通報を受け、訪問をした家庭のうち、なんと80%が、以前にソーシャルワーカー(児童虐待の擁護関係)が訪問した事のある家庭だった。
 そういう家庭では、ペットの数が多い傾向が見られた。でも、2年以上世話をされたペットは少ない。虐待によって長生きができなかったり、問題行動を起こしたからといって捨てられたり、他へゆずられたり。
 中には、病気になっても放っておいて、そのまま死に至るペットもいる。そんな親を見て、子供は、「自分が病気になっても助けてもらえないのではないか」と不安を抱くようになったりもするのだ。
 そういう家庭では、70%近くのペットが誰かを傷付けたりしている。普通の家庭では、せいぜい6〜7%だというのに・・・。

 親に傷付けられた子供がペットに虐待してしまう(これは、私の姉がペットや私にしていた事と同じだと思う)。
 親から虐待を受ける子供を守ろうとして、ペットが親に噛み付くケースもあるし、虐待を受けて傷を負ったペットは、防衛本能から人に危害を加えやすくなるから納得の数字。
 そんな家庭で育っている子供が、それを伝えるような絵や詩を書くことは多々ある。紹介された1つの詩には、ジーンときてしまった。
 私も、どちらかというとそういう家庭だったんじゃないかな、って思う。でも、私にはそんな言葉も絵も出せなかったけど・・・。
 私には2つ上の姉がいて、彼女は小さい頃、父に暴力を受けた(父にとっては、自分が親からされたのと同じような、厳しいしつけだったのだと思うが)のではないだろうか。
 姉は小さい頃から攻撃的な人だった。
 家にはペットがいっぱいいた。
 はっきり憶えていないけれど、ミックスの前に、ぺロという犬がいたのは事実。幼稚園ぐらいの私から見てはもうお手上げなほど、怖かったイメージがある。姉はよく遊んでいた? やりあっていた? もしかして、虐待していた??? ・・・父が? 姉が? それからぺロはどこへいったの? 死に直面した記憶がなくて、もうわからないけれど。
 金魚などの死にはよく直面し、いつもお庭に埋めてお墓をつくっていた記憶がある。
 後はっきりおぼえているのは、姉が飼いたてのうさぎを殺した事と、私のセキせインコを殺した事。
 私が塀から突き落とされたり、よくぶたれたりした事(でも当時はまだ、ひどい暴力ではなかった)。
 姉は頭がいい、非を認めない。だから言い訳をいつもした。その言い訳が正しかったのか、実は殺すつもりでやっていたのかははっきりとはわからないけれど。
 「うさぎとは遊ぼうとして追いかけっこをしてたら踏ん付けてしまった、そしたら死んじゃったの」
 姉のインコは、父が餌をあげようと窓を開けたら逃げてしまい、私の子がやられたのはその直後だった。
 「私の子は、こうやってのどを押すと喜んで歌ってたの、だから紗英子のにも遊んであげたの、でも、お腹空いてる時だったのかもね」
絞め殺されたのだ・・・、はらいせだったのだ。でも当時の私は姉の言葉を信じ、ただ悲しむだけだった。
 塀から突き落とされて頭をうった時も、「2人で塀に座って話をしてて、面白い話だったから、笑った勢いでちょっと紗英子をつついたら、落ちちゃったの」と。

 健全な家庭の親に、自分の子が動物虐待していると思うか?という問にYesと答えた親は5%
 それに対し、家庭内で虐待を受けている子の親に同じ質問をしたら、Yesという答えは34%(講義をして下さったランダル・ロックウッド先生の調べた数値も37%で、ほぼ同じ)と非常に多かった。

