1998年三陸海岸旅行記・2日目

8月18日


 目覚めると,塩尻到着直前であった.いつの間にか車内はかなり空いている.木曽福島でかなり降りたようだ.木曽御嶽山へ登山にでも行ったのだろうか.塩尻を発車して篠ノ井線に入りすぐ松本に到着する.ここは北アルプスの玄関,上高地への乗換駅であるが地震の影響か思ったほど下車する人はいない.ここで約20分間停車する.隣のホームに新宿発信濃大町行き急行アルプス号が到着し,相互に乗り換える客もいる.松本を発車して約1時間で終着駅長野に到着した.長野行き新幹線が開業してからかなり大きな立派な駅に生まれ変わっている.
石畳の善光寺参道
▲石畳の善光寺参道
 余分な大きな荷物はコインロッカーに預ける.あいにくの雨だが時間があるので善光寺まで歩く.早朝ということで道にはほとんど人がいない.約25分歩いて善光寺に到着した.さすがに善光寺には早朝にもかかわらず信仰者や観光客がかなりいた.一通り見て回ってから,再び長野駅に戻る.時間は充分あるので行きとは道を変え,約30分かけて戻った.7時になり駅のカレーショップで朝食を取る.
 長野9:23発飯山線森宮野原行き普通列車に乗る.この列車は眺望車「ふるさと」により運転されている.この車両は座席を全て川側に向けて眺望を良くしているようだが,単なるロングシート車であまり座り心地が良いとは思わなかった.私は一般車両の方が良いと思った.豊野まではりんご畑を見ながら信越本線を走る.飯山線に入ると千曲川を見ながらのどかな日本らしい風景の中を走る.千曲川は大雨の影響か濁っていて汚い.替佐駅では文部省唱歌「ふるさと」発祥の地ということで,列車が到着するとメロディーが流れる.長野を発車して約2時間で森宮野原に到着する.隣のホームに停まっているすぐ接続の越後川口行きに乗り換える.駅前には鉄道線の積雪日本記録の碑が建っている.森宮野原を発車すると何駅目かに越後○○という駅があり,新潟県に入ったことが分かる.まだ進行方向右手に川があるが名前は千曲川から信濃川に変わっている.十日町に到着,隣の北越急行ほくほく線の駅は高架の立派な駅であるがこちらの飯山線は典型的な国鉄タイプの駅である.森宮野原から約1時間で飯山線の終点,上越線との接続駅越後川口に到着した.乗換列車までやや時間があり,昼食をまだ取っていなかったので,駅前に出て店を探すが適当な店はスーパー一軒しかなかったので,そこで弁当を買い,食べる.
 上越線普通列車長岡行きで約20分で長岡に到着する.長岡は1年前に電気学会産業応用部門大会が開催された場所で1年ぶりの場所である.長岡からは普通列車の新潟回り新発田行きで新津まで行く.長岡と新津は近そうなイメージがあるが,実際はかなり距離があり1時間を要する.1年前にも同じ区間を乗車しており退屈なので,うとうとしながら新津に到着した.
 1年前はここで磐越西線に乗り換えたが今回は羽越線で北上する.すぐの接続の酒田行き普通列車に乗り換える.この列車は途中の村上で直流区間から交流区間に切り替わるのでディーゼルカーで運転されている.しかも非冷房であるため,扇風機を廻し,窓を開ける.このような車両はたまには良いものである.羽越線新津〜新発田間に乗車するのは9年前のトワイライトエクスプレス以来である.約30分で新発田に到着,新潟からの乗客が乗り換えてくる.羽越線は海の景色が美しいのが有名であるがまだ海岸線に出ないので退屈な車窓となる.新発田から約45分で新潟県の主要都市村上に到着,かなりの乗客が降りた.なんとここで26分も停車する.駅の売店でアイスクリームを購入し食べる.新潟方面行きホームには超満員の485系3色混色編成の特急いなほ号が到着した.到着時点で超満員であるので,村上から自由席に乗る人のスペースはなく,指定席車の通路に立つように案内されていた.新潟〜村上間のいなほ号はいつも混雑しているのでこの区間を30分間隔で快速列車が運転されれば,特急の混雑緩和に役立つと思う.
 村上を発車するといよいよ海岸線が迫ってきて,美しい車窓を眺めることができるようになる.窓からは海のにおいが漂ってきており,特急列車では味わえない感覚である.しばらく車窓を楽しむ.鼠ヶ関という駅でようやく新潟県から山形県に入った.飯山線の森宮野原を出てからずっと新潟県であったので,つくづく新潟県は細長い県であると実感する.山形県に入ってまもなくあつみ温泉駅に到着.私はここで後続の特急白鳥号に乗り換えるため下車する.
 列車到着まで約15分あるので駅で秋田までの自由席特急券を購入するが,券売機でしかもオレンジカードで購入できた.最後尾の自由席に乗車する.白鳥号に乗るのは春休みに北海道へ行った時に続いてである.あつみ温泉を出て数駅の小さな駅でさっきまでお世話になった非冷房のディーゼル車を追い越す.辺りは暗くなってきており景色は楽しめなくなってきたので特急車の中でくつろぐ.鶴岡,酒田と大きな駅に停車する毎に乗客は減っていき車内は閑散としてきた.特急列車を使ったので秋田までわずかの時間で着くだろうと思っていたが,あつみ温泉から秋田まで2時間も要する.昼間なら日本海を望むことができるであろうが夜間なので全く見えない.象潟,仁賀保,羽後本荘と停車し,秋田到着時刻になってもまったく到着の案内放送が入らない.遅れているようだ.結局10分遅れで秋田駅に到着.待ち合わせていたP氏と会う.P氏は朝到着の日本海1号で東北入りし,北海道に上陸後秋田まで引き返してくる予定だったそうだが,昨晩の集中豪雨のため日本海1号が3時間遅れで青森に到着したため,北海道上陸を諦め青森で引き返してきたそうだ.P氏は日本語が話せないため,私が通訳をして日本海1号の特急料金払い戻しをした.秋田駅の改札を出てホテルへ向かうわけだが,どのバスに乗ればよいのか良くわからなかったため,結局タクシーでホテルに向かった.P氏はすでに夕食を食べたとのことなので私は近くのコンビニで弁当を買い,食べた.風呂に入り,荷物の整理をしてから,ベッドにもぐった.

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