フクジュソウは旧暦の正月頃、現代で言えば2月の始め頃、草も生えていない黒い土を持ち上げて咲き、春がそこに来ている事を教えてくれる。
元々、北の地方の野の花で、東北地方ではマンサグ、ツチマンサグと呼ばれ、
「土から出てまず咲く」 の意味の春を告げる代表的な花のひとつである。
旧暦の正月頃咲くので、元日花とも呼ばれ、新年を祝う 「福」 と 「寿」 の漢字を用いて現代では福寿草の名前が一般的な通り名となっている。
新年の頃咲く縁起のよさと、花も見栄えがするので、旧正月の鉢植えとして人気を博し、特に養蚕者が副業として桑畑で生産する事で一躍日本中に広がった。
「武蔵熊谷 お蚕どころ 繭の山から 繭の山から 月が出る」 と熊谷囃子に唄われ、蚕都(さんと)とも呼ばれた熊谷を中心にこの地方(熊谷、深谷近隣)は桑畑が多く、福寿草の一大生産地となった。 夏は日陰となり、冬は燦燦と照りつける日光の下で生育できる為、福寿草にとっては最適な環境となり、埼玉県の代表的な花となって、現在でも町の花として指定する町村が花園町を始めこの近隣には数箇所ある。
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