 夫の暴力から逃れたい母子に対して、逃げたらペットを犠牲にする、と威嚇する夫も多く、それで逃げられない事も多い。そして、それでも逃げてきた家の夫のうち、半分は後にペットを実際に殺していた。
 家庭内の虐待を見たり受けたりした子供の、1/3は、後に再現していってしまう。だから、犯罪者は元犠牲者であることもあるのだ。
 私が1番興味を持っていたのはこの部分です。
 多分、母や姉に対して、虐待はあったのだろう、私はよくおぼえていない。
 でも、「父親からこの子(私の姉)を守らなきゃ、逃げ道を作らなきゃ、と思って、父の所に置いて行く目的で、紗英子をつくった」と母から言われた事もある。だから、あったのだろう、姉は幼少期から、受けていたのだろう、母もすごく苦しんでいたのだろう。
 父の家を逃げるように出てきた事は覚えている、そして、「紗英子はどうする?」と言われ、母親が当時は大好きだった私は、素直に「うん、お母さんと一緒にいく」と答えたそうだ。
 私が小学校3年生の頭の頃の事だった。後に、「あんたは置いていく目的で産まれたのに、何でついてきたの?」とよく姉に責められたものだったけど。
 そして、父から虐待を受けた姉は、私に矛先を向けた。それは、その小3の頭からはじまったものではない。離婚前にペットを殺していたし、私への軽い暴力はあった。
 でも、離婚後、母親が、会社やデートに出かけて、家の中で姉と私が2人っきりになる時間が増え、姉の暴力は私一点に向けられ、どんどんどんどんエスカレートしていったのを体験した事は、はっきり事実と言える。
 私は奴隷のように扱われた、命令をされ、何をやっても怒鳴られ殴られ蹴られ、踏みつけられ・・・。
 外から見えない所はアザだらけだった。ビクビクし続け、怖くて安心して眠れない夜も続いた。
 姉は完全に私を支配したかったのだろうか?それとも苦しむ私を見るのが快感だったのだろうか?罪悪感は、なかったのかなぁ?

 逃げてくる時、お母さんの事しか考えられなかった。父の記憶はあまりない。
 でも、ミックスは? 考える余裕も、連れて行けるだけのお金もなかった。
 長生きしたみたいだけれど、暴力は受けていなかったのだろうか?
 今でも、あんなに温かかったミックスに何もできなかった事、無力だった自分を思うと、本当に辛いです。
 母や私の帰りを、ずーっと待っていたかもしれない。臆病で優しかったミックス・・・。

 私の個人的感情交じりで脱線だらけですみません、<(_ _*)>ぺコリ
 さきほど書いたような事から、家庭内暴力の有無には、動物が被害にあっていないか、という点が大きく関係してくる事がわかった。動物が被害にあっているなら、それは後に人の命にも関わってくる可能性の高い問題なのだ。
 家庭内暴力の減少を訴えるポスターは、1995年には男の影に怯える母子の絵だったが、後に、母子と一緒に犬の絵も加えられた。すると、犬無しだった時の1995年はDV(ドメスティック・バイオレンス・・・主に夫による家庭内暴力)関係の殺人事件が26件だったのに対し、犬を加えた後の1999年は5件と、激減したのだ。

 後は、老人に対しての虐待のお話もあった。世話の放棄、金銭などのものを盗る、性的虐待・・・。
 それに老人にとってペットと接触する事はとても癒しになる大切な事なのに、飼っている子をだしにして脅したり、その子を傷付けたり。それから、成人の子供が連れ帰った乱暴な犬にかみ殺されたり、大けがをおった例もある。
 ペットを飼っている老人を、自分の面倒すらみれない状況においやり、老人の意志ではないのにペットの飼育放棄をしなくてはならない、という状態に置かれる事もある。
 今回のテーマとは違うが、自分がケアーできないのに、ペットを次々飼ってしまう・・・、という事も高齢者に多く、大きな問題となっている。

 動物虐待・児童虐待・DV(家庭内暴力)は、密接につながっているものと考えられる。
 ここで、最初のテーマ、子供による動物虐待がどういう理由で起こるのか、3つのカテゴリーとしてあげてみました。
1.未成熟な為、生命体が苦しむ事を理解できない。
2.親から虐待を受けた被害者である子供達が、うちに秘めたものを連鎖させて動物虐待をしてしまう。
3.反社会的な行動を繰り返す人・・・、将来ウソ、盗癖、放火、家出、過度な虐待などを繰り返す。

 午前中の講演で話された、特に3つめの理由ですが、約95%が男性とありました。
 若い男性は「強くありたい」、「パワーを持ちたい」、「支配欲」、「武器への興味」などの気持ちが大きい事は一般的な事です。だから、そういう気持ちの全てが犯罪につながるというわけではありません。
 先生も、6歳〜12歳までの写真は銃を手にしている写真ばかりだったと、笑ってお話されていました。

