おそらくは、彼には家族がいなかったのかもしれません。
そこで、残された主人または上司に当たる人が、故人への親愛と感謝をこめて、彼は信頼と愛情に値する人だったと賞賛して追悼するお墓をたてた……。そんな人間愛のドラマを読みとることができます。そこにアンは心動かされたのでしょう。

その墓地公園にも、アンファンのみなさまをご案内いたしました。
ここは、ハリファクス市内の名所ではありますが、わざわざ日本から大人数のツアー客が、カメラを持って訪れることはないので、公園の鍵を開ける番人さんも、びっくりされていたようです!

カナダで新学年が始まるのは、9月。
この第4章のアンは、都会の大学に入ったばかりで、親しい友達もあまりなく、下宿のすぐ前にある墓地公園に散歩に出かけます。
すると墓石に、昔ながらの凝った文章が刻まれていることに感激して、一つ一つ読んでいきます。
またアンは、そこで同じ大学の女子学生フィリッパ・ゴードンと初めて言葉を交わし、2人は、大親友になります。

さて、この墓地公園について、『アンの愛情』には、すでにお墓として使われなくなって久しいと書いてありますが、もちろん今も新しく埋葬される人はありません。
緑の芝生が広がり、並木があり、傾きかかった古いお墓が並んでいる静かな公園です。
私は、アンが好きだと言っているお墓が実在するのかどうか、墓石の言葉を一つ一つ、読んでいきました。
すると確かに、上に書かれた英文と、ほぼ同じ文章を刻んだお墓が、実在していたのです!
また、『アンの愛情』に書かれている、髑髏(どくろ)と童天使(シュラブ)を刻んだお墓も、本当にありました。
この二つのお墓の写真と説明を、サイトにアップしましたので、ご覧ください。
http://homepage3.nifty.com/office-matsumoto/halifax-1.htm

この「ロスさん」が亡くなったのは、1840年。
モンゴメリが、ハリファクスに暮らしたのは、1890年代です。(次へ)
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