ヒメヒオウギズイセンは夏の河川敷や土手等、いたるところに朱赤色の目立った花を咲かせる。 盆花としても利用されており、古来から日本に生育していた花かと思ってしまうが、明治時代にヨーロッパから渡来した園芸種が野生化し、日本各地に広がったものである。 この花を乾燥させ湯に浸すとサフランの香りがする事から 「サフランの香り」 を意味するギリシャ語クロコスミアがその学名になっている。 サフランはヨーロッパではその香りと色で魚料理等に使われるなじみの深いスパイスであり、下の写真の赤い雌しべを摘んで乾燥させたものがとびきり高級なスパイス 「サフラン」 で、 ヒメヒオウギズイセンを乾燥させ湯に浸すとこのサフランの香りがする。
サフラン
ヒメヒオウギズイセンはスイセンの名は持つが、スイセンと同じヒガンバナ科ではなく、サフランと同じアヤメ科の花である。 南アフリカ原産のヒオウギズイセンとヒメトウショウブがヨーロッパで交配されたものとされ、色合い、形は南アフリカを思い起こさせる雰囲気を持っている。 姫檜扇水仙(ヒメヒオウギスイセン)と書くように、葉の付き方が檜扇(ひおうぎ)の様で、花は水仙に似たヒオウギズイセンより小型と言う事から名の由来が来ており、モントブレチアが園芸種の名である。
お盆に欠かせない仏前花としても重宝され、サフランの香りがする等、ユニークな花で、散歩道でよく目立つ。
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