東京へ
九月。日帰りで東京に行ってきました。
午前中に、まず立原道造記念館へ。閉館する前に一度、と思い、行ってきました。
いつものように上野で降り、不忍池の蓮をみながら細い道を弥生門の方へ。
今回の展示では東京市電乗換切符が初公開されていて、その数の多さから楽しそうに収集する姿がまるで
目に浮かぶようでした。彼が人間味あふれる一面をまたみせてもらうことができました。
とてもよかったです。私はこの記念館の空間がとても好きでした。
静けさといい、大きさといい、なぜかゆっくりゆったりとしてしまう空間。
まさに立原道造にとても合う、ぴったりの記念館でした。閉館は本当に残念です。
ほぼ一時間半ほどいて、名残惜しみつつ、お隣の弥生美術館に移動。
「栗本薫・中島梓」展へ。こちらの展示は、一言で感想を言うなら、圧倒された、という他ありません。
栗本薫といえばグイン・サーガですが、そのグイン・サーガのイラストを描いた四人の画家の原画を
初めて目の前にみることができました。本当にきれいでどれも見事でした。
そして自身の自筆の創作ノートや原稿には、ただただ圧倒されました。
何て勢いのあるエネルギッシュな生、そして魂だったのでしょう。書いて書いて、生きて生きて。
人間を生き、物語を生きた人。私にはそんなふうに感じられました。
そして午後二時近く、渋谷Bunkamuraの「フランダースの光」展へ。
ベルギーの絵画展だったのですが、今回はエミール・クラウスという画家の絵がとてもよかったです。
『レイエ川の水飲み場』や『フランダース地方の収穫』。緑といい、青といい、黄色といい、
のどかで光のやさしい絵が多く、とても落ち着きました。
最後はタワーレコードへ。ここのところ東京へ行く度にタワーレコードに寄ってアイリッシュのCDを
何枚か手に入れることが常になっていて、今回も。
おかげさまで、一日という時間を思いきり満喫することができました。
<2010.10.15 vol.122>