 アメリカでは残酷な動物虐待の犯人は、精神的に問題があると考えられ、禁固中に心理評価やカウンセリングを行います。社会に復帰した時に、また問題を繰り返させない為に、大事な予防措置なのです。
 一般的な家庭で育った子供にもペットは大切だけれど、そういう子は、もうちゃんとした心を持っているから、それ以上に暴力を背景に育った子供に、ペットと交流させる必要性があるのです。
 野生のケガをした小鳥を保護して自然に戻す事で、共感もおぼえ、自分の未来の社会復帰に希望が持てるようになるかもしれない。
 ある少年院では、1人に1頭ずつ、レスキュー犬の小犬などを与え、陽性強化法(決して暴力的な方法ではない)での育て方を教えて、育てさせ、里親の元へ、社会に還元していく・・・、というような事も行っている。
 暴力的だったり、自制心がなかった子も、犬にそういう事を教え、自制心を与えて育てていくうちに、自分にも自制心が持てるようになってくるという効果が期待されている。
 この動物トレーニングプログラムによって更生された例も多く、再犯率をおさえ、効率よく出来るので、この方法は今、大きく認められる途中段階にまで達しているそうだ。

 まず、私達にできる事について、先生はこうおっしゃっていました。
 「今日の話を自分で受け止め、周りに伝えたり、話せる人になってほしい」と。
 後は、今日のお話のデータは北米のものなので、自分のまわりの、地域社会のデータ集め、色々情報交換などをして、はじめて連動して立ち向かえると思う、という事。
 そして、法律が認めてくれないとできないので、地元の議員さんに直接的に働きかけたり、小規模でもいいからプログラムを考えるのもいいと思う。
 クロストレーニングといって、色々な角度からの専門家同士で交流しあうのもいい、例えば、今日、動物愛護関係の人や、人間心理学の人が同じ場で集まったように・・・、などなど。

「日本は北米より10年も遅れていて、動物虐待も器物破損で済んでしまったりする。
 法的にそれを変えるシステムを望むが、日本の体制は縦割りで、取り組みが悪く遅い。
 大きな被害をおさえる為にも、もっと早く取り組んでほしい。」
と、日本の犯罪心理学のやまがみ先生からのお話があった。

 それに対しロックウッド先生は、一般市民みんなが知識を付け持ちかけ合えば、縦割りにもいどんでいけると思う、とおっしゃっていた。難しい事だけれど、でも、そうなんですよね。
 私も知識はないし、政治に詳しくもないし、自分で出来るのは、こうやって自分の意見をHPなどで伝える事ぐらいかなぁ、って思うけれど・・・、それが実際に力につながるかはわからないけれど・・・、自分のやれる範囲で、やりたい範囲でやってみようと思う。

 ほとんどの子供が生まれた時からペットに共感性があるそうです。自分の魂も、ペットの魂も、何も区別するものはない、と。
 だから、小さい頃から命の大切さを教え、ペット、友人、自然などに対してプラス方面に接していけるように、親は導いていくべきではないでしょうか。
 問題のある人に焦点をあて、暴力のある世界が縮まるように・・・、動物に囲まれて、責任を持って育てていけるように・・・、というのが、先生が最後に一番言いたかった事のようです。

 私にとって、とてもいい内容のセミナーでした。
 午前中は、私の知らない心理の世界を知る事ができました。加害者は、本当はみんな過去に痛みを受けた被害者じゃないのかな?と思っていたけれど、こういうケースがあるんだ、と、はじめて知りました。
 午後の部は、家庭内暴力がかかわってきて、とっても共感できる部分も多く、聞けてよかったと思います。自分と重なる絵も多く、いい内容でした。

 私は、痛みのチェーンを断ち切りたい。
 虐待を受けた子の1/3は、連鎖してしまう、という内容がありました。
 私は、連鎖はもっと確率が高いのではないか、私もいつか人を傷付けては罪悪感を感じ、苦しむ自分になってしまうんではないか、という不安があります。
 でも、私は断ち切りたい、連鎖させない2/3の中に居たいです。
 他者を傷付ける事は、本当は自分にとって、自分を傷つけるより痛いと思うから・・・・・・。

 セミナーに連れて行ってくださったのいぱぱさん、ありがとうございました。

 そしてセミナーからはなれて、今回の猫の虐殺事件についてですが・・・・・・。ゆきりん、きっかけをありがとう。力になれるかわからないけれど、私なりに動いてみようと思います。
 賛同してくださる方がいましたら、ぜひ、よろしくお願いします。


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