ウリクサとアゼナとトキワハゼ

ウリクサ

八月から九月にかけて、散歩道の田の畦のところどころでいずれも良く似た白から少し紫色がかった小さな花々が目に付くようになる。
ウリクサやアゼナやトキワハゼで、同じゴマノハグサ科の花であり、遠目から花だけ見るといずれも同じ様に見える。

ウリクサ

アゼナ

トキワハゼ

ウリクサは果実がマクワウリに似ているのでウリクサ(瓜草)と呼ばれる一年草であるが、地を這うようにして咲き、あまりにも小さいので、野の花に興味があってもつい見過ごしてしまう。
同じ頃に比較的目立つトキワハゼと一緒に咲いていたりすると、トキワハゼが矮小化した花と思って無視してしまうが、拡大して見ると、花びらの斑紋も全く違う事が分かる。
アゼナは水田雑草で田の畦に生える事からアゼナ(畦菜)の名が有り、ウリクサに比べ背が高く、全体像は明らかに異なるものの、斑紋はウリクサに似て花だけ見ると間違えたりする。 近年ではアメリカから帰化した葉に明確な鋸葉の有るアメリカアゼナも見られる。

一方、トキワハゼは春から晩秋までいつも咲いているので常盤(トキワ)の名があり、果実がはぜるのでトキワハゼと呼ばれ、ムラサキサギゴケとそっくりの花を咲かせる。( 「サギゴケとその仲間」 の項参照)
ウリクサもアゼナもトキワハゼも田の畦に入り混じって咲き、一見良く似ており、トキワハゼが比較的目立つので、アゼナやウリクサの方は見過ごされがちであるが、三者ともそれなりに可愛い花を咲かせ夏から秋の田の畦を彩る。

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