オモダカ

近年、世界各地で除草剤の効かない 「ス−パ−雑草」 と呼ばれる雑草がはびこり始めているらしい。
いずれも遺伝子が変化して、従来使われていた除草剤が効かず、2割近く作物の収量が減り農家を困らせているとの事である。
各国でそれぞれ違った種類のス−パ−雑草が出現しているそうであるが、日本で最近話題になっているス−パ−雑草がオモダカである。 遺伝子に突然変異が起こったオモダカが出現し、除草剤が効かず、東北地方を中心に猛威を振るっているとの事である。
普通は日本各地の水田に7月ごろから10月頃にかけて矢じりの形をした独特の葉と可愛い花を付け、雑草には見えず、スーパー雑草の名前は似合わない花である。

雄花             雄花と雌花の痕跡             葉

中国原産の史前帰化植物で、写真のように矢じりの形をして高い位置に斜め上向きに付ける葉をいかめしい顔をした人面に見立て、面高(オモダカ)の名がある。
オモダカ科オモダカ属の花で、同一の株に雌花と雄花をつける雌雄異花であり、頂上に雄花、下部に雌花が付く。 写真の花が雄花で、雄花の下の丸い青い実が雌花の花びらが散った跡である。
別名 「花グワイ」 と呼ばれるように、正月のおせち料理に使われるクワイはこのオモダカの変種である。
古くから水田に生え、姿かたちも趣のある植物がス−パ−雑草として突然変異したのは除草剤農業への自然からの警告であるかもしれない。

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