マツバウンランとウンランいろいろ

マツバウンラン

散歩の途中、葉もほとんど見えない細長い茎の上に紫色の小さな花を付ける珍しい野の花を見つけた。 この地方では見慣れない花なので写真に写し、調べてみたらマツバウンランであった。
この花は60年程前に初めて京都で確認された北米原産のゴマノハグサ科ウンラン属の花で、関西ではあちこちに群生し、紫色のお花畑を作るようであるが、関東進出も急であるとの事である。
関東では未だ僅かに見られるだけのようであるが、その内、関西と同様この近くでも一面の紫色の花畑を作るかもしれない。
たかだか60年の間にこの様に葉も茎も細い花が全国に広がるのは驚くべき事だが、それだけ強い繁殖力を持っているのであろう。 人も花も見かけで判断は出来ないと言う事か。

マツバウンラン(松葉海蘭)の名の由来はウンラン(海蘭)の仲間で松葉の様に葉や全体が細いことからとされている。

マツバウンラン

マツバウンランを見つけた後、、たまたま日本海沿岸の浜辺を歩いていたらマツバウンランの名前の基になったウンラン(海蘭)が咲いているのを見つけた。 マツバウンランと同じゴマノハグサ科ウンラン属の花なのでラン(蘭)とは関係ないが、海辺のきれいな花と言う意味であろうか。 花の形はマツバウンランに何となく似ているが、花期は夏から秋である。

ウンラン

一方、春の庭にマツバウンランとよく似た花をよく見かける。 ムラサキウンランと呼ばれ、園芸種名はリナリアである。
やはり同じゴマノハグサ科ウンラン属の近縁で、こちらは散歩道の途中の庭を彩る。

ムラサキウンラン(リナリア)

ウンランの名を持っている野の花はマツバウンラン以外にもう一つあって、同じ早春に石垣やコンクリートの隙間に生えるツタバウンランである。
葉が蔦(ツタ)に似て、花がウンラン(海蘭)に似ているのでツタバウンランの名が有る地中海原産のゴマノハグサ科ウンラン属の花で、大正年間に観賞用として持ち込まれた物が野生化し、下の写真の様に今ではあちこちの石垣等で見られる。

ツタバウンラン

ウンランと名の付く花も色々であるが、属名を代表するウンラン以外は総て帰化種で、文献によると上記以外にもホソバウンラン等が一部野生化しているようである。

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