北海道2006 その2 2006年8月10日夜〜16日
◆コース◆ |
利尻岳登山参考サイト: 利尻富士町HPの登山情報(コース概要、花、注意など。) 環境省 利尻礼文サロベツ国立公園のHP(利尻山登山情報ほか) |
民宿5:00出発の予定で4:00に起きる。天気は良さそうだ。 宿が用意したおにぎりを1つ食べる。トイレが1つしかないので、出発前にと結局みんな早起きだ。荷物をバスに積み込んでいると、案の定、30分以上も早く出発となる。(まあ、想定内。) キャンプ場には立派なトイレもあり、そこで時間を取って準備に充てる。随分人が多いので驚く。流石、百名山の筆頭だけのことはある。 4:30に歩き出す。甘露泉水までは舗装されており、その先は野鳥の森となっている。コマドリの高らかな声が木霊する。 |
まだ早朝ゆえ、比較的涼しいのは助かる。だんだん体も目覚めてきて、良いペースで登って行く。 六合目に近づくと、ノコギリソウの白い花が咲いている。あ、これがシュムシュ・ノコギリソウだろう。大き目のパッチリした花で、時折ピンクがかったものもある。なかなか綺麗だ。 六合目は第一見晴台で、視界良好。休憩にもぴったり。(ただし、トイレブースはこの少し上にある。) |
六合目からの眺め |
六合目付近 |
シュムシュ・ノコギリソウ | リシリブシ(利尻附子) |
アキノキリンソウやイワギキョウなどが咲いている登山道をひたすら登って行く。七曲も特に意識せず、どこにでもある(楽ではない)山道とい感覚で、第2見晴台。強烈な日差しは樹林やガスに遮られ、とても幸運である。 |
ゆっくりながらも体力を温存しつつ、いつしか8合目の長官山(1218m)へ。 ここまでの行程が約3時間30分。およそ1000mの標高差を順調にクリア。 ここから15分ほどで避難小屋。ここにトイレブースがあり、ちょっと休憩。 さて、この辺りは地形図でも分かるように、唯一なだらかな地形である。リシリブシ(トリカブト)などが沢山咲いていて、ここが山頂だったらなあと思わせる別世界だ。 | 山頂を臨む |
足元がゴロゴロの石で不安定な中、9合目へ。標高1400mあたりのようだ。比較的広い場所で、トイレブースもある。「ここからが正念場」と書かれているが、なるほど山頂方面は崩壊地の荒れた赤い肌が目立ち、見るからに歩きにくそうだ。 しかし、足元に目をやれば、ロープの下にリシリヒナゲシが咲いている。1株しか見当たらないのは残念だが、ちょうど盛りで、何度もシャッターを切る。 |
リシリヒナゲシ | イワギキョウ(岩桔梗) | 9合目のトイレブース |
さて、枡形ルートを合わせる地点まで15分ほどのはずだが、だんだん登山者が多くなり、ボトルネックごとのすれ違いで待ち時間ばかりかかるようになる。 道はますます荒れていて、足元は滑りやすい。富士山の火山礫地を歩いているようだ。崩壊が進んでおり、危険箇所が多い。 しかし、ここへきて軽装の初心者然とした若者達が、周囲への迷惑も省みず、落石を起こしながら『足の遅い中高年軍団』への冷たい視線を残して大股で抜いて行く。まったく由々しき事態である。 巻き込まれては大変と、気を引き締めて歩く。合流地点で少し休む。誰かが呟いく。「3歩進んで3歩下がるようだね。」 その先は見えていても全然進まない。渋滞である。どうやってもロープ無しには登れない急坂、掴まる枝の1本もない滑り台のような赤土の急坂、すれ違いの出来ない細いルート、・・・。 帰りのことを考えると呆然とするような箇所をとにかく登りきると、土嚢で階段状になった箇所に出る。これは有難い。しかし、もうオーバーユースは誰の目にも明らかだ。恐らく早晩登山禁止になるだろう。 足元に気を取られながらも何とかザレ場を登りきると、とうとう頂上。あ〜ついに着いたんだ! | 目の前に見えても辿り着けない頂上 |
チシマリンドウ(千島竜胆) (花の内側に、細かい切れ込みがあり、 中が覗ける) | リシリリンドウ(利尻竜胆) 花の内側はちょうど蓋をしたようになっており、 中が覗けない。 (花の大きさは千島竜胆とほぼ同じ位。色はこの写真の通り。) | 南峰を臨む(通行禁止) |
さて、問題の下山である。一体どうやって無事に下りたらいいのか分からないほどの荒れたルート。 とにかく、ストックと設置してあるロープを最大限活用し、怪我なく迷惑もかけずに降りるのは、難題である。今日は風もなく晴れているからこそまだ多少の余裕があるものの、さもなければ大変な事態である。
相変わらずすれ違いも困難で、待ちわびた登山者はイライラを募らせている。すみませんね、後3人ですから、などと言い訳して何とか降りていくが、途中で別の登山者が入り込んで、パーティーはバラバラになる。
とにかく必死で歩いているうちに、見慣れた9合目に辿り着く。大きな息をついて、汗をぬぐう。
例によって、中高年軍団である私達にはまだ余裕が残っている。これが経験の差か、はたまた日頃のトレーニングの成果か。
長丁場とはいえ、無事に登頂を果たした喜びで、ここから先はおしゃべりも聞こえてくる。 甘露泉水で名水を汲みたいという声も聞こえたが、先頭はどんどん下りていく。もう早く下山して、汗を流したい気分である。 |
★礼文岳へ★