ゼルハは、肩をすくめた。

「…なくしていた目を取り戻したのね、ノーマン。若返りの作用で、失った体組織も再生したってわけかしら。その点は、素晴らしいわ。だけど、さすがに契約の印までは、消せなかったようね。」

「契約の印?この手のひらの傷のことなのか?」

ゼルハは僕の質問を無視して、さっきより丁寧に、僕を観察し始めた。

「目以外のところはどうなのかしら?歯は生えた?ちょっと口、開けてみて。」

ゼルハは、ため息をついた。

「…ずいぶんオバカになってるみたいだけど、記憶の損傷はどのくらいなのかしら?あとで、ミッチリ調べさせてもらうわよ、ノーマン。覚悟なさい。…でも、とりあえず、くたばりそこねたお祝いを言わせてもらうわ。おめでとう。」

なんと答えればいいものか。

「えーと、ありがとう、ジョイ…」

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