春の味覚とは
メバル(春)
この魚が釣れ出すと、もう春である。
「春告魚」とはメバルのことを言い、「目晴」「目張」と書く、大きくて黒い目がひときわ印象的だ。
旬は春なのだが、春もまだ浅い二月の下旬から釣れだすところが多いが12月〜5月末くらいの間釣れる。
ふつうメバルといえば、岩のある海底にいる黒メバルを差すようだが、やや砂地のところにいるアカメバルを
「沖メバル」と呼び区別している。味・値段ともに断然クロメバルが上だ。
定番は煮つけ?
メバルと言えば煮付けを思い浮かべるだろう。しかし、ただの煮つけでは曲がないので、おろし煮を紹介してみよう。
ウロコを取り、エラと内蔵を抜く(できれば壺抜きで)。抜いたメバルを2つか3つに筒切りにする。水気をよくふき取って
軽く下塩をして20〜30分ほど置く。その間に、ダイコンおろしを多めに作り、ふきんetcで軽くしぼって水気を取っておく。
次に先ほどのメバルに小麦粉をつけて油に入れて揚げる。コンブ出汁に醤油、味醂と酒を加えて煮たたせ、
これに揚げたてのメバルを入れてサッと煮あげ、先ほど作ったダイコンおろしを入れてもう一度煮るが、
あまり長く煮ず、ひと吹きしたら火を止めてで来あがりだ。一度、ご賞味あれ。
また、メバルと言えば塩焼きが最高に美味しい。メバルのウロコを落とし、内蔵をとり飾り包丁を入れ
塩をまぶして焼くだけの簡単料理だ。
ちなみに、壷抜きとは2本の割箸を口からエラを縫うように腹の奥まで差し込み、
箸を回しながらゆっくり引く方法で、きれいにエラと内蔵が抜けるのである。忘れていけないのは、この後メバルの口から
水道の水を勢いよく流し込み、腹に残った血や汚れを洗い流すことだ。
皮の湯引き
3枚おろしにした切り身から皮を引き、斜めにしたまな板に広げ、固く絞った濡れ布巾をかぶせ、その上から熱湯をかける。
すぐに氷水に入れて熱をとり、食べやすい大きさに切っておく。
砂糖、小さじ2・みりん、小さじ1・塩、少々・酢、大さじ3・味噌、大さじ3・練り辛子、中さじ2を
合わせて辛子酢味噌を作る。これに先ほどのメバルの皮を合わせて食べる。好みで卵黄を混ぜてもいいだろう。
この皮の湯引きはメバルに限らず、ヒラメ、スズキ、アイナメなど、白身の魚なら大抵の魚で作れるだろう。