泌尿器科医・木村明の日記


骨シンチグラフィー



先週の土曜日、学会の懇親会から帰ってきた直後に、

勤務医時代の知人から電話がありました。

知人(Aさん)の知り合い(Bさん)は前立腺癌で治療中ですが、

最近、骨シンチグラフィーを受けたそうです。



骨シンチグラフィーは、前立腺癌が骨に転移していないか調べる検査です。

検査は簡単。CTやMRIのようなものです。大きな病院にしかない装置ですから開業医で受ける事はできませんが、検査は辛くはありません。

ただし、10時にテクネシウムという薬品を静脈注射して、14時に撮影(CTのような装置に入る)するので、1日がかりです(病院内にいる必要はないので、10時から2時まで映画を観ることも可能)。

「この検査を受けたということは、Bさんは骨に転移している可能性が高いということか」と、Aさんは私に聞きます。

私は、「前立腺癌の患者さんに、骨シンチグラフィーをやるのは、

「1.PSAが上昇したとき、

「2.前回検査してから、数年経ったので、念のために、

「3.腰が痛いなどの骨の症状があるので、一応転移を否定しておくために、

「という、いろんなパターンが考えられるので、骨シンチグラフィーを受けた、という事実だけで、そんなに心配しても仕方がない。」

と説明しましたが、不安は解けたでしょうか?
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