訳が分からないまま、激しく揺さぶられて、ガクガクしている僕を、助けてくれたのは、怪力娘のウェイリスだった。

僕をチカラまかせに姉さんから、引き剥がしたのだ。僕の肩が、またイヤな音を立て、ついでに、上着が裂けた。

…また、僕の知らない名前が飛び出した。してみると、この女性は、ジョイス姉さんじゃないのか?でもどう見ても、姉さんだ。姿だって、声だって。

「何よ、ウェイリス!そいつを渡しなさい!大体、なんなの、この失礼きわまるボウヤは?!よりによって、こんな馬の骨、連れ込むなんて!」

ひどい言いぐさだ。

「ノーマンは?あのくたばり損ない、どこにいるのよ?大人しく寝てるんじゃないの?」


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