クルマバソウ

クルマバソウはアカネ科クルマバソウ属の多年草で、ヨーロッパ、東アジアに広く分布し、国内では北海道、本州の山や平地の林縁等に咲き、しばしば群落を作るので良く目立つ。
全草にクマリンという芳香成分を含み、かわかすと桜餅のような甘い香りを発するが、ヨーロッパではこれを利用してワインやビール等の香り付けに利用される事もあり、特にドイツではポピュラーな香料である。 クマリンを含む野草は他にもシナガワハギなどもありハーブとして使われる。( 「シナガワハギとその仲間」 の項参照)
従って、シナガワハギ同様、クルマバソウも民間では防虫のほか、めまい、貧血や嘔吐の薬としても使われていたようである。
花径は3−5mmと小さく、花は漏斗状、葉は6-10枚が輪生し、葉柄は無く、丈も20−40mmと小さな花である。 実には鉤状の棘が有り、衣服や動物に付いて運ばれるいわゆる引っ付き虫の仲間である。
同じアカネ科に属はことなるが、クルマムグラやオククルマムグラと呼ばれる全体の花姿がそっくりなヤエムグラ属の花があって、よく間違えられる。( 「ヤエムグラとその仲間」 の項参照)
ただ、クルマムグラやオククルマムグラはムグラ(蔓延る雑草)と呼ばれるだけあって雑草の感じがぬぐえないが、クルマバソウが林縁に群生している様子は小さいながらも清楚な花が咲き乱れている感じでよく目立つ。 花自体も漏斗型でクルマムグラとは異なるので慣れれば間違える事は無い。

クルマバソウ

オククルマムグラ

クルマバソウ(車葉草)の名の由来は葉の形が昔の牛車等の車輪の形に似ている事から名付けられた。
5月ー6月にかけて林縁で群落を作り、周りをぽっと白く染める可愛い花である。

次へ

最初のページへ戻る