ヒメキンセンカ(ホンキンセンカ)

11月も半ばを過ぎ、散歩道の野の花も僅かにホトケノザやハルノゲシ等 「春の野草の帰り花」 が見られる程度になる頃、田の畦や道端に黄色い可愛い花が目に付くようになる。
いかにも園芸種の花の様なので、誰かが種を蒔いたか、こぼれ種によるものと無視してきたが、毎年あちこちに咲き、人手が加わったように見えないので、調べてみたらヒメキンセンカと呼ばれる帰化種でこの地方ばかりでなく日本各地で野生化しているとの報告がみられる。
原産地は西アジアからヨ−ロッパ、北アフリカ等地中海沿岸のキク科の花で、江戸初期にキンセンカ(金盞花)として渡来したが、江戸中期に同じく南ヨ−ロッパ原産で中国を経由して渡来した八重咲きのトウキンセンカ(唐金盞花)がキンセンカとして定着してしまったので、こちらはヒメキンセンカ(姫金盞花)、あるいはホンキンセンカ(本金盞花)と呼ばれるようになった。
耐寒性が強く、別名フユシラズ(冬知らず)と呼ばれるように、11月頃から春先にかけて咲き、花の少ない時期に良く目立つ。

ヒメキンセンカ(姫金盞花)

トウキンセンカ(唐金盞花)

トウキンセンカもやはり耐寒性が強く、花が大きく目立つので園芸種として花壇に植えられ、薬用ハーブとしても名があるが、野生化はしていない。
キンセンカの名の由来は花の形を金色の盃(金盞)に見立てたものである。
ヒメキンセンカは近年、花の少ない冬から春にかけて畦や野原で目立つようになっており、園芸種の様ではあるが、日本の風土に根付いて帰化した花のひとつである。

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