冬の味覚とは

かわはぎ(冬)

釣るのがむずかしいと言われている魚だ。おちょぼ口で非常に小さい前歯でみごとにえさを取ってしまう。
「えさ取り名人」の最右翼にあり、釣り人の心を誘う。 よくこれと紛れて釣れるウマヅラハギにくらべ、こちらはまるに近い体型で体色も違っているからすぐ分かる。 味も釣り味も、よりすぐれていると言えるだろう。関西地方ではハゲ、マルハゲと呼んでいるが、 関東地方ではカワハギ、ハギといってウマヅラと区別する。

定番料理はこれ
カワハギとはその名のとおり皮をはがねば食べられない。サメのようにザラザラした皮がある、いっそハギ皮と呼びたい。 口の先端を包丁で半分落とし、ここから尾に向けて引っぱるとペリッと音がしてきれいに皮がとれる。 次に内蔵をとり出すが、この時キモをこわさないように注意したい。 皮をきれいにとったカワハギを薄造りにし、冷蔵庫で1時間保管する。 この間に先ほどのキモを、少しの塩を入れた熱湯でサッと湯引きして、すぐに氷水に入れて熱をとり、 ザルにあげ、お酒と塩を少々を加えてよくすりつぶす。そしてラップをして冷蔵庫へ。 一時間後、造りに、このキモをつけて食べる。これで、熱燗もすすむはず。 へたなフグよりはおいしいし、薄づくりにしたものを酢で洗い、キュウリを添えた三杯酢もいける。
キモこそ珍味
またキモはみそ汁にもあう。ぶつ切りにした身のみそ汁が煮立ったところでキモを入れるのがコツ。
早めに入れるとキモがつぶれてかえってまずくなる?からだ。
水たきにするときも同じで、サッと煮てすぐに食べるようにしたいもの。フグの白子のように。
とにかくカワハギはキモを食え、といわれ、秋から冬にかけてのそれが、一番おいしいようだ。
だがウマヅラのキモはややくさみが強く、カワハギほどではない?かも。


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