「一刻も早く記憶を取り戻してちょうだい。ノーマン・コリンともあろう者がなんてザマなのかしら。今日は、あなたのチカラを借りようと思って来てみたんだけど、この分じゃ、当分、役立たずみたいね。」

ゼルハは、またため息をついた。

「折角だから、ゆっくりしていきたいけど、依頼人がくたばりかけてるから、そうもいかないの。仕方ないから、他の手だてを探してみるわ。また来るから、その時には、ちゃんと役に立つ男になっててよね、ノーマン坊や。それじゃ!」

言いたいことだけ言うと、ゼルハは、部屋をさっそうとした足取りで出ていった。

と、思いきや、クルリと引きかえしてきた。

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